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悪い大人にそそのかされフィアット アバルト「595SS」を購入!新旧595を愛用するオーナーとは

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: AMW 米澤 徹(YONEZAWA Toru)

“悪い大人たち”の存在も…?

1960年代初頭からアバルト&C社のテクニカルマネージャーとなった名匠マリオ・コルッチ技師。彼が設計し「イエーガー-アバルト(JEAGER-ABARTH)」ブランドで製作した4つの専用メーター(スピード/回転/油圧/油温)をひとつのクラスターに集合させたダッシュパネル、いわゆる「ストゥルメント・コンビナート・アバルト(アバルト・コンビネーションメーター)」などエッセエッセ専用のオプションも小池さんの愛車には装備されている。さらに当時のレース用純正オプションだったFRP製ハードトップなども装着された、とても希少かつ魅力的な個体といえよう。

じつは、小池さんは20代から現行フィアット 500Sport、そして現代版のアバルト 500 SS、現在の愛車である現代版アバルト595も含めて3台を乗り継いできた。またそのかたわらで、1971年式のフィアット500Lも所有していた。

ところが、ご本人曰く

「周りの悪い大人たちに影響されて(笑)」

ヌォーヴァ500系(2代目フィアット 500)のアバルトへ食指を伸ばすように……。蛇足ながらご説明すると「悪い大人たち」とは、もちろん「クラブ・アバルト・ジアッポーネ(日本で権威の高いアバルトの愛好家クラブ)」重鎮たちのことである。

そして2020年に増車したという現在の愛車(595SS)は、それまでフィアット 500Fボディの595を探し求めて手に入れたこともあって、大のお気に入り。スタイリングからイエーガー-アバルトの4連装集合メーターまで、すべてが大好きと満面の笑みで答えてくれた。

かくして「アバルト製595の新旧2台持ち」という、若くしてなんとも羨ましい状況となった小池さんながら、いつかは憧れの4気筒クラシケ・アバルト、できれば名車ぞろいで知られる1000ccモデルも手に入れたい! と夢いっぱい。そのかたわら、周囲の先輩エンスーたちは、小池さんたち若手の成長を温かい目で見守る……。

「グランプレミオ・スコルピオニッシマ」では、そんな素敵な関係性が垣間見られたのである。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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