次世代ランボルギーニを予言するデザインのフュー・オフモデル
ランボルギーニは米国モントレー・カーウイークで新型「フェノメノ」を公開しました。世界限定29台の生産で、史上最強となるV12ハイブリッド(システム出力1080CV)を搭載します。0-100km/h加速2.4秒、最高速度350km/h超を誇り、20周年を迎えるチェントロ・スティーレのデザイン哲学を体現する極めて希少な“フュー・オフ”モデル(限定車)であると同時に、新時代の到来を告げる存在として注目されます。
6.5L V12エンジンが圧倒的なパフォーマンスにモーター3基の組み合わせ
フェノメノの最大の魅力は圧倒的なパフォーマンスにある。自然吸気6.5L V12エンジンは、最大出力835CVを9250rpmで発揮。これに3基の電動モーターを組み合わせることで、総合出力は1080CVというランボルギーニ史上最高出力を記録する。0-100km/h加速はわずか2.4秒、0-200km/h加速は6.7秒、最高速度は350km/hを超え、パワーウエイトレシオも1.64kg/CVと同社の歴史上最高値を示し、世界最高峰のスーパースポーツであることを証明する。
この高性能を支える最新技術のトピックがランボルギーニ初採用となる6Dセンサー。加速度と角速度(角度の時間変化率)を6軸でリアルタイムに検出し、車両挙動を高精度に予測。これにより統合ブレーキ制御や車両制御システムが常に最適な制御を行い、サーキット走行時の安定性や制動距離短縮が可能となる。またLMDhマシン由来のCCM-R Plusカーボンセラミックブレーキは摩擦係数と耐久性を大幅に向上させ、連続走行時の安定した制動力を確保している。
足まわりもレーシングカー直系の構成となっており、専用設計タイヤとなるブリヂストン・ポテンザは21インチと22インチを履き、優れたグリップ性能を発揮。ランフラット技術によりパンク後も80kmの走行が可能で、サーキット仕様のセミスリックも用意される。軽量鍛造のセンターロック式ホイール、スポーツチューニングされたサスペンションと相まって、鋭いハンドリングと高い安定性を両立する。
エアロダイナミクスに優れた魅惑のロングテールシルエット
トピックはデザインに現れる。“デザイン・マニフェスト”の名にふさわしい挑戦的造形を採用。ロングテールシルエットは空力効率を高めると同時に、未来的かつエレガントなもの。
フロントはY字型カーボンスプリッターとウシの角を想起させる新DRLが特徴的で、2024年に刷新された新ロゴが初採用された。サイドビューは単一のラインで前後を貫き、リアには垂直に配されたY字型ライトが存在感を放つ。全体はカーボンファイバー製モノフューゼラージュとフォージドコンポジット製フロント構造で構成され、軽量化と剛性向上を両立させている。
エアロダイナミクスも革新性に満ちている。フロントのSダクトは屋根中央へ気流を導き、リアのオメガ型可変ウイングで安定性を確保。新設計のドアは冷却性能を30%改善するエアインテークを備える。
インテリアは「Feel like a pilot」思想をさらに深化させた。3枚のデジタルディスプレイによりスイッチ類を最小化し、直感的な操作性を実現。カーボン素材をふんだんに用いた内装は軽量でありながら未来的な雰囲気を漂わせ、専用設計のバケットシート、3Dプリント製のエアベント、アンビエントライトなど細部に至るまでこだわり抜いている。またアド・ペルソナムによる400色以上の外装色、無数の内装オプションにより、世界に1台だけの仕様を選べるのも特徴だ。
フェノメノの名称は2002年にメキシコで闘牛士と対戦し、その勇敢さから命を救われた伝説の闘牛「フェノメノ」に由来する。イタリア語やスペイン語で“驚異”を意味するこの名は、本車の唯一無二の存在感にふさわしい。

【AMWノミカタ】
ランボルギーニはこれまでいくつかのフュー・オフモデルを製造している。2007年レヴェントン、2010年セスト・エレメント、2013年ヴェネーノ、2016年チェンテナリオ、2019年シアン、2021年カウンタックといった系譜を継ぎながら、今回のフェノメノはそれらを凌駕する革新性と性能を備えるモデルとして誕生した。
CEOのステファン・ヴィンケルマン氏は「最強のV12と革新的技術を融合したフェノメノは、ランボルギーニの哲学を体現する真のマニフェストだ」と述べている。29台のみ生産されるフェノメノは、ブランドの伝統と未来を結ぶ象徴として、またスーパースポーツカーの頂点を更新する存在としてランボルギーニの歴史に名を刻んでいくのだろう。
























































