クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CLASSIC
  • レース熱再燃!40歳から作り始めたセミワークス仕様マツダ「サバンナ RX-3」は56歳の今でも最高の相棒!!
CLASSIC
share:

レース熱再燃!40歳から作り始めたセミワークス仕様マツダ「サバンナ RX-3」は56歳の今でも最高の相棒!!

投稿日:

TEXT: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)  PHOTO: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

  • マツダ サバンナ RX-3:愛車の横に立つオーナーの岩瀬明紀さん。若い頃からレースに夢中だった
  • マツダ サバンナ RX-3:サーキットでライバルと火花を散らす岩瀬さんのRX-3。ハコスカには負けられない
  • マツダ サバンナ RX-3:メーターや各スイッチの配置まで細部にこだわり、徹底的に仕立てたコクピット
  • マツダ サバンナ RX-3:スイッチ類やメーターパネルの配置にも岩瀬さんのこだわりが随所に感じられる
  • マツダ サバンナ RX-3:岩瀬さんの愛車をよく見るとゼッケン50番となっているが、これが50歳までに作ろうと考えて作った証でもあった
  • マツダ サバンナ RX-3:セミワークススタイルの迫力あるフェンダーが目を引く
  • マツダ サバンナ RX-3:セミワークスの雰囲気を高める旧車ファン垂涎のSSRマークⅠホイール
  • マツダ サバンナ RX-3:マニアが目の色を変えて欲しがる日産スカイライン(通称ハコスカ)の当時物リアウイング
  • マツダ サバンナ RX-3:ボディ補強、スポット増しも自分でリベット打ちしていた
  • マツダ サバンナ RX-3:ドアの内張りは昭和車な雰囲気を漂わすウッドパネルになっていた
  • マツダ サバンナ RX-3:リアもバンパーレスでストイックな仕上がりとなっている
  • マツダ サバンナ RX-3:当時のレースシーンを想起させる無骨なワイドフェンダー
  • マツダ サバンナ RX-3:GCレース(富士グランチャンピオンレース)のレプリカリップを装着したフロントスタイル
  • マツダ サバンナ RX-3:「神戸マツダモータース」のステッカーがワークス感を醸し出す
  • マツダ サバンナ RX-3:AE86やスカイラインジャパンなど複数車種のパーツを巧みに組み合わせた足まわり
  • マツダ サバンナ RX-3:ドンガラに仕上げた、徹底的な軽量化が施された室内
  • マツダ サバンナ RX-3:燃料タンクはトランクに移植して加減速対応の燃料ポンプとコレクタータンクを追加している
  • マツダ サバンナ RX-3:ジェットヘルメットに描く鰯(いわし)の文字が印象的だ
  • マツダ サバンナ RX-3:耐久性重視であえてノーマルを維持する12A型ロータリーエンジン。壊れずに走り続けることが最優先だ
  • マツダ サバンナ RX-3:バンパーレスのレーシーなフロントフェイスが印象的だ

20代に楽しんだマツダ「サバンナ RX-3」を再入手、セミワークス仕様に仕立てサンデーレース満喫中! 

マツダ「サバンナ RX-3」といえば、1971年12月に開催された富士500マイルツーリスト・トロフィーレースで日産スカイラインGT-Rの連勝記録をストップした昭和の伝説レーシングカーです。その名車を40歳で入手し、「いつかまたサーキットを走らせたい」という夢を胸に、コツコツと10年がかりで仕上げたのが、兵庫県在住の岩瀬明紀さん(56歳)です。18歳からロータリー車に乗る岩瀬さんが、どんな想いでセミワークス仕様を作り上げ、今もサンデーレースを楽しんでいるのか、その全容をお伝えします。

GT-R50連勝の夢を打ち砕いた、昭和レース史に輝くロータリーの名車マツダ「サバンナ RX-3」

コスモ、ファミリア、ルーチェ、カペラに続くマツダのロータリーエンジン搭載車として、サバンナは1971年に誕生した。輸出も積極的に行われ、輸出仕様車はサバンナではなく「RX-3」という名称とされた。現在もそうだが、このクルマに関しては輸出名であるRX-3と呼ぶことが日常的になっている。

1971年の登場時に搭載したロータリーエンジンは、初代マツダ「コスモ」から引き継がれた10A型だ。このエンジンは幾度も改良されており、サバンナに搭載される10A型は、ファミリア・ロータリークーペをアメリカへ輸出するための排ガス対策が施されたバージョンをベースとしている。ボディタイプはセダンとクーペとスポーツワゴンの3種類を用意。また、このクーペボディにカペラに搭載されていた573㏄×2ローターの12A型エンジンと5速ミッションを組み合わせた「サバンナGT」というモデルも存在する。(1974年11月のマイナーチェンジ時には全モデル12A型に統一)

シリーズのトップモデルとして高性能ぶりを発揮したサバンナGTは、最高出力が10A型の105馬力から120馬力へアップ。最高速度は180km/hから190km/hへ、ゼロヨン(0〜400m加速)は16.4秒から16.0秒(初期型)へと向上し、その軽さゆえ格上のカペラロータリーをも上回るポテンシャルを手に入れた。

RX-3の名を一躍全国に知らしめたのは、1971年の富士ツーリスト・トロフィー・レースだ。このレースで日産スカイラインGT-Rの50連勝記録を阻止したことで、その名は広く知れ渡ることとなった。その後1976年までに、サバンナRX-3は通算100勝という快挙も達成している。

若い頃のレース熱が再燃、40歳でボロボロRX-3入手から始まったレストア作業とレーシングカー製作

そんな栄光の名車サバンナRX-3のレーシングカーをプライベートで製作し、休日はサーキット走行やサンデーレースを楽しむカーライフを送っているのが、兵庫県在住の岩瀬明紀さん(56歳)だ。

岩瀬さんは18歳で免許を取得後、最初に購入した愛車がサバンナRX-7(SA22C)だった。このクルマをきっかけに、ロータリーエンジン搭載車の魅力にすっかりハマってしまったという。

当時は走り屋・峠ブームの時代。岩瀬さんも腕試しとばかりに峠攻めを楽しんでいた。RX-7はコンパクトなボディと優れた車体バランスでハンドリングが秀逸で、気持ちよく走れるクルマだった。この爽快な走りをきっかけに完全に走りに目覚め、峠に出向くことも多くなっていったという。

しかしそんな中、初の愛車をガードレールに激突させて廃車にするという苦い経験も味わう。そこから岩瀬さんはさらに腕を磨くべく、71カローラを購入してひたすら走りの練習に励んだ。その後、岡山県にある中山サーキットで開催される草レース(アマチュアが参加できる気軽なレース)に参戦するべく、再びロータリー搭載車を購入。ちょうど旧車に目覚めた時期でもあったことから、ポテンシャルの高さに定評があったRX-3をベース車として選んだ。アンダーコートを剥がして徹底的に軽量化を施したレースカーを製作し、サーキットへと挑んだ。

この頃は、とにかくレースに参戦し、自分が作った愛車を走らせることがたまらなく楽しかったという。勝利よりも、純粋にライバルたちとのバトルを楽しんでいたと岩瀬さんは振り返る。

そんなクルマとレース中心の生活を26歳まで続けたが、結婚を機に走りの世界から一度は退くことになった。それでも想いは冷めることなく、いつかまたサーキットへ戻ろうとずっと考え続けていたという。

転機が訪れたのは40歳のころ。友人から「ボロボロだけど修理すれば走れそうなRX-3があるけど買わないか」という誘いが舞い込んできた。ちょうどサーキット走行を再開しようかと考えていた時期だったこともあり、そのクルマを購入してレースカーを製作することを決意。手に入れたのは、12A型エンジンを搭載するトップグレードのGTだ。急がず焦らずコツコツとレストアを進めていった。

ジャパン+86+SA22=RX-3 流用パーツで作り上げたこだわりの足回りとゼッケン50番への誓い!?

レース仕様のRX-3として仕立てるべく、ボディはセミワークススタイル(ワークス=メーカー公式レース仕様を個人が再現したスタイル)を採用。ホイールには旧車ファンに絶大な人気を誇るSSRマークⅠを装着している。前後バンパーレスとし、フロントにはGCレース(富士グランチャンピオンレース)のレプリカリップを取り付け、リアトランクにはハコスカの当時物リアウイングをセットしていることもポイントだ。

RX-3の足回りはローダウン化が難しく、下げすぎるとデフが車体に干渉しやすくなってしまう。そのため、アームを含めてさまざまな車種のパーツを組み合わせた専用サスペンションを製作した。ベースにはレース用サスペンションを採用。調整幅が限られるアライメントにはAE86用テンションロッドを追加し、ストラットはスカイラインジャパン用を加工して装着。スタビライザーにはSA22Cの中空パイプを流用するなど、あらゆる車種のパーツを巧みに組み合わせることで、車高を落とした際のジオメトリー補正と走行シーンに合わせたセッティングを可能にしている。若いころにクルマをいじってきた経験が、ここに存分に生きているのだ。

一方、エンジンとミッションは、12A型ロータリーをノーマルのまま維持している。チューニングするとエンジン寿命が短くなり壊れやすくなるというのがその理由だという。本当はチューニングでパワーを稼ぎ出したいし、コースに合わせたギア比も設定したいところだが、壊れてしまっては元も子もない。耐久性を最優先に考えた結果だと岩瀬さんは説明してくれた。

岩瀬さんが製作したRX-3サーキット仕様は、コクピットも徹底的にレーシーに仕立てており、メーターや各スイッチの配置にも細部までこだわりが感じられる。よく見るとゼッケンは50番。これは「50歳までに完成させる」という自らの誓いを刻んだものだ。もちろん、その公約はしっかりと果たされ、現在は大人の休日サンデーレースライフを満喫中とのこと。若かりし頃の情熱に再び点火し、岩瀬さんのRX-3はこれからもサーキットを全開で駆け抜ける。

すべて表示
  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 1969年生まれ。某出版社でドレスアップ誌、チューニング誌の編集長を歴任。2006年に自動車・バイク専門の編集プロダクション株式会社バーニーズを設立。自動車専門誌をはじめ、チューニング、カスタム系、旧車、キャンピングカー、アウトドアに関する媒体を新たに立ち上げる。これまでの愛車は、セリカXX、スカイライン、AE86、AE92、シビック、スープラ、シルビア、180SX、ロードスター、RX-7、BMW850iなどなど。他にもセダン系、バン系、ミニバン系など数多くのクルマを乗り継いでいる。
著者一覧 >
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS