ベントレー本社にエクセレンスセンターが開設
2025年2月11日、ベントレーモーターズは同社の本社に最先端の「エクセレンスセンター」を開設したと発表しました。この施設にはバッテリー式電気自動車(BEV)の組み立て試験場と研究所が含まれます。2026年に発売予定のベントレー初のBEVの製造に不可欠な新しい施設について、見ていきます。
新型BEVの開発が行われる最先端の研究所
ベントレーモーターズは、最新鋭の新しい「エクセレンスセンター」を正式に開設した。フォルクスワーゲン取締役のグンナー・キリアン氏とベントレーの取締役会によって開所式が行われたこの新しい施設は、2026年に発売を予定しているベントレー初の新型BEVの準備に欠かせないものとなる。
ベントレーの「ビヨンド100+」戦略によって、電動化された社会を対応するために製品ライン全体が再構築される。エクセレンスセンターは新技術と新型BEVの開発をサポートし、未来の最高級車に新たなベンチマークを設定する。
エクセレンスセンターは2フロアにわたり、総面積は8000平方メートルに及ぶ。この施設には、BEVの組み立てをテストするための生産試験場と組み立てラインが設置され、今後登場する新型車の素材試験、高精度の寸法測定、車両分析、信頼性評価を行うための技術センターも併設されている。いずれも、高級車に求められる品質、性能、耐久性を確保することを目的としている。
AMWノミカタ
ベントレーはこれまで2030年までに完全電動化を目指す「ビヨンド100」戦略を掲げていたが、2024年11月にその計画を5年延期する「ビヨンド100+」戦略を発表した。新たな戦略のもと、ベントレー初のBEVを2026年に発売することで新たなセグメントを創造し、2035年までに完全電動化を目指すという。
ベントレーはこの戦略の下、今回の新しいBEV組み立て試験場と研究所の設立や、昨年着工した新しいペイント工場など総額25億円の投資を行う。すでにある工場はカーボンニュートラル化されており、販売モデルをBEV化すれば、ベントレーは名実ともに100%カーボンニュートラルブランドの第1号となるわけだが、他ブランドではEV市場の鈍化を理由にBEV一本足打法の方針の変更を迫られるなど、BEVに対する風向きは必ずしも追い風にはなっていない。
ベントレーはまだ2035年の100%BEVの方針を崩していないが、その裏に緻密な市場戦略があるのか、ただ上げた拳の下ろしどころを見失っているのかその本音を聞いてみたい。