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シャシーを共有する兄弟はいるが「ジュニア」にはアルファ ロメオらしさが宿っている

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)

  • アルファ ロメオ ジュニア:10.25 インチのデジタルクラスターメーターは、直感的な情報とカスタマイズ可能なコントロールを備える
  • アルファ ロメオ ジュニア: Ibrida Coreはファブリックシートを設定。背面に描かれたビショーネ(蛇)の存在感が引き立つ
  • アルファ ロメオ ジュニア:後席は必要にして十分な容量を確保している
  • アルファ ロメオ ジュニア:往年のスポーツモデルを彷彿させるテールエンド
  • アルファ ロメオ ジュニア:我が家の乗り心地・NVH評価担当の飼い犬のシュン
  • アルファ ロメオ ジュニア:Cピラーにはさりげなくビショーネ(蛇)の姿が
  • アルファ ロメオ ジュニア:取扱説明書にはアルファ ロメオのコーポレットマークがぎっしり
  • アルファ ロメオ ジュニア:インパネのふた山のメーターナセルは往年からのアルファロメオらしい形状
  • アルファ ロメオ ジュニア:試乗車はハイブリッドの「Ibrida(イブリダ)コア」で、1199ccの直列3気筒DOHCターボ(100kW/230Nm)とフロントモーター(16kW/51Nm)を搭載。これに6速デュアルクラッチを組み合わせた、いわゆるマイルドハイブリッド
  • アルファ ロメオ ジュニア:最大415Lというゆとりのあるラゲッジスペースを実現
  • アルファ ロメオ ジュニア:ややマニアックだが戦前のモデルを彷彿させるレジェンダ盾型グリル
  • アルファ ロメオ ジュニア:17インチアルミホイール
  • アルファ ロメオ ジュニア:内外観のいたるところにビショネ(蛇)がちりばめられ(右空調吹き出し口の中央のそれは照明が入るが夜間は窓映りもする)
  • アルファ ロメオ ジュニア:スタート&ストップボタン、ギア、エレクトリックパーキングブレーキ、DNAドライブモードセレクターなどの主要なコンパートメントを備えている
  • アルファ ロメオ ジュニア:スマートフォンのワイヤレス充電も可能だ
  • アルファ ロメオ ジュニア:シート背面に描かれたビショーネの存在感が引き立つ
  • アルファ ロメオ ジュニア:ボディサイズは全長4195mm×全幅1780×全高1585mm
  • アルファ ロメオ ジュニア:エレガントな LED テールライトは、時代を超えたアルファ ロメオのスポーティエレガンスを体現している
  • アルファ ロメオ ジュニア:愛犬のシュンは、スクデット(盾グリル)の中のalfa Romeoのロゴのあたりをふーんと確認していた
  • アルファ ロメオ ジュニア:LEDマトリクスヘッドライト(デイタイムランニングライト付き)を採用
  • アルファ ロメオ ジュニア:個人的な感想としてはフロントマスクのデザインは、よりアートな作風のトナーレのほうが好みだったりする

乗り始めると気持ちがザワめき出した…!

アルファ ロメオが送り出した新型「ジュニア」は、ステランティス・グループの共通プラットフォームCMPをベースにしたSUVです。数値だけを見れば「ほかの兄弟車と同じ」と思われがちですが、いざ試乗してみると、その走りと雰囲気に「やっぱりアルファだ」と思わせる魔法がかかっていました。筆者が思わず「アルファ164の再来」と感じた理由を、詳しくお伝えします。

ティーポ4プロジェクトを思い出した

「おお、これはアルファ164の再来だ」と思った。どういうこと? と思われるかもしれないので少し説明しよう。1980年代にヨーロッパの自動車メーカー4社が協業した「ティーポ4プロジェクト」というがあった。その基礎となるコンポーネンツの共用化により生まれたのが、当時のアッパーミドルクラスのサルーン4車、ランチア「テーマ」、サーブ「9000」、フィアット「クロマ」、そしてアルファ「164」だった。

他の3車がジョルジェット・ジウジアーロが手がけた外観デザイン(4枚のプレスドアの形状が共通なことでそれは見て取れた)を基本にしていたのに対し、そのなかでもとりわけアルファ164だけはピニンファリーナによる低くウェッジを効かせた外観スタイルと、アルファロメオらしい、しなやかながらもスポーティな走りを実現し、4車のなかで異彩を放つ存在だったのである。

転じて、今回の試乗車の“ジュニア”である。

このクルマも、今やステランティスのコンパクト系の多くの車種で共通のプラットフォーム「CMP(BEVはe-CMP)」がベース。プジョー「208」、プジョー「2008」、フィアット「600」、シトロエン「C4」、「DS3」、ジープ「アベンジャー」や、日本市場には未導入のランチアの新型「イプシロン」、フィアット「グランデパンダ」などCMP由来の車種が存在する。アルファ ロメオ ジュニアもこのCMPを採用した1台であり、そのことだけを捉えると「ふーん」という印象だった。

前述のCMP由来の(日本市場導入済みの)各車にはひととおり試乗して、どのクルマもそれなりにブランドごとの味やキャラクターにしっかりと仕立てられていることは承知している。が、何故かこのジュニアだけは

「アルファ ロメオなだけに果たしてどうかな?」

と懐疑的な気持すら持っていたのである、少なくとも試乗するまでは……。

が、ジュリアの試乗車を受け取り、実際に乗り始めてみると、徐々に気持がザワめき出した。

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