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傘のパーツを流用!? スズキ カプチーノに散りばめたオーナーの愛と小技

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 長尾 循(NAGAO Jun)  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

  • スズキ カプチーノ:オーナーの桜井正人さんとカプチーノ。義妹から譲り受けた一台を、大人の大人のセンスで楽しんでいる
  • スズキ カプチーノ:リアのアンテナ。カバーにはなんと傘の石突を流用(!)。やってやった感を出さない、オーナーのセンスが光る
  • スズキ カプチーノ:ウッド調パーツが奢られたインテリア。機能的なデザインのなかに、温かみとクラシカルな雰囲気を醸し出す
  • スズキ カプチーノ:1992年式のカプチーノ(赤)と、イベント会場で並んだシルバーの個体。往時のABCトリオの熱気が蘇る
  • スズキ カプチーノ:リアに装着されたハイマウントストップランプ。視認性を高めつつ、当時のスポーツカーらしい雰囲気を醸し出す
  • スズキ カプチーノ:フロントボンネットの隙間に、さりげなく貼られたフェラーリエンブレム。オーナーの遊び心が感じられる小技だ
  • スズキ カプチーノ:エンジンのカット。プーリーなどが交換されている。ストラットタワーバーが装着され、本気度を感じさせる
  • スズキ カプチーノ:足もとを飾るワタナベのホイール。旧車ファン王道の選択であり、カプチーノの軽快な走りを予感させる
  • スズキ カプチーノ:リアのエンブレム。1990年代を象徴するポップなロゴが、このクルマの数奇な運命を物語っている
  • スズキ カプチーノ:リアのバックランプ。LEDに変更されており、機能性を高めつつ、さりげなく現代的なディテールをプラスしている
  • スズキ カプチーノ:ホイールのツライチ具合とカヤバのショックに変更された足もとが、大人の大人のセンスを感じさせる
  • スズキ カプチーノ:パッと見は純正にも見えるが、フェラーリの深い赤で全塗装されたボディが、夕暮れの会場で美しく輝いていた

ディテールにオーナーのセンスが散りばめられた、さりげない小技が光るスズキ カプチーノ!

1990年前後のバブル期、潤沢な開発資金を背景に誕生した名車たち。日本独自の規格である軽自動車の分野においてもしかりであった。なかでもカプチーノは、分割式ハードトップを採用することで、「フルクローズ」「Tバールーフ」「タルガトップ」「フルオープン」という4通りのルーフ形状を楽しめる唯一無二の贅沢な機構を備えていた。新潟県糸魚川市で開催された「第1回糸魚川クラシックスポーツカーフェスタ2025」の会場でひときわ目を引いた、大人のセンスが光る1992年式スズキ「カプチーノ」のさりげないカスタムに迫ります。

日本独自の軽自動車規格から生まれた「ABCトリオ」は各社の個性あふれるマイクロスポーツカー

安価で信頼性は高いが、趣味性には欠ける退屈なクルマ──。1960年代の国産車の多くは、そんな評価が一般的だった。しかしオイルショックと排気ガス規制の荒波をくぐり抜けた国産車は1980年代後半ごろから、走りの質や官能性能といった項目においても長足の進歩を遂げた。

とくにバブル景気時期、潤沢な開発資金を背景に生まれた1990年前後の国産車にはいまでも強く印象に残る名車も多く、それは日本独自の規格である軽自動車の分野においてもしかりであった。

オートザム AZ-1、ホンダ ビート、スズキ カプチーノ。ご存知のとおり、3台合わせて「ABCトリオ」などと呼ばれた軽自動車規格の本格スポーツカーである。AZ-1とビートがミッドシップレイアウトだったのに対し、カプチーノは一般的なフロントエンジンの後輪駆動という違いはあったが、いずれにしてもこの時代の日本でなければ生まれ得なかった個性あふれるマイクロスポーツカーたちだったと言えるだろう。

この時期に生まれた有名な国産車といえば、日産 スカイライン GT-Rやホンダ NSX、ユーノス コスモ、あるいはトヨタ セルシオなどの名が次々に思い浮かぶが、それらヘビー級に対し、日本スポーツカー史を彩った小さなABCトリオの存在もまた忘れることはできない。

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