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世界に通じる元祖ハイソカー! 近所の人から譲り受けた新車時のままの初代トヨタ「ソアラ 2000VX」と字光式ナンバーの優しい関係

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TEXT: 勝村大輔(KATSUMURA Daisuke)  PHOTO: 勝村大輔(KATSUMURA Daisuke)  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

  • トヨタ ソアラ:地元で修理工場を営む山川さんと1982年式ソアラ2000VX。初代ソアラは発売翌年に「'81-'82日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した名車だ
  • トヨタ ソアラ:2000VXにも採用されたデジタルメーター(デジパネ)。マイコン制御のオートエアコンとともに、当時の最先端エレクトロニクスを体現した装備だ
  • トヨタ ソアラ:前オーナーから受け継いだ「石55」の字光式ナンバー。初代ソアラの発売は1981年2月で、登録からすでに40年以上が経過した歴史ある1台だ
  • トヨタ ソアラ:空力を追求したフラッシュサーフェスボディが美しい。ロングノーズ&ショートデッキの2ドアクーペスタイルは、キャッチコピー通り「未体験ゾーン」だった
  • トヨタ ソアラ:純正オプションのイントラ製14インチアルミホイール。VXグレードには4輪ベンチレーテッドディスクブレーキも備わる
  • ジャージ素材のシートは40年以上経過した今も良好な状態だ
  • トヨタ ソアラ:ソアラはBMWと同方式のストラット式(前輪)+セミトレーリングアーム式(後輪)サスペンションを採用していた
  • トヨタ ソアラ:搭載される1G-EU型直列6気筒SOHC2.0Lエンジン。最高出力125ps・最大トルク17.5kgmを発生し、5速MTまたは4速ATと組み合わせられた
  • トヨタ ソアラ:リアには「VX」のグレードエンブレムが光る
  • トヨタ ソアラ:前期型の証であるフェンダーミラー。1983年2月のマイナーチェンジで後期モデルへと移行しており、フェンダーミラーが残る個体は今や希少だ

初代トヨタ「ソアラ 2000VX」は初代オーナーの意志を受け継ぎ、今なお新車時のまま走り続ける!

石川県・金沢市で開催されたクラシックカーミーティングの会場で、ひときわ目を引く1台のクルマと出会いました。フェンダーミラーが残る初代トヨタ・ソアラの前期モデルです。「石55」という古い字光式ナンバープレートをそのままに、ボディも内装もほぼ新車当時のままの保存状態です。このクルマを前オーナーからナンバーごと約10年前に引き継いだという山川さんは、「初代オーナーの意志を継承して大切に乗り続けている」と話してくれました。40年以上前の名車を、いかにしてここまの状態に保ち続けているのでしょうか。

当時物の字光式ナンバー装着「元祖ハイソカー」の「初代ソアラ」前期型を近所の人から譲り受ける!

会場内でひときわ目を引いていたのは、元祖ハイソカー(高級志向の乗用車の総称)と称される初代ソアラだ。しかも最近はあまり見かけなくなったフェンダーミラーを備えた前期型で、「石55」という古い字光式のナンバープレートから、ツインカム(DOHC)の2.8リッターではなく、シングルカム(SOHC)の2リッターエンジン搭載車であることがわかる。装備内容からするとVXグレードのようだ。早速オーナーの山川さんに入手の経緯を伺ってみた。

「実は私がこのクルマを手に入れたのは、今から10年ほど前のことです。地元で自動車修理工場を営んでいるんですが、近所の人から声をかけていただき、譲り受けることになったんです。だからナンバープレートもそのまま引き継ぐことができました。以来、初代オーナーの意志を継承して大切に乗り続けています」

世界と肩を並べるスーパーグランツーリスモとして生まれた本格的GTサルーンは、全領域を電子制御化!

1970年代の急成長を経て、本格的に世界に目を向けるようになったトヨタが、BMWの6シリーズやメルセデスのCEなどを目標に、世界と肩を並べるGTカーとして開発したのが1981年に登場するソアラだ。直線的なデザインの2ドアクーペボディに、全グレードで直列6気筒エンジンを搭載した高級パーソナルクーペとして、日本国内で大人気を博した。なお、

デビュー当初に搭載されたエンジンは2種類。3ナンバーモデルにはこのクルマ用に新設計された5M-GEU型直列6気筒DOHC2.8リッターを採用。5ナンバーモデルには1G-EU型直列6気筒SOHC2リッターを搭載した。さらにデビューから半年後にはM-TEU型直列6気筒SOHC2リッターターボを追加している。今回取材したのは、1G-EU搭載モデルのトップグレードとなる1982年式の2000VXで、ほとんど新車当時の状態をキープしている。なお、当初は輸出を考慮して開発された車種だったが、当時すでに海外市場ではセリカXX(輸出名:スープラ)を販売しており、販売面での差別化が難しかったことなどから、初代・2代目は結局国内専売にとどまった。海外デビューは3代目、レクサスブランド誕生後まで待つことになる。

デジタル最先端だった新車当時の状態を大切に維持しながら、優しく灯し続ける字光式ナンバーとともに……

カッパーとブラウンのツートンカラーをまとったノーブル・トーニング(初代ソアラの象徴とも言えるカラーは、2.0VXにはオプション設定)のボディは、基本的にオリジナルのままだ。フロントには希少な純正フォグランプを装着しているほか、当時の純正オプションだった14インチのイントラ製アルミホイールも備えている。インテリアは、ステアリングがMOMO製のウッドステアリングに変更されているが、モケット素材が使用された高級感のあるシート類などはオリジナルの状態を保っている。

ちなみに2リッターエンジン搭載車でも、VXとVRグレードは2.8リッター搭載車同様にデジタルメーター(デジパネ)を採用。クルーズコンピューター(燃費・走行データを管理するコンピューター)やマイコン制御のオートエアコンなど、最先端の装備を多数備えていた。

「走り、曲がり、止まる。世界に先駆けて、その全領域の電子制御化を実現した。」と当事のカタログに明記されているほど、先進技術が詰め込まれていたのが、スーパー・グラン・ツーリスモ「初代ソアラ」だ。

山川さんが入手した際には燃料タンクがサビており、おそらくそれが原因でデジタルパネルの燃料計が動かない状態だったという。しかし、タンクの清掃と電子機器に強い息子さんの協力によって、デジパネは見事に復帰。現在でも快調に動いているそうだ。

最近では装着しているクルマを見かけることも少なくなった字光式ナンバー。1970年に降雪地域でのナンバープレートの視認性確保と、光熱による着雪防止を目的として開発されたこの装備は、初代ソアラがデビューした1980年代のバブル期を経て、いつしかドレスアップアイテムのひとつとして広く流行するようになった。時代は流れ、最近の若者の間では「エモい」(懐かしくて心に響く)アイテムとして再認識されつつあるという。このソアラと字光式ナンバーはこれからも、目まぐるしく移り変わる時代を迷わぬようオーナーの山川さんを優しく灯し導いてくれるのだろう。

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  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

 

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