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全車電動化!ルノー新型キャプチャーは見た目とパワートレインを刷新

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)

スポーティでエレガントな装備満載の「エスプリ アルピーヌ」

新型キャプチャーに話を戻すと、アルカナに続き新グレードの“エスプリ アルピーヌ”が設定された点もトピックだ。取材の場で

「“ローレルスピリット”を思い出しますね」

と発言し、一瞬その場にいた関係者を固まらせてしまったことは深く反省しているが、アルピーヌの名を冠したこの新グレードは、専用の19インチアルミホイール&タイヤが装着されるほか、インテリアも専用仕様となる。アルピーヌのロゴ入りシート表皮、トリコロールのオーナメントやサイドパイピング、シートベルトのブルーのトップステッチなどの“演出”が施される。

アルミペダルやドアシルに装着されたALPINEのロゴ入りキッキングプレート、ソフトな素材で裏打ちされたファブリック地のインパネ表皮も見逃せない。インテリアのひとつひとつのアイテムが決して主張し過ぎず、ルノーらしいスポーティさと上質かつエレガントなセンスが味わえるのが、エスプリ アルピーヌの魅力である。

マイルドHVとフルHVの2タイプをラインアップ

ちなみに今回のマイナーチェンジを機に、設定されるパワートレインはすべてハイブリッドとなった。2タイプの用意があり、フルハイブリッドE-TECHは自然吸気の4気筒1.6Lエンジン(69kW/148N・m)+モーター(メイン=36kW/205N・m、サブ=15kW/50N・m)に電子制御ドッグクラッチ・マルチモードATを組み合わせている。もう1タイプのマイルドハイブリッド(下の写真)は、1.3Lターボ(116kW/270N・m)+補助モーター(3.6kW/19.2N・m)という布陣だ。

では実際の走りはどうか。試乗はフルハイブリッドとマイルドハイブリッドの両車に乗ることができた。しかも今回は6月の発表時点で山中湖周辺で開催されたプレス向け試乗会(=①)に加え、8月には1台につき1泊2日で個別借り出し(=②)も経験している。日時と場所を変えた2度の試乗が叶い、しかも2台とも最初の試乗と同一個体を再度試せた。

キレのあるパワー感のフルハイブリッドと軽快さが際立つマイルドハイブリッド

するとこれらの試乗機会を通して見えてきたのは、「フルハイブリッドもマイルドハイブリッドも、それぞれに良さがある」ということだ。とくに感心したのは、フルハイブリッドが十二分な動力性能を発揮しながら、洗練されたドライブフィールを味わわせてくれる点である。

個別の試乗は首都圏近郊、筆者の生活圏で試したが、高速走行の安定感、静粛性だけでなく、街中のストップ&ゴーの多い場面でも、以前よりも“メカ感”の少ないスムースで自然、時にはキレ味のあるパワーフィールを発揮した。車重はマイルドハイブリッドより約+90kgだが、このことを味方につけて乗り味もしっとりしている。

プレス向け試乗会のときより試乗車の走行距離が延びたことで、全体的に程よい“なじみ具合”がクルマの動きをしなやかにしており、日常使いでの心地よさも確認できた。エンジンとモーターの使い分けも、まったく意識させない自然さが秀逸だ。

一方のマイルドハイブリッドも、山中湖周辺のワインディングで自然で気持ちいい身のこなしを確認済みだったが、“軽快”と言われる持ち味が日常でも十分に発揮されていることを改めて確認できた。とくにターボとモーターアシストによる俊敏な加速は街中での運転を快適にし、ステアリング操作に対して素直な身のこなしでストレスがない点が良い。

ワンコも納得する乗り心地

試乗車は2台とも“エスプリ アルピーヌ”で、タイヤは19インチだった。低速ではタイヤのサイズと質量を感じる場面も一瞬あったが、ボディ剛性がしっかり確保されているため不快感はない。なので我が家の乗り心地・NVH評価担当の柴犬シュンも「いいんじゃない」と評価していた。シュンには試乗中、助手席を最後端、後席は16cmスライドを最前端に寄せた状態でできた“おあつらい向き”の空間を乗車位置としていた。

トランクスペースについては、2段の床のさらに下の空間(パンクリペアキットが収まる周囲にスペアタイヤ分の空間がある)が活用できるマイルドハイブリッドのほうが何かと便利かもしれない。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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