立体的な桜の花びらの刺繍を初採用
ロールス・ロイスとして初めての試みとなるのが、インテリアにあしらわれた立体的な桜の花びらの刺繍である。この触覚的かつ彫刻的なディテールは、ドアにあしらわれた花びらが舞い落ちるようなクラシックな刺繍とは対照的なコントラストを生み出している。花びら一枚一枚は手作業で整えられた後、車内の照明に映えるよう配置され、柔らかな陰影を生み出している。
外装にもこのテーマがさりげなく反映されており、アークティックホワイトのボディにはクリスタルをあしらったコーチワークとともに、リアのパッセンジャードアからハンドペイントのコーチラインが引かれ、繊細な桜の花のモチーフが描かれている。これは、車内の芸術性を優雅に予感させる意匠である。

AMWノミカタ
桜をテーマにしたこのモデルはじつに日本らしい。今回のこのモデルのハイライトは、刺繍の技術であろう。ひとつは日本古来の技法にヒントを得たタタミ縫いで、これは密に並んだ刺繍糸による広い面をずらして配置することで、より自然な仕上がりが得られるという。
また耐久性が向上し、グラデーションなどの光沢の調整がしやすいという利点がある。もうひとつはロールス・ロイスとして初めて採用した3D刺繍である。写真を見ていただくとわかるように、リアルな花びらが室内に舞い落ちているように見える。このような顧客からの高い要望がロールス・ロイスのクラフツマンシップの技術力をさらに成長させ、他のブランドでは実現することのできない絶対的な価値に変わってゆくように思える。





































