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ダットサン「2000スポーツ」は欧州スポーツカーの性能だけでなく米国オークション落札額でも比肩!

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: Courtesy of Broad Arrow  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

3種の神器「ロウウィンドー・C字リベット・ファクトリーSOLEX」を揃えSRL史上で世界最高額!

このほど出品された1967年式ダットサン 2000スポーツは、オフホワイトのボディにブラックのソフトトップ、そして鮮やかなレッドのインテリアを組み合わせた仕様だ。

アメリカのディーラーオプションとして用意された純正「コンペティションパッケージ」を装備しており、大容量のアルミ製オイルパンや出力を170~180ps(SAE規格)まで引き上げる専用「レーシングキットB」にはハイカム、ハイコンプピストン:(圧縮比標準9.5:1から11.0:1前後)、強化バルブスプリング、オイルクーラーキットなどが追加されている。しかし、なにより特筆すべきは、真の「1967.5年式」を示す証としてコレクターが熱望する「C字リベットつき(Rivet in the C)」バルブカバーを装備している点であろう。これは初期型のタペットカバーに刻印されている「OHC」の「C」部分内にリベットが打たれているタイプ希少なモデル。

この個体はアリゾナ砂漠で17年間も放置されたあと、1999年に初めて市場に出品された。当然ながら抜本的な整備が必要とはなったが、このとき重要だったのはボディおよびフレームとも堅牢で、ほぼ完全な状態を保っていたことである。

今回のオークション出品者でもある現オーナーは、フロリダ州在住の愛好家。この希少な2000スポーツを2016年9月に専門業者から入手し、翌年7月には工場出荷時の「#655」オフホワイトへ戻すため、エンジンおよびガラスを取り外したうえで完全な再塗装を依頼した。さらに2018年には、フロリダ州の著名な専門家の手により徹底的なレストアが実施される。

レストアの終了後、この個体は東海岸の著名なカーショーやコンクール・デレガンスに頻繁に出展され、複数のコンクールで3度にわたる「ベスト・イン・クラス」賞を得たほか、直近では2025年「モーターカー・キャバルケード」での「チーフジャッジ賞」を受賞している。

今回のセールスに際して、ブロードアロー・オークションズ社は7万5000ドル~9万5000ドル(邦貨換算約1192万5000円〜1510万5000円)という、日本の国内マーケットでの相場から比較すると俄かには信じがたいほどに強気なエスティメート(推定落札価格)を設定。そのうえで「Offered Without Reserve(最低落札価格なし)」での出品となった。

そして迎えた競売では、リザーヴなしの効力が発揮したのか、ブロードアロー社曰く「このモデルとしてはワールドレコードとなる」10万6400ドル。つまり現在のレートで日本円に換算すれば約1692万円という、いくら「ローウィンドスクリーン」「C字リベット」「「ファクトリー・ソレックス(新車時にソレックスキャブ装着車)」が揃ったSRL311とはいえ、驚いてしまうほどのハンマープライスで落札に至ったのだ。

かつて『欧州スポーツカーの手頃な代替品』として海を渡ったダットサンが、約半世紀の時を経て、新車のポルシェが買えるほどの価格で欧米の富裕層に競り落とされる「アーリーDATSUN」。アリゾナの砂漠で17年も放置されていたこの個体は、自身の“アメリカン・ドリーム”とも言える大出世を果たし、クラシックマーケットでも「欧州スポーツカーに比肩」する存在となったのかもしれない。

※為替レートは1ドル=159円(2026年4月6日時点)で換算

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

 

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