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ランボルギーニの自社開発レーシングカー ・テメラリオ GT3登場!整備性を高め耐久レースに対応

投稿日:

TEXT: AMW  PHOTO: Lamborghini

  • ランボルギーニ・テメラリオGT3:テメラリオ市販モデルから引き継いでアルミ製スペースフレームシャシー採用
  • ランボルギーニ・テメラリオGT3:カーボンコンポジット素材をボディに採用
  • ランボルギーニ・テメラリオGT3:ボディの開発はランボルギーニとスクアドラ・コルセの共同で行った
  • ランボルギーニ・テメラリオGT3:夜間や雨天などのさまざまな状況下でも快適走行が可能
  • ランボルギーニ・テメラリオGT3:フロントとリアのサブフレームはレース中に素早く脱着できる
  • ランボルギーニ・テメラリオGT3:ボディ外装はフロント&リアを一体構造
  • ランボルギーニ・テメラリオGT3:ラジエータへの負荷低減のためにフロントラジエータを再設計して冷却効果を高める
  • ランボルギーニ・テメラリオGT3:フレーム中央部分にFIA GT3の安全基準に準拠したロールケージを組み込む
  • ランボルギーニ・テメラリオGT3:コーナリング時のバランスシフトを提言するエアロダイナミクス
  • ランボルギーニ・テメラリオGT3:サスペンションはKW製6ウェイダンパーを初採用
  • ランボルギーニ・テメラリオGT3:燃料タンクに新開発センサーを投入して給油の最適化を図る
  • ランボルギーニ・テメラリオGT3:GT3規定に合わせ、市販車には備わる電動モーターは外されている
  • ランボルギーニ・テメラリオGT3:ワークスドライバーのアドバイスの下、内装やコクピットをリファイン
  • ランボルギーニ・テメラリオGT3:ジャッキアップして必要に応じて作業効率を高めるフロアセンター
  • ランボルギーニ・テメラリオGT3:ダウンフォースと冷却効率を向上させるエアロダイナミクス
  • ランボルギーニ・テメラリオGT3:専用ソフトはランボルギーニが直接カスタマイズ
  • ランボルギーニ・テメラリオGT3:大成功を収めたウラカンGT3プロジェクトに続くブランドプロモーション
  • ランボルギーニ・テメラリオGT3:リアディフューザー、エンジンカバー、ボンネットが簡単に取り外し可能
  • ランボルギーニ・テメラリオGT3:テメラリオ・プロジェクト初のレーシング派生モデル
  • ランボルギーニ・テメラリオGT3:エンドユーザーに向けて空力空車両操作マニュアルまで開発設計
  • ランボルギーニ・テメラリオGT3:本社があるイタリア・ボロネーゼで設計、開発、製造まで進められる

テメラリオ・プロモーションプロジェクトの完成形GTマシン

ランボルギーニが「テメラリオ GT3」を正式発表しました。これは市販モデル「テメラリオ」から派生した初のレーシングモデルで、GT3規定に準拠した完全自社設計・製造による新型車です。4L V8ツインターボエンジンを搭載し、軽量アルミスペースフレームとカーボンボディ、そしてレーシング専用のサスペンションやギヤボックスを採用し、ランボルギーニのモータースポーツへの取り組みを象徴する一台に仕上がっています。

徹底した軽量化と簡素化と整備性の向上に着眼した新設計マシン

ランボルギーニ・テメラリオ GT3は、本社サンタアガタ・ボロネーゼにて設計から開発、製造まで一貫して手がけた初の競技車両で、同社のモータースポーツ事業における新たなマイルストーンと位置付けられている。

この新型GT3マシンはテメラリオのアルミスペースフレームをもとに構成されているが、徹底的な軽量化と簡素化が施されている。前後サブフレームは取り外し可能で、サーキットでの迅速な整備や修理を可能にしている。また、中央の構造にはFIA GT3規定に適合したロールケージが組み込まれ、安全性も確保。

ボディパネルはすべてカーボンコンポジット製で構成され、大幅な軽量化を実現する。エクステリアは、空力性能と整備性の両立を念頭に、ランボルギーニのデザイン部門と空力開発チームが共同で仕上げられた。前後のボディパネルは一体成型で、フロントライトにもクイックコネクターを採用するなど、整備時間の短縮が図られている。さらに床面は4分割構造とされ、中央部はエアジャッキ作動中でも交換可能な設計なので、耐久レースにも対応できる。

軽量化と高回転性能を両立した4L V8ターボは550psを発揮

パワーユニットはテメラリオと同じ4L V8ツインターボエンジンを採用。ただしGT3レギュレーションに準拠するため、ハイブリッドシステムは搭載されておらず、ターボチャージャーやコンプレッサーユニットは専用設計だ。出力は最大550ps。エンジン設計はモータースポーツとの統合を想定しており、180度のフラットプレーンクランクシャフトやチタン製コンロッドを採用。これにより軽量化と高回転性能を両立している。また、エアボックスや排気系もレース専用に開発されており、カプリスト製のマフラーを通じて独自のサウンドを奏でる。

ギヤボックスには横置き6速トランスミッションを採用。新設計のエアボックスは小型ターボのための最適化され、エンジンは広い回転域で安定した出力を発揮する。潤滑にはPertamina Fastronのレーシング用オイルが使用され、レース環境下での耐久性も確保されている。

シャシーは先代のウラカンよりもホイールベースが延長され、前後のトレッド幅も拡大し、コーナリング時の安定性が高められている。サスペンションはKW6ウェイダンパーを採用しており、SC63 LMDhプロジェクトと同様の構成を導入。これにより基本セッティングの変更が迅速に行えるようになり、実戦での作業効率が向上するだろう。また従来必要だったカーボンインサートが廃止され、取り付けプレート方式に変更された点も新しい。足もとにはRonal AG製の18インチホイールが装着されている。

インテリアはワークスドライバーであるマルコ・マペッリとアンドレア・カルダレッリの協力のもと、操作性や視認性が徹底的に追求されている。ステアリングホイールはランボルギーニの独自設計で、ドライバーからのフィードバックが随所に活かされている。また、電子制御システムも刷新され、レース中の車両制御がよりスムースになった。スイッチ類の表示も新しくなり、データロガーも高精度なものが導入された。

テメラリオ GT3のレースデビューは20263月開催のセブリング12時間レースでとなる見通しである。なお、既存のウラカン GT3ユーザーへのサポートも継続されるため、ランボルギーニは段階的に新旧モデルの切り替えを進めていく計画だ。全体として、テメラリオGT3は設計思想、技術力、競技対応力のいずれにおいても、ランボルギーニの次なるGT3時代を象徴する一台といえるだろう。

AMWノミカタ】

先のスパ24時間でフェラーリは296 GT3 Evoを発表した。来年の耐久レースは軽量なV6ツインターボエンジンとフラットプレーンクランクシャフト+チタンコンロッドを採用したV8ツインターボエンジンの戦いになる。

テメラリオGT3の特徴はマシンの性能もさることながら、前後サブフレームを容易に取り外せたり、ライトにクイックコネクターを採用するなど整備性・修理性が大幅に向上したことにある。

スパやルマンなどの24時間レースでは、おおよそ20−28回のピット作業が生じる。耐久レースではピットでの作業効率の高さもレースを左右する大きな戦略的要素となる。コース上だけでなく、ピット作業やドライバーの快適性なども含む総合的なレースパフォーマンスを追求したモデルがテメラリオGT3なのだ。来年のセブリングでの戦いが楽しみである。

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