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前オーナーから受け継いだレストア車! 空冷2ストエンジンを積むスズキ「ジムニー」

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 長尾 循(NAGAO Jun)  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

半世紀前の初代スズキ「ジムニー」が現在も高速道路の巡航をこなす

昔、ヘビーデューティな四輪駆動車といえば軍用車両にルーツを持つジープしかなかった。実際にはトヨタ自動車のランドクルーザーや日産自動車のパトロールなどが存在していたが、かつてはまとめて「ジープ」という認識が一般的だった。まだそんな常識が幅を利かせていた1970年、世界的にも稀有なマイクロ・オフロード4WD(四輪駆動車)としてスズキ「ジムニー」が誕生した。

新潟の旧車イベントで初代スズキ「ジムニー」のオーナーに出会った

2026年4月12日、新潟県三条市で開催されたヒストリックカー・イベント「20世紀ミーティング2026年春季」は、新旧さまざまな名車が集結する、ゆったりとした催しだ。当日は2輪4輪あわせて150台ほどの参加車両が広い会場を埋め尽くしたが、新旧軽自動車のエントリーも少なくない。

とくに360cc時代の軽自動車はその小さなサイズやシンプルなメカニズムなどから、オーナー自らが手を汚してメンテナンスやレストアを行っている場合も多いようだ。今回このイベントにスズキ ジムニーで参加していた“ぶんちゃん”さんもその例に漏れない。

「年式は1972年、空冷2スト360ccの初代ジムニーです」

1972年式で空冷2ストローク360ccエンジンを搭載しているということは、同年5月に水冷エンジン化された「LJ20型」へと移行する直前に生産された、初代「LJ10型」の最終仕様である可能性が高い。軽自動車枠のなかで本格的な悪路走破性を追求した、歴史的にも非常に貴重な個体だ。

前オーナーから受け継いだレストア車を自らアップデートして好調を維持する

前のオーナーはこのジムニーをかなり実用的に使っていたとのことで、シャシー周りを覗き込むと、凹んだり直したりした跡が残っている。しかし同時にメンテナンスもきちんと手掛け、最終的には本格的なレストアまで行ったという前オーナーから、5年ほど前に現在の状態近くまで仕上がった個体を譲り受けた。

「オリジナルのヘッドライトは光量不足で車検が通らなかったので最近の明るいものに交換したり、排気チャンバーやショックアブソーバーも別のものに交換しています。室内にはタコメーターなども増設しています」

パーツも少ない半世紀以上前の軽自動車を良好なコンディションに保つ工夫は欠かさない。これにより、高速道路での80km/h〜90km/h巡航もこなすという。

虚飾を排した簡素な成り立ちに初代ジムニーならではの機能美を感じる

「最近は地元新潟界隈で旧車イベントに参加するのがメインの使い方になってきました」

“ぶんちゃん”さんは、このジムニー以外にもダイハツ「フェローマックス」も所有しているというから、旧い軽自動車に対する情熱は並みではない。

360cc時代の国産軽自動車は、現代のそれとは比較にならないほど小さくシンプルだが、そのなかでもさらに簡素な成り立ちのスズキの軽オフローダーである初代ジムニーの虚飾を排した清々しいまでの成り立ちは、まさに機能美の塊だ。またどこかのイベントでお目にかかれる日を楽しみにしている。

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

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