人気のCLAシューティングブレークの電動化で始まる新たなる価値観
メルセデス・ベンツは、シューティングブレーク初の電気自動車「CLAシューティングブレークEQテクノロジー」を発表しました。販売開始はヨーロッパで2026年3月の予定です。最大航続距離はWLTP基準で761km、10分間で310km分の急速充電が可能と高い実用性を誇ります。パノラミックルーフや星空イルミネーションなど、このクラスでは初採用の装備も多く、スポーティさと機能性を兼ね備えた次世代モデルとして注目されています。
ひと回りサイズアップした流麗なシューティングブレークスタイル
CLAシューティングブレークEQテクノロジーは、メルセデス・ベンツとして初めて「シューティングブレーク」スタイルを採用したBEVモデルだ。スポーティな走行性能、高いデザイン性、そして日常的な実用性を兼ね備えた最新のコンパクト・プレミアムカーのポジションを担うことになる。
クーペライクな流麗なデザインとワゴンの積載性を組み合わせた、いわば“理想的な二面性”を持つ1台で人気のCLAシューティングブレーク。その歴史は2012年に登場したCLSシューティングブレークにさかのぼり、2015年には初代CLAシューティングブレークがコンパクトセグメントに導入された。革新の歴史を受け継ぎ、今回のモデルチェンジで完全電動化が図られた。
外観はCLAクーペとBピラーまで共通するシャープなプロポーションが採用されており、シャークノーズのフロントグリルには142個のLEDで輝く星型ライトが内蔵されている。これにより、夜間走行時の視認性が向上すると同時に、新型CLAシリーズ共通のアイデンティティを強く印象付ける。また、リアコンビネーションランプも星形デザインで構成されており、前後を貫くライトストリップと相まって、視覚的に幅広く、未来的な印象を与える。
全長4723mm、全高1469mm、ホイールベース2790mmと、前モデルと比べてひと回り大きくなっている。当然室内空間にも余裕が生まれ、とくに後席の居住性は顕著に改善された。ヘッドルームは+7mm、フロントでは+14mm、レッグルームも+11mmと、すべての乗員に対して快適な乗車体験を提供する。
星空イルミが快適キャビンを約束!積載スペースも超拡大
CLAシューティングブレークの特徴のひとつが、セグメント初となる星空イルミネーション付きパノラミックルーフだ。フロントからリアエンドまでシームレスに広がり、開放感あるルーフを演出するだけでなく、熱遮断性と断熱性を兼ね備えた特殊なLowEコーティングが施されている。夏場には直射日光による車内温度の上昇を抑制し、冬には室内の熱が外に逃げるのを防ぐ機能的な設計が盛り込まれている。
加えてガラスの透明度を瞬時に切り替えられる調光機能を備えてもいる。透明から不透明(ミルキー)へと滑らかに変化し、日中のまぶしさや外からの視線を防ぎつつ、夜間には158個の星が輝く星空イルミネーションによって幻想的な空間を創出する。LEDモジュールによってガラス全体に光を送り込むシステムは、メルセデス・ベンツ初の技術であり、とくに後席の乗員に非日常的な体験を提供する。
CLAシューティングブレークならではの高いユーティリティ性は、トランク容量が標準時で455L、後席は40:20:40の分割可倒式で、すべてを倒すことで最大1290Lまで拡張可能。さらにフロントボンネット下には101Lのフランク(フロントトランク)も用意され、日常の買い物や旅行などさまざまなシーンで利便性を発揮する。
積載だけでなく、牽引能力もこのクラスでは優れている。2WDモデルで1500kg、AWDでは最大1800kgの牽引が可能。キャンピングトレーラーやバイクトレーラーなども無理なく牽引できる。さらに、ルーフには標準で設置されたルーフレールにより、最大75kgまでの荷物を積載可能。サーフボード、自転車などのアクティブな装備にも対応する。
利便性を高める装備としては、電動テールゲート「イージーパック」が標準装備されており、オプションで「キーレス・ゴー」および「ハンズフリーアクセス」による足元操作にも対応。両手がふさがっている場面でも簡単にアクセスすることができる。
パワートレインには最新のEQテクノロジーを搭載し、CLA 250+モデルでは、WLTP基準で最大航続距離761kmを実現。エネルギー消費量は12.7~15.2kWh/100kmと非常に効率的であり、CO₂排出はゼロ、環境性能にも優れている。充電性能も秀逸で、急速充電器を使用すれば、わずか10分で310km相当の充電が可能。これは長距離ドライブにおいて非常に心強いポイントだ。

【AMWノミカタ】
メルセデス・ベンツの電動化戦略は「Electric First」と「Ambition2039」という2本柱によって構成される。「Electric First」とは、全車種・全バリエーションにわたる電動化の推進方針で、2030年には、xEV(プラグインハイブリッドと純電気自動車)の販売比率を50%以上に引き上げることを明確な目標として掲げている。
もうひとつの「Ambition2039」は、メルセデス・ベンツが2039年までにCO₂ニュートラルな新車ラインナップと生産体制を実現することを掲げた長期ビジョンである。
今回欧州で発表されたCLAシューティングブレークEQテクノロジーの「EQテクノロジー」とは、メルセデス・ベンツが開発した高効率な電動パワートレイン、バッテリー技術、エネルギー管理、デジタル連携機能などを統合したEV基盤技術の総称だが、新開発のMMAプラットフォームの採用とともに「電動化と高級感の共存」または「電動化と実用性の共存」というスタイルが今後広がっていくのだろう。












































































