断る理由がなくて参戦したら見事にハマりました
2024年に岩本さんは
「コドライバーがいないので一緒に参加しないか」
佐藤さんをデイラリー参戦に誘いました。
ところが
「冷房が効かないクルマでは出場しませんし、ましてや速さを競うロールバー装着のラリー競技車では怖いので出ません」
ときっぱり言い放ったそうです。普段はマツダ「RX-7」を愛車にしている佐藤さんでも、岩本さんとのラリー競技参戦には何かしらの警戒感があったのでしょう。
ラリー参戦など意識したこともない佐藤さんとすれば、このような条件を出せば岩本さんからの誘いを断れるだろうと思ったそうです。
ところが、岩本さんは所有するラリーカーではなく、エアコンの効く社用車のマツダCX-5を持ち込むというのと、速度は競わないデイラリーということもあって、佐藤さんとしても断る理由が見つかりません。結果的には巻き込まれていくことに。
そのような経緯もありながら、このラリークルーはシリーズ参戦2年目に突入しました。
デイラリー・シリーズに参戦してみた岩本さんも、
「速さを追求するラリーはいつまでもできるわけじゃないし、競技参加自体にお金も結構かかる。それが嫌になってしまってね。でもこれ(デイラリー)は面白い。成績にこだわることもないし、いろんなクルマで競技に参加する人たちとのつながりができて楽しい」
いつまでもモータースポーツができる素晴らしさ、コストパフォーマンスの良さに溢れている、それがデイラリーということでしょう。
コドライバー兼ナビゲーター役の佐藤さんにしてみれば、岩本さんとは連日仕事で関わり、休日もモータースポーツに参戦する間柄。
「今や私が指示され、使われている側ですよ」
と、微笑むドライバーの岩本さん。お互いに日頃のストレス解消に役立っているのかもしれません。
ノーマルの社用車でもモータースポーツの実践現場に繰り出すことができ、競技クルーたちに喜びを与えてくれるデイラリー。日常生活に根ざしたモータースポーツの楽しさの一面が、参加者それぞれに見られる光圀ラリーでした。関東デイラリー・シリーズはエントリーフィーが2万数千円ほど。関東シリーズとはいえ、日本全国どこからでも、普段乗りのクルマでも参加できます。気になる方は、まずは公式サイトをチェックしてみてください。


































