ノーマル33GT-Rの2倍の価格で世界に55台販売
新車価格1200万円はバーゲンプライスの完成度
足まわりはビルシュタインのCリング車高調を採用し、「意のままに操れる」ことをターゲットに開発された。基準車のGT-Rに対してかなり旋回性を高めた味付けが与えられ、歴代GT-Rでもっとも「曲がる」マシンに仕上がっている。
専用のエアロパーツは、GT選手権に参戦していたレーシングカー用をモチーフに製作された。大型で迫力のあるデザインはレース直系のコンプリートカーらしい攻めた造形だが、車高を下げるとフロントリップが簡単に擦るといった一面もあった。
その他、インテリアではシートがアルカンターラ素材で貼り替えられている。足元には275/35R18のワイドタイヤと、NISMOオリジナルホイールの元祖ともいえるRAYS製鍛造3ピースの「LMGT1」を装着するなど、全身から特別感を放っている。
さらに完成車は全車が日産追浜工場のテストコースに持ち込まれ、念入りに性能確認テストが行われたのち、オーナーのもとに届けるという手法が取られた。このプロセスがオーナーのハートをくすぐったのだ。
プロトタイプとして公の場に姿を現したのは、1995年1月の東京オートサロン。新型スカイラインGT-R(R33)とともに発表され、大いに話題となった。正式発表は翌年の東京オートサロンで、プライスはGT-Rの新車価格の2倍強となる1200万円。当時はかなり高いと受け止められたが、内容を精査すればバーゲンプライスと思える完成度であった。販売は限定99台とされたが最終的にはそこまで届かず、生産台数は55台に留まっている。
コレクターズアイテムとして評価はうなぎ昇り!
1億円を超えた「NISMO 400R」の絶対的価値
R33型GT-Rはデビュー当初、さまざまな面でネガティブな評価を受けた。しかし、NISMO 400Rの登場によりイメージは好転。以後、R33型GT-Rオーナーにとって憧れの存在として語られるようになり、現在ではその希少性から億を超える価格で取引されるコレクターズアイテムとして評価はうなぎのぼりだ。
今回の出品車両は1996年7月にデリバリーされ、2023年7月にカナダへ輸出。2024年にアメリカのコレクターのガレージに収まったのち、今回のオークションに出品されることとなった。日本市場のみで販売され、生産台数55台のマシンが日本国外のオークションに登場するのは極めて稀である。
主催者が提示するエスティメート(予想落札価格)は、90万ドルから110万ドル(約1億4303万円から約1億7482万円)とかなりの高値をつけていた。果たしてどこまで値を伸ばすのか。緊張感が高まるなか、ついにハンマープライスが打たれた。最終的な落札額は91万8000ドル。現在のレートで計算すると、約1億4589万円である。
予想レンジの下限付近に落ち着いたとはいえ、1990年代の日本車が堂々の1億円オーバーで落札されたという事実は極めて重い。NISMO 400Rの天文学的な価値は、もはや一過性の熱狂(バブル)ではない。世界中のコレクターが認める「歴史的アート」として、グローバル市場でその絶対的な地位を証明してみせたのだ。
※為替レートは1ドル=158円(2026年3月18日時点)で換算




















































































