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フェラーリのエンジンを搭載した「4ドアセダン」があった! マセラティ「クアトロポルテ」は誕生60周年【後編】

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: Maserati S.p.A.

60年・6代にわたる名跡クアトロポルテ

この2023年も、自動車史上に冠たる名作、あるいはエンスージアストの記憶に残るクルマたちが、記念すべき節目の年を迎えることになる。近年では、とくに長い歴史を誇るブランドは「〇〇周年」のアニバーサリーイヤーをメーカーや愛好家グループによって大々的に祝賀する事例が多くなっているようだが、AMWでも偉大な名車たちに想いを馳せつつ、それぞれのモデルヒストリーを辿ることにした。

今回は、初代のデビューから60周年を迎えるマセラティ「クアトロポルテ」全6代のうち、くしくも今年がデビュー20周年となった5代目、および10周年となる6代目=現行モデルを含む、近現代の3世代をご紹介させていただきたい。

4代目(1994~2002年) ウェッジシェイプの4ドアスーパーカー

1994年末に誕生した4代目クアトロポルテは、クアトロポルテとしては先代にあたる「ロイヤル」と、マセラティとしてはコンパクトな量産セダン「430」双方の後継車。つまりは当時のマセラティの台所事情から誕生したモデルながら、長らく育まれてきたクアトロポルテの伝説の継承を目指していた。

ボディは、スーパーカーデザイナーとしてキャリアの頂点を究めていた時期のマルチェッロ・ガンディーニの作。マセラティ・クアトロポルテでは2代目も手がけていた鬼才のデザインは、強烈なウェッジシェイプをエレガントに昇華させたプロポーションから、斜めにカットしたリアタイアハウスに至るまで、アグレッシブながら同時に独特の艶と品格を併せ持つ。

そしてパワーユニットは、2代目「ギブリ」用と同じV型6気筒・4カムシャフト24Vツインターボエンジンが搭載されるが、IHI製のターボチャージャー2基と当時最新のチューニングが施され、輸出向け2.8Lでも初代クアトロポルテを凌駕する285ps。2Lながらかえってチューンの高いイタリア国内仕様では306psものパワーを獲得していた。

また1997年には、「シャマル」用をベースに大規模なモディファイを施し、326psを発揮するV8ツインターボを組み合わせた「クアトロポルテV8」も追加。ともに4ドアサルーンの皮こそ被っているが、スーパーカーとしての資質も充分に備えてゆく。

そして、初代および3代目クアトロポルテの名跡を受け継ぐに相応しいモデルであることが、ファンの間でも認知されることになったのだ。

5代目(2003~13年) フェラーリとのコラボで完全復活

1960年代の元祖マセラティ・クアトロポルテを21世紀の解釈で再現すべく開発されたのが、今から20年前となる2003年に誕生した5代目クアトロポルテ。その野望は、完全に達成されたとみて間違いあるまい。

名門ピニンファリーナのデザインによるボディは豊満でダイナミックなものながら、現代のクルマには望めない大人の上品さも感じさせる。また、インテリアも60年代のマセラティを思わせる、節度のある豪華さを堂々と演出していた。

しかしこのモデルの真骨頂は、同時代の超高級セダンたちとは一線を画した、スーパースポーツ的なキャラクターにこそあると考えられる。

4.2LのV型8気筒4カムシャフト32Vのエンジンは、この時代にアライアンスを組んでいたフェラーリが開発と生産を担当し、400psのパワーと豪快なサウンドを発生。トランスアクスルに配置された(のちに追加されたトルコン式ATバージョンをのぞく)ATモードつきシーケンシャルMT「デュオセレクト」が組み合わされた。

いっぽう、ボディサイズはコンパクトにまとめられていた先代から比較すると格段に大型化されたものの、豊満なボディサイズを感じさせないシャープなハンドリングも相まって、同時代のスーパースポーツに匹敵する4ドアプレステージカーとなった。

2008年に登場した後期型では、4.7L・430psの「S」、4.7L・440psを搭載する「スポーツGTS」も追加されるなど、初代クアトロポルテで構築された4ドアスーパーカーという世界観が完全復活。さらなる進化を果たしたのだ。

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