前後で異なる2基のエンジンを搭載した車両構成
フロントのSR20VET仕様は、86φ(ピストン直径86mm)鍛造ピストンにH断面コンロッド、パルサーVZ-R用カムなどを組み込み、トラストのTD07-25Gタービンをセット。最高出力は550psを発揮する。
一方、リアのK20Aは、ワイセコ製86φ鍛造ピストンにH断面コンロッド、戸田レーシング製296度カムを投入したボルトオンターボ仕様で、タービンはフロントと同じTD07-25Gだ。パワーバランスを考慮し、最高出力はフロントに近い500psに調整されている。それぞれのエンジン制御は、フロントがMoTeC(モーテック)M800、リアがM400で完全独立制御。コクピットにはスタートスイッチやメーター類が前後用で個別に用意されている。
また、シフターはK Sport製ビレットショートシフターを使用し、Hパターンの操作で前後のMT(マニュアルトランスミッション)が同じギヤに入るようリンケージを自作。さらにアクセルやクラッチペダルも同調させるための工夫が凝らされている。エンジン搭載以上に、この同調作業には苦労の連続があったという。その甲斐あって、現在のシステムはほぼ完璧で、実際に走行も可能だ。
すでにサーキットテストも行っているが、その加速はプロドライバーをも驚かせるほどの速さだ。あまりに速すぎるため、コントロールのしやすさを考えると走るステージは限定されそうだと渡辺氏は説明する。
最後になったが、外装にも注目したい。この戦闘的なフォルムは大型3Dプリンターを駆使し、渡辺氏が思い描くスポーツカー像を形にした姿だ。かつてのセラの面影はガルウイングのキャビンまわりのみに残し、それ以外は無骨な力強さを表現するパネルで構成。まさに謎のスポーツカー、異色のモンスターマシンとして特別なオーラを放っていた。










































