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ブルーバード直系の血筋! レアな日産 バイオレットを20年愛し続けるオーナーの旧車ライフ

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 長尾 循(NAGAO Jun)  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

  • 日産 バイオレット 1400DX:オリジナルの状態をよく保ったインパネまわり。視認性も良好だ
  • 日産 バイオレット 1400DX:上位グレードは黒内装だがDXの明るい色調がお気に入りとのこと
  • 日産 バイオレット 1400DX:愛車の傍らで笑顔を見せるオーナーの廿楽さん。大満足の1台だ
  • 日産 バイオレット 1400DX:L14型4気筒SOHCエンジンは現在も非常に調子が良いそうだ
  • 日産 バイオレット 1400DX:エンジンルーム内に残るプレート類もクルマの歴史を感じさせる
  • 日産 バイオレット 1400DX:白とタンの明るい色調でまとめられたインテリアが美しい空間だ
  • 日産 バイオレット 1400DX:ホイールキャップは純正品だが上位グレードであるGL用を装着
  • 日産 バイオレット 1400DX:樹脂パーツの入手には苦労するという貴重な純正テールランプだ
  • 日産 バイオレット 1400DX:ボディサイドに輝くエンブレム。当時のフォントがレトロで良い
  • 日産 バイオレット 1400DX:フロントグリル中央に配置された専用エンブレムが誇らしげだ
  • 日産 バイオレット 1400DX:フェンダーミラーも当時のままで見事なコンディションを保つ
  • 日産 バイオレット 1400DX:リアフェンダーの複雑な造形は当時の日産車ならではのデザイン
  • 日産 バイオレット 1400DX:品川駅前に展示された美しいグリーンメタリックの個体だ
  • 日産 バイオレット 1400DX:クセの強いフロントマスクだがそれがたまらない魅力となっている

日産メカニックの義父から継承! 奇跡のコンディションを保つ初代「バイオレット」

ロールスロイスにベントレー、アストンマーティンやブガッティ、あるいはフェラーリやポルシェといった人気や知名度の高いメーカーのクルマは概して歴代モデルの残存率が高く、たとえ何十年も前のモデルであっても数多くが上々のコンディションで維持されています。逆に身近な実用車や商用車などは、趣味の対象として大切に維持・管理され続けている個体が極端に少ないのが現実です。だからこそ「品川クラシックカーレビュー イン 港南」イベントの会場で出会った初代の日産「バイオレット」は、とても貴重な存在といえます。

メジャー車種に隠れた貴重な存在! 品川駅前に集結した旧車たち

2026年4月5日(日)、JR品川駅の港南口ふれあい広場にて「品川クラシックカーレビュー イン 港南」が開催された。これは交通安全の啓発を目的に、品川駅港南商店街と警視庁高輪警察署が主催する恒例のイベントで、今回で27回目を迎える。

そして、このイベントの運営を担当するのは全日本ダットサン会だ。1台でも多くのダットサン(および日産や旧プリンス)を動態保存することを目標に掲げる同会の仕切りだけに、参加した40台以上の車両のうち8割以上が日産車である。今回も歴代の日産「ブルーバード」や日産「スカイライン」、日産「フェアレディ」、日産「フェアレディZ」などお馴染みのクルマたちが会場に居並んだ。

そんなメジャー級の人気車種にまざって会場の一角に展示されていたのが、旧車イベントなどでも見かける機会の少ない、日産 バイオレットの初代モデルである。

サニーとブルーバードの間を埋める直系モデル「バイオレット」

世界的な大ヒット作となった510型ブルーバードの後継モデルとして、1971年にデビューした610型である日産「ブルーバードU」。前任の510型に比べ車格がアップしたこともあり、そのデビュー後もしばらくのあいだは510型も併売されていた。

翌1972年に510型の生産が終了。そこで生まれた日産「サニー」とブルーバードUとのギャップを埋めるセグメントに、新たに投入された車種がバイオレットである。

この初代バイオレットのデビューは1973年。型式名が510、610に続く「710」であることからもわかるとおり、ブルーバード一族の直系モデルだ。やはりその血筋は争えず、710型バイオレットはラリーやレースなどにも積極的に参戦している。

アクの強いデザインと逆風の時代! 現存数が少ない実用車の宿命

ただ、この初代バイオレットは今となってはヒストリックカーのイベントなどでもほとんど目にする機会のない車種だ。

この時代の国産車、とくに日産車はクセの強いデザインをもつものが多く、それは単に見た目の好き嫌い以前に、後方視界の悪さや室内の圧迫感といった実用上の不具合をもたらした。さらに当時は、自動車メーカーが排気ガス規制や安全・環境性能への対策に追われていた、日本車にとっては逆風の時代でもある。

欧米に追いつけ追い越せと元気だった1960年代と、日本車が多くの技術的課題をクリアして再び黄金期に向かって加速し始めた1980年代から1990年代の狭間に生まれたバイオレット。現存する台数が少ないのは、その生まれた時代の趨勢に左右されたということもあるだろう。

奇跡のコンディション! 義父から受け継いだ1973年式「DX」

改めて、会場に展示されていた貴重な初代バイオレットの、さらに初期モデルを紹介しよう。オーナーの廿楽尚さんにお話を伺うことができた。

「年式は1973年式、バイオレット1400DXのハードトップです」

バイオレットにもスポーツグレードの「SSS(スーパースポーツセダン)」や上位モデルの「GL」などがラインアップされていたが、こちらの個体はその下のベーシックなグレードである「DX(デラックス)」だ。それにしてもグリーンメタリックの外装をはじめ、異様に程度が良い。そのワケはどこにあるのだろうか。

「状態が良いのは、もともと日産でメカニックをやっていた義父が丁寧に乗っていたからでしょうか。私も昔から旧車に乗りたいと思っていて、人とちょっと違った車種がいいなとも思っていましたので、その個体を2005年に義父から譲り受けました」

このバイオレットが廿楽さんの手元にやってきたとき、走行距離は2万kmにも満たなかったという。オリジナルの姿をよく保ったままそれから20年余り。現在の走行距離は4万kmほどと、年式を考えれば非常に低走行な状態を維持している。

部品探しも旧車ライフの醍醐味! いつかは夢のオーナーズクラブを

「このバイオレットのことはとても気に入っています。L14型エンジン(直列4気筒SOHC)をはじめ機関の調子は良いのですが、外装の樹脂パーツなどの入手はなかなか苦労します。上位グレードがブラック基調の内装色なのに対し、このデラックスの明るいインテリアも気に入っています。いま履いているホイールキャップはGL用で、デラックス用とは違うんですよ」

愛車についてオーナーならではのこだわりが次々と語られた。イベントなどに参加しても、なかなか同じクルマに乗っているオーナーと出会う機会がないというが、「でも、いつか仲間を増やして710型のオーナーズクラブとか作れたらいいですね」と語る廿楽さん。そのときは、またぜひお話を聞かせてほしい。

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

 

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