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ヤナセでの偶然の出会いから33年。ベンツEクラスとオーナーが共に歩んだ14万キロの人生

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TEXT: 宮越孝政(MIYAKOSHI Takamasa)  PHOTO: 宮越孝政(MIYAKOSHI Takamasa)

トラブルすら「運」に変える人とクルマの絆
人との出会いもこのクルマだからこそ!

カスタマイズに関しては控えめだ。オーディオは、山口宗久氏が製作したスピーカーユニットへ換装しているが、それ以外はノーマルを維持する方針だという。「詳しくないですし、純正の完成度が高いですから」

外観で唯一大きく手が入ったのはフロント周り。停車中、後退してきたトラックに衝突される事故に遭い修理を行った。その際、当時流行していた後期型フェイスへ変更し、バンパーや腰下プロテクターを艶消しから艶ありへと変更している。すべて純正部品での換装で、現在も仕上がりに違和感はない。

足もとにはR107用ホイールを装着。ショックアブソーバーは、鉄道ファンとして全国を走り回るライフスタイルを考慮し、抜ける前にビルシュタインのノーマルタイプへ交換している。整備は新車時代から現在までディーラーがメインで行っており、1年点検と車検整備は欠かさず行っているそうだ。例外は、天井内張りの張り替え、ボディクリアの再塗装、AT修理の3点のみ。ATトラブルは茨城出張中に発生したが、偶然にもディーラー推奨工場の近くで故障したので自走で辿り着けた。オーナーさん想いの素敵なクルマであり、「結果的に最善の形で修理できた」と振り返る。

ちなみに、唯一の完全な走行不能を経験したのは、桜エビを食べるためにW124のツーリングで静岡県へ行ったときのことだ。帰り道、首都高速道路のパーキングエリアでエンジンがかからなくなった。しばらくして再始動ができたものの、オルタネーター故障の警告が点灯。「どこまで帰れるかな」と心配していたそうだが、ご自宅最寄りのインターチェンジを降りたところで停止してしまったそうだ。

エアコンはレトロフィット(新冷媒への変換)施工済みで、2025年の酷暑でも問題なく稼働。「よく使って動かしているからでしょうね」とのことだ。このクルマをここまで維持できた理由を伺うと「ザ・セダンと呼べるデザインと、長距離を走っても疲れない快適性。例えば、千葉から愛知まで走っても本当に楽です」今回も、クルマ仲間が住む豊橋にて一泊し、長久手市のトヨタ博物館までノントラブルで楽に走って来られたという。このクルマが普段から丁寧に整備され、信頼の走りをしっかりと保っているのがよく理解できるエピソードである。

「このクルマがあったから出会えた人がいる」

東北一周をはじめ、多くの旅を共にしてきたW124。奥様と出かけた東北旅行の際のレストランでは、那須での夜の食事で現金のみの清算と言われ、持っていた現金をほぼすべて精算時に支払ってしまった。このクルマの購入時は、まだ高速道路にETCも装備されておらず、クレジットカードも使えなかった時代だ。那須から自宅のある千葉まで夜中の一般道を走って帰ったこともあったという。しかし、そのような状況下でも「一般道を走っている124は楽しかった」と振り返られていたのが印象的だ。

「このクルマがあったから、出会えた人がいる。33年乗り続けてきた理由は、それに尽きますね」
結果として選んだW124 300Eは、“wonder FOUR”さんの家族の一員としてしっかりと彼の人生を支え続けていた。

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