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昭和のおしゃれなディテールが光る三菱ミニカの先祖! ミツビシ 360バンの驚きの高機能と実用性とは

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TEXT: 勝村大輔(KATSUMURA Daisuke)  PHOTO: 勝村大輔(KATSUMURA Daisuke)  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

  • ミツビシ 360バン:愛車と並ぶオーナーの中島さん。約9年にわたり貴重な個体を維持する
  • ミツビシ 360バン:商用車には珍しいセパレート型シート。レストア時に内装も新調した
  • ミツビシ 360バン:商用車でありながらホーンリングを備えるなど、お洒落な仕立てだ
  • ミツビシ 360バン:横長のスピードメーターが時代を感じさせる。温かみのある意匠だ
  • ミツビシ 360バン:ステア中央で輝くエンブレム。美しい状態がオーナーの愛情を語る
  • ミツビシ 360バン:美しい輝きを放つメッキ仕上げのフェンダーミラー。細部まで美しい
  • ミツビシ 360バン:フロントで輝くスリーダイヤ。三菱初となる商用四輪車の誇りが宿る
  • ミツビシ 360バン:燃料タンクも収めるなど空間効率を極めた設計。サブロク軽の真髄だ
  • ミツビシ 360バン:ホワイトリボンタイヤとメッキキャップが、当時の空気感を演出する
  • ミツビシ 360バン:サイドの筆記体エンブレム。昭和の高度経済成長期を力強く支えた証だ
  • ミツビシ 360バン:デラックスのカーテン。オーナー自らが手縫いして当時の姿を再現した
  • ミツビシ 360バン:上下二分割に開くハッチゲート。積み下ろしを考慮した実用的な装備だ
  • ミツビシ 360バン:逆開きのドアを採用。後に登場する初代ミニカと基本構造を共有する
  • ミツビシ 360バン:軽規格を最大限に活用して広大な荷室を確保。当時は配達で大活躍した
  • ミツビシ 360バン:当時の商用モデルとしては非常に豪華なデラックス仕様。バッジが輝く
  • ミツビシ 360バン:無駄を省いた縦型テールランプ。シンプルな意匠がかえって新鮮に映る
  • ミツビシ 360バン:走行風を車内に導き入れる三角窓。クーラーのない時代の重要な装備だ
  • ミツビシ 360バン:純正ツートーンカラーで美しく復活。軽規格を活用する合理的な車体だ
  • ミツビシ 360バン:初代ミニカへと受け継がれた愛嬌ある顔つき。このバンが元祖だ

乗用車である初代ミニカのベースとなったのは商用バンだった!

排気量360ccの軽自動車の初代規格は「サブロク」の愛称で呼ばれ、現在でも根強いファンが数多く存在しています。とはいえ大衆車ゆえに酷使されてきたケースも数多く、良い状態をキープしている個体は少なくなっているのが実情です。今回紹介するのは、サブロク軽自動車が全国から集結するイベント「サブロクミート」の会場で発見した、三菱初の商用四輪車「ミツビシ 360バン」とオーナーの楽しいお話です。

ミニカ顔でもミニカにあらず! イベントで注目の激レア「ミツビシ 360バン」に秘められた意外な歴史とは

サブロク軽のなかでも、たとえば「ホンダ N360」や「スバル 360」のようなモデルは比較的ポピュラーで、イベントでもよく見かける。しかし、なかにはひと目で車種を言い当てられないような珍しいモデルも存在するのだ。ここに紹介するワゴン形状のモデルもそのひとつだ。

フロントフェイスは初代ミニカと同じように見えるため、バンスタイルの派生モデルだろうか。オーナーの中島さんに詳細を伺ってみた。

「このクルマは1967年式のミツビシ 360バンというモデルで、9年くらい所有しています。確かにフロント周りがミニカと同じなのでよくミニカの派生モデルと勘違いされるんですが、この商用モデルが先にあって、これをベースに乗用車のミニカができたって感じですね。私自身このクルマのほかに1969年式のミニカも所有してます」(中島さん)

軽規格サイズをフル活用! ミニカのルーツ「ミツビシ 360」はエンジンルームと上下二分割ゲートの驚きの機能に迫る!!

実際に調べてみると、ミツビシ 360は1961年に登場しているのにたいして、ミニカは翌1962年にデビューしている。ミツビシ 360はバン、パネルバン、ピックアップをラインアップしていた。

フロントエンジン、リアドライブのレイアウトで、エンジンは強制空冷2ストローク2気筒359ccを搭載する。周辺を大きな空冷ファンがカバーしているため、ボンネットを開けても直接エンジンは見えず、カバーのみが視界に入る構造だ。ちなみに奥にガソリンタンクが設置されており、必要要素がひととおりエンジンルームに集約されている。これはラゲッジルームを最大限確保するための策と思われる。

軽規格サイズいっぱいを活用するスクエアで背の高いステーションワゴン型のボディは、リアに上下二分割に開くハッチゲートが備わる。中島さんいわく、デラックスがこの二分割ゲートで、スタンダードは横開きの1枚ドアと異なるそうだ。ちなみにミニカとはシャシーなどの基本構造はもちろん、フロント周りやリアヒンジの逆開きドアなどを共用している。

積載性抜群の車内と手縫いのカーテンが粋な昭和の働き者「ミツビシ 360バン」のお洒落なディテールとオーナーの深い愛情

気になる車内を見せてもらった。ドアを開けると、左右セパレートのフロントシートと、折り畳み可能なリアシートが備わる。ラゲッジルームは軽規格にもかかわらずかなり広いが、リアシートを折り畳むことでさらに広いスペースが確保できる仕組みだ。また助手席のシートバックを前に倒すことで、車内へかなり長いものも積むことができる。昭和の高度経済成長期に、個人商店のデリバリーカーとして活躍していたのも頷ける高い合理性である。

このクルマは中島さんの手元にきたタイミングでボディをレストアし、純正のツートーンでリペイントされている。シートやドアパネルなどの内装もこのときに張り替えたそうだ。

ダッシュ周りを見てみると、商用車にもかかわらずメーターやステアリングに装着されたホーンリングなど、なんともお洒落な仕立てとなっている。さらにデラックスのカーゴスペースには新車時からカーテンが備わっていたそうで、中島さんは自ら生地を調達し、手縫いで見事に再現している。

乗用車であるミニカのルーツが、じつは高い実用性を誇るこの商用バンにあったという事実は非常に興味深い。昭和の働き者でありながら、愛らしいルックスとお洒落なディテールを併せ持つミツビシ 360バン。これからもオーナーの深い愛情のもと、美しい姿で走り続けてほしい1台である。

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  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

 

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