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フィアット「ドブロ」の走りは意外とスポーティ! ルノー「カングー」のライバルとして申し分ない仕上がりです

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TEXT: 藤野太一(FUJINO Taichi)  PHOTO: Stellantisジャパン

意外なほどイタリア車らしいスポーティな走り

パワートレインは、ベース車とマキシとも共通のもの。最高出力130ps/最大トルク300Nmを発揮する1.5Lのディーゼルターボエンジンに8速ATを組み合わせている。1750rpmで最大トルクを発揮するこのエンジンは、ベース車1560kg、マキシ1660kgの車重をものともせず軽快に走らせる。

コーナリング時には、ロール少なくノーズが向きを変える。とくに5人乗りはその傾向が強く、マキシは少しロール量が増えるものの基本的な印象はかわらない。8速ATはリズミカルにシフトアップし、コーナーでブレーキを踏み込むようなシーンでは、控えめにブリッピングしながら小気味よくシフトダウンしてくれる。さらにATにはマニュアルモードとパドルシフトも備わっているので、もっと積極的に走ることも可能。ブレーキもファーストタッチからしっかりと効くフィーリングだ。MPVなんだけれど、意外なほどにスポーティな味付けになっているところがイタリア車らしくて微笑ましい。

ドブロは3姉妹の中でもっともシンプルで廉価な設定だが、必要なものはほぼ揃っている点も魅力だ。アダプティブクルーズコントロールやレーンキーピングアシスト、オートハイビームといったADAS(先進運転支援システム)も、バックで駐車する際に俯瞰の映像が見えるリアパーキングカメラなども標準装備する。

それでいて、ベース車が399万円(消費税込)、7人乗りのマキシが429万円(消費税込)というリーズナブルな設定なので、国産ミニバンとも十分に比較の俎上にのる。ハイブリッドや電動スライドドアがないなど、そういった機能面では劣るけれど、シンプルで使い勝手がよくて飽きのこないツールが欲しい、そんなニーズにはぴったりの1台だ。

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