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希少な日産「ルキノ」をニスモがカスタム!エアロと足まわりで硬派に仕上げた1台【オレたちの“改”顧録】

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TEXT: AMW  PHOTO: ヤングバージョン

エンジンはノーマルのまま外装と足まわりを締め上げ、視線をカッさらう硬派なクーペに仕上げたニスモの異色デモカー

俳優の江口洋介らが出演するナンパな雰囲気のCMが印象的な日産「ルキノ」。そのイメージを、ニスモは硬派なスポーツクーペへと振り切ってみせた。エンジンはノーマルのまま、エアロと足まわりだけで勝負する。素材としてはフォアボール(敬遠)したくなるほど直球の硬派。なのに視線をカッさらう。四気筒のクーペがこんなにスポーツしていいのか。1995年に登場したニスモのデモカーを振り返る。

(初出:ヤングバージョン1995年9月号)

ニスモが手がけた日産「ルキノ1.8SS」は、エンジンノーマルのまま外装と内装をニスモパーツで固めたデモカーだった

このデモカーのベースは、日産「ルキノ」の最上級グレード、1.8SS(HB14型)である。1838ccの直4ツインカム(DOHC)、SR18DEを積み、最高出力は140psを発生する。当時、ルキノは江口洋介らが出演する若者向けのCMで知られ、ナンパなイメージが先行していた。そんな素材を、ニスモはあえて硬派なスポーツクーペへと振り切った。注目すべきは、エンジンに一切手を入れていない点だ。ドレスアップの主役は外装と内装、そして足まわりにある。フロントとリアのアンダースポイラー、サイドスカート、エンブレム付きのグリルを組み合わせ、視覚的なインパクトを生み出した。内装にはニスモのホワイトメーターパネルを配し、ステアリングは360Eと呼ばれるレザーの36φタイプに変更している。

素性の良いエアロパーツが派手すぎず硬派な印象を与える

このルキノの見どころは、派手すぎない硬派なまとまりにある。フロントとリアのアンダースポイラー、サイドスカートにエンブレム付きのグリル。パーツのデザインはどれもよくまとまっている。真っ赤なボディに白いホイールを履かせ、もう少し車高を落とせば文句なしという領域に達していた。エアロが目立つぶん、サイドステップを止めるリベットが見えてしまう点だけが惜しい。とはいえ、ベース車の素性のよさも手伝って、全体としては個性を確実にアピールする1台にまとまっている。ちなみに、エアロパーツはキット売りも用意され、好みに応じて組み合わせられた。

剛性アップにストラットタワーバー、足まわりには4段調整式ショックを組み、走って楽しいクルマに

このデモカーは、見た目だけのドレスアップにとどまらない。剛性アップとして、フロントにストラットタワーバー(ボディ剛性アップのための補強パーツ)をセットした。リアにも同じくタワーバーを組み込み、ボディをしっかり引き締めている。足まわりには、ストリート用の4段調整式ショックを採用した。エンジンがノーマルだからこそ、シャシーを固めて走りの素性を引き出す狙いがうかがえる。前後のバランスがよく、コントロールが自分の手中にある感覚は、AT車であっても十分に楽しめる仕上がりだった。パワー系をいじらなくても、足まわりを鍛えればクルマは楽しくなる。当時、ニスモが示したこのアプローチは、いまの目で見ても理にかなっている。

【AMWノミカタ】

今回紹介したニスモのルキノは、AMWを運営する交通タイムス社がかつて発行していたチューニング誌『ヤングバージョン』1995年9月号に掲載された1台だ。エンジンに手を入れず、外装と足まわりだけで硬派なスポーツクーペに仕立てるという発想は、いまのニスモロードカーにも通じる。ベース車のキャラクターを尊重しつつ、走りと見た目を底上げする。30年前のデモカーに、すでにそのフィロソフィーが宿っていた。ちなみに、ルキノクーペは後期型で175psのSR16VEを積むVZ-Rを追加し、その生産台数は100台弱とされる。ケンメリGT-Rの197台と比べても希少な存在だ。ルキノというクルマ、なかなか侮れない。

【オレたちの“改”顧録】シリーズ一覧はコチラから!

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