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レーシングドライバー中嶋一貴が語る「ドイツ人は周囲を見て他人への配慮のある運転をしている」【みどり独乙通信】

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TEXT: 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)  PHOTO: 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)

  • トラックの追い越し禁止区域を示す標識
  • トラックや大型車両の追い越し禁止区域が解除されると、日本のように大型車が全レーンを占めてしまうこともあります
  • 空いている区間もありますが、朝のラッシュから夕方のラッシュまでは混んでいるところも多く、スピードを出せる機会は多くありません
  • 工事区間の車幅制限を示す標識。工事区間の左車線はとても狭い箇所もあります
  • 最近はアウトバーンの工事現場が増えています
  • 昨今は非常に工事区間が多いアウトバーンです。時速60、80、100kmなどの規制があり、オービスが隠れている確率も高いですよ
  • 都市部近辺のアウトバーンでは、朝のラッシュ時から夕方のラッシュ時に、時速100kmや120kmなどの規制になっているところが多いんです
  • ドイツあるあるの、停止線で停まると非常に見難い信号機
  • トヨタ車はタクシーでも急増しています。とくにプリウスプラスが多いです
  • ドイツはケルン在住のTGR-E副会長の中嶋一貴さん

ドイツ人のシビアな要求に応えている日本車人気の高さを実感

F1WEC/ル・マン24時間レース、スーパーGTやスーパー・フォーミュラなど、国内外のトップカテゴリで長年活躍し、TGR-E(トヨタ・ガズー・レーシング)副会長に就任された中嶋一貴さん。現在はドイツ・ケルンに生活の拠点を移し、トヨタ・ガズー・レーシングの活動をはじめ、若手育成にも精力的に取り組む一方で、愛車のレクサスでドイツでのカーライフをエンジョイされています。その中嶋一貴さんに日独の自動車文化の違いについて、同じくドイツ在住ジャーナリストの池ノ内みどりさんがお話を伺いました。

ドイツではプリウスはPHEVのみの高級超レアモデル

──ドイツでは最近はハイブリッドカーも少しずつ増えており、私自身もトヨタC-HRハイブリッドのレンタカーでベルギーのブリュッセルまで往復約1600㎞を走った経験があります。確かにトルクもあって走行安定性は素晴らしく、快適なドライブだったことを覚えています。ただ、アウトバーンの速度制限解除区間を150km/h前後で走行していると、少し燃費の悪さが気になりましたけど。

「ハイブリッドは元々高速道路、ましてやアウトバーンを走るような設計ではないというのがことがあって、そこはドイツメーカーや欧州メーカーとの設計の部分の違いを感じます。けれど、質感や乗り心地や走りの部分では、日本車(トヨタやレクサス)は凄く良くなっていると思うので、自走での長距離移動にも非常に快適にドライブしています」と一貴さん。

「例えば、日本では大人気のモデルのトヨタのプリウスは、ドイツで見掛けることはほとんどありません。その理由には、ドイツではプラグ・イン・ハイブリッド(PHEV)のみの取り扱いで車両本体価格は45.990ユーロから。日本円で約830万円という超高価格で、オプションを加えると一気に900万円ほどになってしまいそうです。

従ってドイツの街でのプリウスは非常に稀で、超レアモデルのひとつとなっていますが、私のなかではプリウスはドイツでの日常生活のアシとして、そんなに高額だとは思っていませんでした」という一貴さん。自宅からの通勤ルートではインフラが整っていて、充電の心配も全くないそうで、プリウスは毎日のTGR-Eへの通勤に利用というライフスタイルにはぴったりなのだとか。

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