古い英国車好きのツボを抑えた細部に施す遊び心
2025年5月3日(土・祝)に新潟県糸魚川市で開催された『第20回フォッサマグナミュージアム・クラシックカーミーティング』に参加していたのは、通好みのライレー1.5である。さらに、よく見ると各部にセンスの良いレーシングモディファイが施されている。
「モデルライフ後半の1964年式です。ヒストリックカー・ラリーやジムカーナなどで楽しめるように、ご覧のとおり走りによせたモディファイを行なっています」
と、オーナーの長尾和青さんは語る。
長尾さんは地元新潟の妙高市で、自営業の傍ら『BRITISH CAR CLUB JOHN BULL』を主宰する生粋の英国車党である。全国各地のヒストリックカー・イベントに積極的に参加する一方、自身のクラブでもヒストリックカー・ラリーを開催するなど、持ち前のパワーと行動力で長年にわたって自動車趣味を楽しんできた人物である。長尾氏のライレーを改めて見てみると、やはりその出立ちは只者ではないことがわかる。
上質でスポーティなサルーンというライレー本来の佇まいを活かしつつ、バケットシートにロールバー、ハルダのツインマスター(ラリー用ツイントリップメーター)が装備された室内は、いにしえのラリーカーを彷彿とさせる。エンジンルームにも剛性アップのための補強のバーが張り巡らされ、エンジンも大口径のウェーバー・キャブなどで高性能化されている。
「じつは前後のフードはワンオフで作ったFRP製であり、サイドウインドウもアクリルにして軽量化しています」
一方でトランク・ルーム内には本気の安全燃料タンクを備える。その反面、助手席側上方のアシストグリップは旧いミニ クーパー用の紐タイプ、シフトノブのライレー・エンブレムにはリストウォッチ用のガラスを特注加工して取り付けるなど、ツボを抑えた細部の遊び心とセンスに、長年英国車趣味を嗜んできたオーナーの面目躍如たるものがある。
「このライレーは、ロータス エリートよりも速い」
と長尾さんは悪戯っぽく笑う。
この秋にはしばらく休止していた自身のクラブが主宰するイベントも再始動する予定である。そのイベントでは、再びこのバカッ速いライレー 1.5にお目にかかれるだろう。



















































