感性に訴えかけるクルマに価値を求める人に
マセラティ「グレカーレ」は、家族や仕事のためにSUVを選んでも”自らが信じる感性は譲らない”、そんな価値感を持つ人におすすめしたい一台。ラグジュアリーとスポーツを同時に成立させる、日本の道路にも合うミドルサイズのSUVです。ただ便利というだけでは満足できない大人たちに“Made in Italy”のマセラティ的な美意識や情緒感を抱かせ、唯一無二の所有する歓びを与えてくれると思います。そのようなマセラティと、ちょっと日常を離れたドライブをしてきました。
マセラティの真髄を身近にするグレカーレ エッセンツァ
じつはグレカーレには何度か試乗をしたことがあり、最長で1200kmのロングドライブも共にしたことがある。そんな私が何度乗っても変わらない印象が、飽きることのない走行フィール、シートの性能も含め疲れない快適性、そしてデザイン性に魅了される室内空間の居心地の良さ、だ。
今回はグレカーレに登場した新グレード「エッセンツァ」とともに三浦半島のショートトリップに出かけた。三浦半島は都心から近いけれど、ほどほどの距離感もあり走りごたえも適度に満たしてくれるドライブコースの人気エリア。よく晴れた朝、この日は横浜からスタートした。

“エッセンツァ”はイタリア語で”本質、真髄”を意味する。その名のとおり基本性能やデザインといったグレカーレが持つマセラティの本質や真髄となる部分はそのままに、1000万円を切る価格設定を実現した、マセラティの世界の入り口を広げるモデルと言えそう。プレミアムレザー内装やシートヒーター、アンビエントライトなどを装備しつつ、ボディカラーは標準カラーのソリッドペイント“ビアンコ(白)”のほか3色をオプションで用意している(試乗車はオプションのメタリックペイント・ネロテンペスタ)。
クワイエット・ラグジュアリーの満足感
まずはグレカーレのデザイン性の高さには注目したい。
塊感が強いフォルム。エレガントな曲線美とアクセントラインが創り出す陰影が照度によって柔らかさやスポーティさをドラマチックに演出している。決して華美ではなく洗練の塊といった印象だ。そのなかにマセラティの象徴である大きく開いたグリルと中央のトライデントのエンブレムがグレカーレの真髄“美”を成す。グリルの中の緩やかなラウンドぶり一つをとっても贅沢な気分になるのは私だけかしら。

インテリアではミニマルさを具現化した室内空間のなかに、マセラティの伝統とレザーワーク、デザイナーのセンスが味わえる演出にも注目してほしい。ボディサイズに対し後席やラゲッジを含め十分な広さを保つ室内は開放感も十分。装備や機能についても他モデルと比べても不足はない。しいて言えばデジタル化が急激に進んだことがグレカーレの新世代モデルならではと言えるだろう。

例えばセンターコンソールの両サイドに配置されたトライデントのロゴを型押しした“小さな銀のボタン”のようなアクセント。これがまるで料理の味を引き出すひとつまみの塩のようにデザインの優雅さを引き立てている。またふんだんに上質なレザーを使用し、マセラティ伝統の水平なダッシュボードやトリムに施されたステッチで凹凸とデザインが施された空間の中央にはお馴染みの時計(デジタル)が配置されている。

ここで絶妙なセンスを生むのがセンタコンソール中央の緩やかに折り曲げられた二分割モニターだ。平板なソレでは空間さえもまったく違う印象になるだろう。そんな細やかなディテールへのこだわりをゆっくりと楽しめる特等席が助手席だということもお伝えしておきたい。


















































































































