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チェッカー後にまさかの失格……HA36カップSUGO戦が大荒れ!

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭(SATO Kei)

  • スポーツランドSUGOでHA36カップが夏に開催されるのは初。当日は30℃を超える猛暑で、人間にもクルマにも厳しいコンディション
  • オープニングラップはポールの岩塚が制するも、HA36カップで長らく戦う岡部が逆転に成功。岡野を加えた三つ巴のバトルは大迫力!
  • レース後にはさまざまな賞典が授与される。残念ながら表彰台に乗れなかった人も参加しよう
  • 東北660シリーズの協賛メーカー「セラメタ」が、HA36・AGS用の強化クラッチを開発。詳細はまた別の機会にレポートしたい
  • 1クラス優勝の346#岩塚真澄
  • 1クラス準優勝の310#佐藤翼
  • 1クラス3位の596#田中翔馬
  • 1クラスの表彰式
  • 2クラス優勝の575#高橋康平
  • 2クラス準優勝の440#塩野力也
  • 2クラス3位の390#佐久間航平
  • 2クラスの表彰式
  • レンタル車両からマイカーにスイッチし、タイムと順位を上げてきた岡部。今回の失格は残念だが、最終戦で捲土重来を果たしたいところ
  • 一時は岡野がトップに立つ場面も。最終戦の舞台エビスサーキット西コースでは、今回の仕切り直しになるようなレースを期待したい

レース規定を守ることが大前提!マシン管理の難しさが露呈した

2022年にスタートした東北660・HA36カップ。NA(自然吸気)エンジンを搭載したHA36型アルトのワンメイクレースで、MTとAGS(オートギヤシフト)というトランスミッションの形式によりクラスが分かれています。2025年9月7日に宮城県のスポーツランドSUGOで行われた第2戦には、当日の欠場1名を含め18台のマシンがエントリー。レースの模様を1クラス(MT)から振り返ってみます。

レース後の再車検にどんでん返し!? 攻めすぎた軽量化が仇になる

練習走行と公式予選で1度もトップを譲らなかったのは、東北660選手権とダブルエントリーする346#岩塚真澄。予選では1分58秒035とダントツのタイムを記録し、963#岡部皓輝と1#岡野知大が追う展開となった。決勝は岩塚がタイム差を活かして逃げ切るかと思いきや、開幕戦を制して勢いに乗る岡部がオーバーテイクに成功。

しかし入賞した車両に対して行われるレース後の再車検で、岡部のマシンがレギュレーションで定められた車重より軽いことが発覚し、残念ながら失格となり岩塚がHA36カップ初優勝を果たす。予選からポジションを落としてチェッカーを受けただけに素直に喜べないかもしれないが、決勝のファステストラップも獲得していることからもわかるとおり、速さは疑うべくもない。次の最終戦では岡部たちとのさらなるバトルが期待される。なお岡野も同じく車両重量違反で失格となり、準優勝は初めての表彰台となる310#佐藤翼、3位は開幕戦に続き596#田中翔馬となった。

2クラス(AGS)はランキング首位の47#椎名栄一郎が欠場し、440#塩野力也や575#高橋康平らにチャンスがまわってくる。公式予選で2分を切ったのはこの2名だけで、ポールポジションは塩野が1分59秒927。高橋が2番手で背後には大ベテランの361#高松正雄と、サザンサーキットの728#高杉俊太郎が2分0秒台で続く。

決勝は同じARYレーシングに所属する塩野と高橋の争いとなり、終わってみれば愛知県から遠征している高橋が嬉しい初優勝。東北660選手権では不利なミニカで走り続け、数年前にHA36へスイッチした高橋にとって、記録はもちろん記憶にも残るレースとなった。そして2クラスも車両重量違反の失格があり、最終的な順位は優勝が高橋で準優勝が塩野、3位には390#佐久間航平が繰り上がった。

今回は前述した車両重量違反による失格が3台、また足まわりの違反により賞典外が1台あった。車両の重量はいずれもわずかな数値であり、故意の違反だったとは誰ひとり考えていない。ただし計測に使用する機械は当然ながら正確であり、他の入賞者が規定重量内に収まっていたのも事実だ。ライバルより1gでも軽くしたい気持ちは十分に分かるが、重量に限らず若干の余裕を持たせたクルマ作りを心がけてほしい。

朝の車検で違反が発覚し賞典外になってしまった車両に関しては、規則書に「書いてない=やって良いではない」とあるのを思い出し、可否を自分で判断できなければ必ず事務局へ問い合わせしてほしい。もうひとつ注意したいのは中古のレースカーを購入した場合だ。この日に併催された東北660選手権・第3戦では、スロットルの加工で失格になった車両がある。ドライバーに聞いたところ中古で購入したままとのことだが、売りに出ているレースカーが規則を守っているとは限らない。心当たりがある人は次のレースまでに確認は必須だ!

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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