VW新型EV「ID. Buzz」日本上陸

フォルクスワーゲン ジャパンは2025年6月20日、新型EV（電気自動車）「ID. Buzz（アイディー・バズ）」を発表しました。価格は888万9000円〜997万9000円で、デリバリーは同年7月下旬以降を予定しています。伝説的な「タイプ 2」（通称ワーゲンバス）のDNAを受け継ぐ、アイコニックなデザインを採用したモデルを見ていきます。

レトロ×未来感を融合したエクステリアデザイン

フォルクスワーゲン ジャパンは、「タイプ2」の愛称で親しまれたワーゲンバスの意匠と精神を継承した新型EV（電気自動車）「ID. Buzz」を発表した。すでに全国の正規ディーラーで注文受付が開始され、デリバリーは2025年7月下旬以降を予定している。

ID. Buzzは、1950年に登場したタイプ2のスタイルをオマージュしつつ、現代の電動モビリティとして再設計されたミニバンである。ショートオーバーハングやVWの大型ロゴ、クラシックなスライディングウインドウ、ツートンカラーといったデザイン要素は、レトロでありながらも近未来的な雰囲気を醸し出す。エクステリアの美しさに加えて、Cd値0.285という高い空力性能も兼ね備えており、デザインと機能性を両立させている。

室内は2種類のレイアウトを用意。2-2-2レイアウト３列シート6人乗り「Pro」と、ホイールベースを約250mm延長した2-3-2レイアウト3列シート7人乗り「Pro ロングホイールベース」で、快適性と使い勝手を重視したインテリアが特徴である。ロング仕様では最大2469Lの荷室容量を確保。3列目シートは脱着可能でさまざまなシーンに対応することができる。

航続距離は最大554km、急速充電にも対応

パワートレインには最高出力286ps、最大トルク560N･mを発生する後輪駆動用の電気モーターを搭載。車両下部に設置されたバッテリーは低重心化と理想的な重量配分を実現しており、快適かつ力強い走行性能を生み出す。バッテリー容量は標準モデルで84kWh、ロング仕様では91kWhを確保。急速充電は最大150kWに対応し、外出先でも短時間での充電が可能だ。

一充電走行距離は、WLTCモードで標準モデルが524km、ロング仕様が554km（いずれも国土交通省審査値）。さらに、新車購入者は「PCA」アプリへの登録により、最長1年間フォルクスワーゲングループの急速充電器を無料で利用可能となる。

運転支援機能も充実。トラベルアシストやレーンアシストといった先進システムを全車に標準装備する。また、Proにはステアリングヒーターや快適装備をパッケージ、Pro ロングホイールベースには20インチアルミホイール、パノラマガラスルーフ、プレミアムサウンド「Harman Kardon（ハーマン・カードン）」などが装備され、より上質な移動空間を提供する。

ID. Buzzは、フォルクスワーゲンのeモビリティ戦略の中核を担うID.ファミリーの第2弾として、すでに展開中のID.4に続き登場したモデルである。モジュラーEVプラットフォーム「MEB」をベースに設計され、日本市場で購入可能な唯一のEVミニバンとして、今後の国内の電動化の動きにおいても注目される存在となるだろう。価格はProが888万9000円、Pro ロングホイールベースが997万9000円（消費税）となる。

AMWノミカタ

ヨーロッパで2022年に発表されたID. Buzzがついに満を持して日本でも発表されることとなった。タイプ2から受け継がれた愛らしいデザインや、シンプルでモダンなインテリアはトヨタ「アルファード」やメルセデス ベンツ「Vクラス」のようなビジネスユースには向かないだろうが、趣味を楽しむファミリー層にとっては待ち望まれていたモデルなのではないだろうか。

フォルクスワーゲングループの急速充電器を1年間無料で使用できることも大きなメリットとなる。同社は「テクノロジーは、人のために」というキャッチフレーズのもと、「思いやりがあり」「誰にでも開かれ」「人を活気づけ」「知的で洗練され」「遊び心がある」ブランドになることを目指している。今回発表されたID. Buzzにはそのすべてが詰まっているのではないだろうか。