メルセデスの心臓を持つ世界的希少車!
現代でも通じる究極のSSを目指した!?
見た目はメルセデス・ベンツSSKそのものといったゴジーSSだが、オリジナルのSSKと異なるのはそのパワートレインとブレーキ。オリジナルの直列6気筒7リッター・エンジンの代わりに、このクルマが企画・製作された時代、1980年頃のメルセデス280S用のDOHC 2.8L直列6気筒エンジンであるM110が採用されている。フルシンクロの4段マニュアル・ミッションも同じくM110エンジンに組み合わせて使われていた鋳鉄製ケースを持つ自社開発のものだ。ブレーキは油圧に換えられているから、見た目とは裏腹に現代の日本の路上でも苦労なく走れるという。
それにしても、レプリカとはいえ当時作られたゴジーSSはごく少数。一説によれば、製作された台数は10台にも満たないという。エンスージャストの間では、五島久昭氏が当時「現代でも通用する究極のSSを目指した」からこそ、パワートレインもメルセデス製にこだわったのではないかと伝えられている。
ある意味でオリジナルのSSK同様、あるいはオリジナル以上に見かける機会が少ないクルマといえるかもしれない。そんな希少なゴジーSS、そのオーナー氏にイベント会場でお話を伺うことに。
兄から弟へ託された唯一無二の形見!
妙高で輝きを放つ、歴史を紡ぐ1台!!
「じつは私の兄が当時ガレーヂ伊太利屋で働いていたんです」と語ってくれたのはオーナーの喜多朋浩さん。このゴジーSSを製作依頼し、英国から日本に輸入していた、まさにその総本山・ガレーヂ伊太利屋で働いていたのが朋浩さんのお兄さんだった。
その後しばらくして、職場のつてからお兄さんがこのゴジーSSを入手することとなったとのこと。そんな経緯から、弟の朋浩さんにとっても身近な存在となったゴジーSSであったが、その後ほどなく、不幸にも朋浩さんのお兄さんが急逝してしまう。
「思いもよらない展開でしたが、私もクルマが好きだったものですから、兄の形見としてこのゴジーSSを引き継ぐことにしたんです」と朋浩さん。今は亡きお兄さんの想いも乗せて、今回のイベントにも参加しているわけだ。
まったくの門外漢が「あぁ、ひところあちこちで作られたSSKのレプリカのひとつでしょ?」と、したり顔でスルーすることもあるかもしれない。しかし、イベントで出会った朋浩さんのゴジーSSは、その関係者たちの並々ならぬ情熱と知識、そしてオーナーの想いが目一杯詰まった、世界にたった1台の特別なクルマなのである。
(Fact Check:山本 亨)







































