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熱きスバリストが終のクルマに選んだスバル2代目「レオーネ ツーリングワゴン」はスキーヤーズ・スペシャル仕様!

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)

  • スバル 2代目 レオーネ ツーリングワゴンと“イワモトタダノリ”さん
  • スバル 2代目 レオーネ ツーリングワゴン:購入時の総走行距離は10万5000kmで、現在は13万kmとのこと。ミッションマウントとリンケージブッシュは交換済み
  • スバル 2代目 レオーネ ツーリングワゴン:タイヤはオールシーズンのミネルバで、サイズは前後とも155/80R13。ホイールはスバル純正オプションの白い8本スポーク
  • スバル 2代目 レオーネ ツーリングワゴン:スタイリッシュな専用ルーフボックスは、3代目レオーネのセダンを愛用しているオーナーから譲ってもらったもの
  • スバル 2代目 レオーネ ツーリングワゴン:オリジナルのスキーヤーズ・スペシャルは、専用のサイドストライプのほか、フォグランプ、ルーフキャリア、シートなどを装備している
  • スバル 2代目 レオーネ ツーリングワゴン:ウォーターポンプ、デスビ内蔵フルトラ用トランジスタ、燃料ポンプ、フィルター、ホースを交換。キャブレターはオーバーホール済み
  • スバル 2代目 レオーネ ツーリングワゴン:ステアリングは黒のナルディクラシック。シフトノブはBP系レガシィ用、スポーツペダルはGD系インプレッサ用だ
  • スバル 2代目 レオーネ ツーリングワゴン:非常にいいコンディションを保っているインテリアも購入の決め手となった
  • スバル 2代目 レオーネ ツーリングワゴン:フロントスタビライザーブッシュ、テンションロッドブッシュ、リアデフサポートブッシュ、フロントディスクローター&パッド、リアブレーキシューも交換している
  • スバル 2代目 レオーネ ツーリングワゴン:“イワモトタダノリ”さんは、「生産されてから40年を超えているので、要所要所の部品を替えました。クルマは人生の一部です」と話す

幻のレオーネとスバリストの物語

現存数が少なくなったスバル2代目「レオーネ ツーリングワゴン」。そのなかでも本来存在しない仕様「スキーヤーズ・スペシャル」として仕立てられた稀少な1台を紹介します。30台以上のクルマを乗り継いだ熱心なスバリストがたどり着いた“終の愛車”には、たくさんのこだわりが込められています。

本来は存在しない「スキーヤーズ・スペシャル」仕様

これはまたカッコいいぞ。。オーナーさんに声をかけないと……。そんな感じでスタートした、2024年11月24日に埼玉県で開催された「第3回トダクラシックカー同窓会」に参加していたスバル2代目「レオーネ ツーリングワゴン」の1.8A スキーヤーズ・スペシャル仕様の取材は、非常に勉強になるものだった。

というのも、白いボディに赤と青の印象的なサイドストライプが入ったこの「スキーヤーズ・スペシャル」は、本来2代目のライトバン(4ナンバー商用車)に設定された特別仕様車。ところが、“イワモトタダノリ”さん(54歳)が乗っている1983年式の5ナンバーのツーリングワゴンには、当時その設定が存在しなかったという。

「どうやら、2代目ツーリングワゴンにはスキーヤーズ・スペシャルの設定がなかったのです。おそらく一番最初のオーナーがこの仕様にしたんでしょうね。稀少なのが愛車のポイントです。ちなみに、車体の形状にぴったりフィットするルーフボックスは、3代目レオーネのセダンに乗っていたオーナーさんから譲ってもらいました」

巡り巡って出会った、レオーネ ツーリングワゴン

“イワモトタダノリ”さんは、2022年3月にフィアット「ムルティプラ」からレオーネ ツーリングワゴンのオーナーになったという。一番最初に購入したのはスバル初代「ジャスティ」で、それから現在までに30数台ものクルマを乗り継いできたという熱心なスバリスト。イタリア車もいくつか含まれていたそうだ。

「レオーネは、子どもの頃に憧れていたクルマなんです。当時、CMやカタログで雪道や悪路の走破性をアピールしていて、それを見て感動しました。“普通の乗用車なのにすごい!”と、すごくワクワクしたのを覚えています。最後に乗るクルマは子どもの頃に好きだったレオーネにしようと決めて、買えるうちに買っておこうと考えて、少し早いけど“終のクルマ”として購入しました」

このレオーネ ツーリングワゴンは中古車業者を転々としていたそうで、購入したショップでも1年以上在庫として残っていたという。実車を見にショップを訪れて各部をチェックしたところ、年式相応で外装はややヤレていたものの内装やシートの状態は良好。条件面での交渉もうまくいき、購入に至ったとのこと。

「レオーネ ツーリングワゴンしか所有していないので、休日の買い物やイベントへの参加、家族旅行など、日常的にドライブに使っています。ただ、買ってから数カ月後に点火系のトラブルで路上で止まってしまったことがありましたね。純正部品は国内にはなく、代替品を探してどうにか復活させました。トラブルで部品交換が必要になったときにパーツが流通していないのは不安ですが、救いはアメリカやオーストラリアなど、レオーネが輸出されていた国からいまでも部品が出てくることです。文化の違いは面白いなと思いました」

“終の愛車”との忘れられない旅

スバルのコミュニティサイトのオフ会で大阪まで出かけた際には、トラブルもなく、疲れも少なく燃費もそこそこ良かったそうで、「すごいクルマだ」とあらためて実感したという。これが“イワモトタダノリ”さんにとって、愛車との一番の思い出になっている。

「今のクルマと比べたら性能は遥かに劣りますが、取りまわしのしやすいボディサイズや車体の軽さ、そして何よりすべての感覚がダイレクトに伝わってくる。その感覚を味わいながら愛車を走らせるのは、本当に楽しいですね」

今後は、石川県にある日本自動車博物館に展示されている本物のスキーヤーズ・スペシャルを、スキーヤーズ・スペシャル仕様のレオーネで見に行く予定だそう。これからも、心踊るカーライフが続いていきそうだ。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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