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スカイライン「R33 GT−R」で筑波1分切り! 二度手間のないユーザーフレンドリーなチューニングが「スリーエイチ」のモットーです

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TEXT: 増田高志  PHOTO: GT-R Magazine

先まわりしたモディファイで効率よく高い効果を発揮

主な仕様はN1ブロックにHKSの2.8Lキットを組み込む。カムシャフトはIN/EX共にHKSの264度。ターボはGT2530の2機掛けでマフラーはオリジナルだ。制御はZ32エアフロを使ったコンピュータの書き換えである。インジェクターはサードの700㏄でフューエルポンプはHKS製。冷却系はトラストのインタークーラーとHKSのオイルクーラーを活用していた。

サスペンションはオーリンズでブレーキはフロントがブレンボF50に350φローター。リアは純正キャリパーにV36スカイライン純正の350φローターを組み合わせていた。エアロはオートセレクトのフロントカナードとボルテックスのGTウイング。ホイールはTE37の10.5J×18でタイヤはヨコハマ アドバンA050の265/35R18だ。これで59秒3を叩き出した。パワーはブースト1.5kg/cm2で約600psとそれほど大きくはない。

このR33挑戦は苦労の連続だった。お店のオープン当初から挑戦を始め、1分3秒までは1年ほどで短縮していった。オーナーはごく普通のサラリーマンなのでお金も時間もそれほど掛けられない。そんな条件の中、小さなことも見逃さずに対処していった。

しかし、その先に進めない。それまで2.6Lだったエンジンを2.8Lにしてもタイムはいまひとつ。1分1秒ぐらいまでには詰め寄ったが、そこからは一向に縮まらない。

藁にもすがる気持ちでOS技研の3速クロスミッションを導入。わずかながらタイムの変化を確認した。確かにそれまでギア比はノーマークだった。さらにファイナルを4.1から、よりローギアードの4.3に変えてみる。するとさらに手応えを実感。その勢いを萎えさせないように今度はアライメントを煮詰める。最終的にはフロントキャンバーを4度ぐらい寝かせた状態で、念願の1分切りが達成できたのだ。

振り返れば1分1秒から59秒3をマークするまでに5年近くも費やしていた。考える時間をたっぷりと与えてくれたと同時に、ずっと信頼して任せてくれたオーナーには感謝しきれないと廣瀬代表。

この体験からトータルバランスの重要性を再認識。メンテナンスの延長のチューニングに、より積極的となったのもこのクルマを経験してからだ。

長く乗れることを意識したメニューを提案

チューニングに興味のあるユーザーにはエンジンオーバーホール時にはブロックの交換を推奨している。この先リフレッシュして楽しもうというときにせっかく組んだエンジンのブロック内部にクラックが入って水とオイルが混ざってしまったら、再度オーバーホールをしなければならない。クラック発生の予測は不可能なので、最初からニスモのヘリテージパーツである標準ブロックを使うべきだ。それで800psくらいまでなら対応可能。1000psオーバーにも耐えるN1用もあるが値段が倍以上するので標準で十分だ。

ピストンは1mmオーバーサイズの鍛造品がいい。これで排気量は2.7Lになる。それにH断面コンロッドを組み合わせる。ターボは500psまでならニスモR3が最強だ。以前のR1ターボから進化してピークパワーは変わらないものの、ブーストの立ち上がりがよくなって低速域から威力を発揮する。

600psまで欲しいユーザーにはやや下がないが、パンチがあるトラストのT517Zを推奨。ブーストが掛かった時の暴力的な加速力は圧巻だ。バランス重視のユーザーには、パンチはT517Zに劣るものの下があって上質に高回転までパワーを絞り出すGCGのGT2860Rを勧めている。

トラストのタービン

大前提としてユーザーが主役であり、その主役の希望に寄り添うことに注力する。ネックとなるのは費用だ。ユーザーには予算があり、その条件下で対応しなければならない。そこが廣瀬代表の腕の見せどころだ。

極力無駄をなくすこと。その要が二度手間にならないように先まわりしたモディファイだ。エンジンブロックの交換しかり、廣瀬代表が積極的に使う鍛造ピストンも、その時には必要なくてもリセス入りにこだわる。今後、激しいハイリフトのカムを使いたくなった場合にヘッドを開ける必要がないからだ。

1歩先を見据えた対応こそがスリーエイチの人気の秘密である。ユーザーのあらゆる負担を軽減させる気配りはR33が教えてくれた。

(この記事は2022年4月1日発売のGT-R Magazine 164号に掲載した記事を元に再編集しています)

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