クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CAR
  • かつての「ディフェンダー」を現代の技術で再現!? 話題のイネオス「グレナディア」の詳細をお見せします!
CAR
share:

かつての「ディフェンダー」を現代の技術で再現!? 話題のイネオス「グレナディア」の詳細をお見せします!

投稿日:

TEXT: 犬塚直樹(INUZUKA Naoki)  PHOTO: 犬塚直樹(INUZUKA Naoki)

  • イネオス「グレナディア」:ボディカラーはソリッド6色、メタリック4色。フレームだけの色が3色から選べる。屋根の部分がボディ色以外に2色から選べ、フロントノーズ周りとリアの狭い方のドアに赤、オレンジのラッピングオプションもある。この車の色はソリッドのセラグリーン
  • イネオス「グレナディア」:乗用タイプは基本的に5人乗りとなっており、リアのクォーター部分はガラス窓となるはずであるが、この車両はどういう訳か、2人乗りのコマーシャルカーにある窓埋めパネル仕様になっている
  • イネオス「グレナディア」:最低地上高は264mmとなっているフロントバンパーについているセンサーはオプション
  • イネオス「グレナディア」:クリアランスは前側よりアプローチアングル35.5° 、ランプブレークアングル28.2° 、ディパーチャーアングル36.1°となっている
  • イネオス「グレナディア」:リアドアは3:7の割合で分割開閉することができる。リアのパーキングアシストセンサーは標準装備
  • イネオス「グレナディア」:シートはRECARO社製
  • イネオス「グレナディア」:セカンドシートの背もたれを倒すと荷室になる
  • イネオス「グレナディア」:用途別のスイッチパネルがそれぞれ独立しているので、トラブルのあったスイッチのみを外せるのが作業の効率を良くしてくれている
  • イネオス「グレナディア」:スマホとの連動性はバッチリで、AppleCarPlayや、AndroidAutoが対応しており、地図やナビもキャリアの最新版に更新されたものが使える利便性がストレスフリーなドライブをサポート
  • イネオス「グレナディア」:1BMWのATレバーと、丸い頭のトランファーレバーが並ぶ
  • イネオス「グレナディア」:シフトレバーの手前側にセレクターダイアルが位置する
  • イネオス「グレナディア」:ステアリング左側はクルーズコントロールや、ハンズフリー対応のスイッチ
  • イネオス「グレナディア」:車名と同じ名前の自転車ロードレースチームを持つ事からか、ステアリングセンターのクラクションとは別に自転車向けの優しいホーンのなるスイッチが付いている
  • イネオス「グレナディア」:グローブボックスの容積は車検証が入るくらいの大きさしかない
  • イネオス「グレナディア」:オーバーヘッドコントロールパネルのスイッチ類。補助灯の追加やサイレンやサーチライトなども10アンペアもしくは25アンペアの配線が内蔵されているので、追加しやすくスイッチの位置が分かり易い
  • イネオス「グレナディア」:センターコンソールボックスの後ろには、リアシートに座る方に向けてエア吹き出し口が備わる
  • イネオス「グレナディア」:3:7に分割されたバックドアを開くと1100Lの荷室が広がる
  • イネオス「グレナディア」:セカンドシートを倒すと更に荷室が2000Lへと広がる
  • イネオス「グレナディア」:
  • イネオス「グレナディア」:トランスファーレバーを更に左側に倒し、デフロックオンの状態にした表示
  • イネオス「グレナディア」:純正オプションの18インチアロイホイール。タイヤはブリヂストン デュラーA/T 255/70 18を履く。オプションとして更にオフロード用タイヤにBFグッドリッチA/T KO2が選べる。ブレーキはブレンボ製、コイルはアイバッハ製
  • イネオス「グレナディア」:LEDヘッドライトの内側にLEDハイビーム補助灯を装備
  • イネオス「グレナディア」:ポジションデイライトの白色部がウィンカー点灯時オレンジ色に変わる
  • イネオス「グレナディア」:ボンネット横にグレナディアの凹凸ロゴがあしらわれている
  • イネオス「グレナディア」:フロントウィンドウ下にもグレナディアのプレートが奢られている
  • イネオス「グレナディア」:テールランプは丸型のものが左右1灯ずつ配備されている
  • イネオス「グレナディア」:外側よりテール灯兼ブレーキ灯。一つ内側に白色のバックライトと、赤色のバックフォグライトを同一周に配置。一つ飛んでオレンジのウィンカー。中心に反射板がレイアウトされている
  • イネオス「グレナディア」:前後の泥除けにはグレナディアのマークがあしらわれている
  • イネオス「グレナディア」:フロント及び、リアのリジットアクスルと、ハイロー2速トランスファーはイタリアのカッラーロ社製を使用する
  • イネオス「グレナディア」:ラダーフレームには、電着塗装、粉体塗装、ホットワックス処理を施し、耐久性に優れた耐腐食性保護を施している
  • イネオス「グレナディア」:リアの左側のラゲッジスペースの壁面の中にダルマジャッキが標準装備されている。
  • イネオス「グレナディア」:ロアの大きい方のバックドアの中にファーストエイドキットが装備されている
  • イネオス「グレナディア」:いまどきの新車にここまで車載工具が揃っているのも珍しい
  • イネオス「グレナディア」:オーバーヘッドコントロールパネルのスイッチ類。補助灯の追加やサイレンやサーチライトなども10アンペアもしくは25アンペアの配線が内蔵されているので、追加しやすくスイッチの位置が分かり易い
  • イネオス「グレナディア」:センターコンソールボックスの中
  • イネオス「グレナディア」:センターコンソールボックス内にはUSB.AとCの差し口が1つずつと、12Vソケットが備わっている
  • イネオス「グレナディア」:ひとつひとつのパネルが六角ボルトで止まっており、修理や取り外しの際はピンポイントで取り外しができる作りだ
  • イネオス「グレナディア」:トランスファーレバーのレイアウトは、右前がハイギヤード、左後ろでローギヤード4WD。左側の前後で、ハイロー4WDのそれぞれセンターデフロックがかかる
  • イネオス「グレナディア」:エンジンラインナップはBMW製3L 直6 B57ガソリンターボとB58ディーゼルターボの双方から選べる
  • イネオス「グレナディア」:ドア面のプロテクションも独特でギミック
  • イネオス「グレナディア」:44ドア面のプロテクションも独特でギミック
  • イネオス「グレナディア」:4本のルーフレールは最大で150kgの荷物をルーフに固定出来る。また、屋根上の4本のラバー製ルーフストリップが固定した荷物から塗装面を保護してくれる。オプションでリアドアにつけるアルミ製アクセスラダーもある
  • イネオス「グレナディア」:ナンバー下のプレートを外すと牽引のためのトレーラースタビリティアシストが標準装備されていて、3.5トンの牽引能力を誇っている
  • イネオス「グレナディア」:荷室との隔離用に頑丈なスチール製ネットが装備されていた
  • イネオス「グレナディア」:エンジンラインナップはBMW製3L 直6 B57ガソリンターボとB58ディーゼルターボの双方から選べる
  • イネオス「グレナディア」:エンジンラインナップはBMW製3L 直6 B57ガソリンターボとB58ディーゼルターボの双方から選べる
  • イネオス「グレナディア」:エンジンラインナップはBMW製3L 直6 B57ガソリンターボとB58ディーゼルターボの双方から選べる。それぞれにZF社製8速ATが組み合わされる。この車はディーゼルターボ仕様
  • イネオス「グレナディア」:質実剛健を形にした整然と並ぶスイッチ類が道具感を演出

ないならば作ってしまえ!

高級でラグジュアリー志向のSUVが増えるなか、硬派なタフネスカーを求める層も一部存在します。既存のメーカーが作らないのならば自分で作ってしまえ、とばかりに立ち上げたイネオス・オートモーティブ社でつくられた「グレナディア」を紹介します。

クラシックディフェンダーの真似ではない、新設計のタフネスカー

イネオス・グレナディアというクルマをご存知だろうか? かつて、英国ランドローバー社が世界に向けて輩出していたタフネスカーの代表的な1台に、「ディフェンダー110」があった。日本でも正規輸入車として販売もされており、今では次世代の現行型が、デザインも洗練されて、シティラナバウトからオフロードまで、オールラウンダーな出立ちのクルマとして名称が継承されている。

しかし、ミリタリーシーンや、アフリカなどの大自然の移動手段として長年活躍を見せたクラシックディフェンダーの姿を映像等で見た記憶がある方は、ヘビーデューティでどこかエモいスタイリングにオフロード車の象徴的なイメージを重ね合わせている人も多いだろう。先代ディフェンダーの不整地での走破性を支えるラダーフレームやコイルリジットアクスルなどの構造と、シンプルかつ堅牢なクラシックディフェンダーを愛車としていたイギリス人の実業家ジェームス・ラットクリフ氏もそのひとりだ。

ラットクリフ氏は2016年で生産を終える際、クラシックディフェンダー後継車種への耐久性、堅牢性を危惧して、ジャガー・ランドローバー社に金型購入を打診するも、断られてしまう。そこで、自身が率いる世界有数の化学会社グループ「INEOS」にイネオス・オートモーティブ社を設立。自らが理想とするクラシックディフェンダーの後継となる車両の設計、製造開発に乗り出す。その名も「プロジェクト・グレナディア」の誕生だ。

BMWのパワートレインを使ってメルセデスの工場で

2019年3月にBMWとパワートレインに関する提携を発表、同年9月にはウェールズに専用の新工場で製造を発表し、その後ポルトガルにもシャシーとボディの工場を建設する予定でいた。さらに12月にはオーストリアのマグナシュタイヤー社とグレナディア開発におけるエンジニアリングパートナーシップを結び、実車の量産製造に向けての具体的な準備や作業監督等を担うこととなった。ちなみに、オーストリアのマグナシュタイヤーはメルセデスGクラスの生産拠点でもある。

こうして、量産に向けて一歩一歩着々と進めていく中で、クラシックディフェンダーのウィークポイントであった設計の古さを見直し、より信頼性の高いクルマにするべく、様々なクロスカントリービークルが参考にされた。ジープ「ラングラー」、トヨタ「ハイラックス」「ランドクルーザー」、日産「パトロール」、フォード「ブロン」、メルセデス・ベンツ「Gクラス」、三菱「パジェロ」、そして「ウニモグ」や軍用車、バン、トラック、トラクターに至るまであらゆる同じカテゴリーに当てはまりそうなクルマを調査し、高性能でありながら、とても実用的でシンプルな車両を目指す事となった。

そして、2020年7月1日にオンライン発表会にてグレナディアのエクステリアデザインを初公開。改めてグレナディア・プロジェクトは、当時の他社のクロスカントリービークルがよりラグジュアリー志向へと向かうなか、世界の最も過酷な環境下にも対応できる高性能かつ耐久性、堅牢性に優れ、トラブルが起きてもその場でリカバリーがしやすいオフロードカーを目指すことをアピールする。

この後、過酷な180万kmに及ぶ走行試験を世界の様々な環境下に持ち込んで行っていくことになる。

2020年12月にはメルセデス・ベンツが所有していたフランスのハンバッハ工場を買収し、こちらでの生産を発表。買収の理由としては、自動車業界に精通した人材、サプライチェーン、販売目標とするユーザーへのアクセシビリテなどを挙げた。

2022年10月には生産が開始となり、装備に応じてベースグレード、トライアルマスターエディション、フィールドマスターエディションの3グレードを設定。2023年の7月には更に305mmロングホイールベース化したピックアップトラックモデルの「グレナディア・クォーターマスター」を新たにラインアップが増え、現在に至る。

2023年にはグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにて水素燃料電池を搭載したプロトタイプも展示。現在、BMWが開発した燃料電池ユニットを搭載した開発車両でテストが行われている。インフラの事情と相まって、発売はまだまだ先の話のようだが、オフロードビークル好きには目が離せないクルマが日本の公道を走る日は、そう遠くない未来のようだ。

問:ineos life
TEL:045-979-4001

すべて表示

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS