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ポルシェ991後期型「911GT3」の中古価格差はなぜ大きい? 還暦前オヤジの「相場価格差」研究編【役物911長期レポ】

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TEXT: 為出 元基(TAMEIDE Motoki)  PHOTO: Porsche AG

乗れるうちに乗っておきたい「羽根付きポルシェ」!

トラベル系コンテンツディレクターとして糊口をしのぐ筆者が、齢60を前にしてドライブ旅行やスポーツ走行にも挑戦したいという想いから、憧れだった羽根付き「ポルシェ911」の購入を決意。経済的にも体力的にも限界にきている(?)アラカンのシニアにポルシェは翼を授けるのか? 今回は、当時のオプションアイテムにも触れながら、バイヤーズガイドっぽいノリ、いやボヤキでレポートします。

991後期型GT3のタマは増えたが価格は下がらず……

時は2022年晩秋。991後期型の「911GT3」は、それまでだいたい10~15台くらいは国内で流通していた。多くが走行距離1万km以下という、いわばバリもので、価格はまず2000万円以上だ。2018年の新車当時はベースで2115万円だったから、販売から6年も経つというのにほとんど変わっていない。昨今の社会環境から中古車相場は高めの傾向が続いていたとはいえ、改めてその価格設定に驚かざるを得ない。そういえば、いつかメインカー的に欲しいと思っている軽トラのスバル「サンバー4WD」(独立懸架で911と同じRR!)、とくに6代目もなんだか不当ともいえるほど高くなっている。なんでこんな世の中になってしまったんだ! と嘆くばかり。

さて、2023年3月以降は、年度も替わり入れ替え需要もあるせいか、流通量は少しづつ増えてきてはいた。でも価格は半年前と状況に変化はなく、後期型GT3はだいたい2000~2600万円がその相場。それにしても価格に大幅な値の開きがある。開きの差は年式や走行距離の多寡、PDKとMTの違いもあるが、高年式のポルシェの場合、オプション装備の内容も中古市場価格に反映されていることが大きいようだ。

とくに有償ボディカラーや911ターボ並みのフルレザー仕様、軽さや制動力といった性能だけでなく、ステータス的な意味をも持つPCCB(ポルシェ セラミックコンポジット ブレーキ)の有無で、価格は随分と変動する傾向がある。

その仕様の差はあれ、結局、物件のほとんどが2000万円超えだ。しかし、991GT3、とくに後期型は前回お伝えした通り生産台数も多く、歴代モデルからしたら希少性はさほどないモデルである。だからそのうち市場にもタマ数が出回り、価格も減少してくれるのではないか? など、淡い期待を寄せてしまうのだが、いまのところは一向に下がる気配はない。そもそもアラカンのおっさんには、値下がりを待つ時間はもはやないのだが。

価格の開きはオプション装備の差か?

参考までに、以下に991GT3後期型の新車当時の主なオプションアイテムを書き記してみた。価格は当時のものだ。「これくらいの値段のものが付いている」という目安になればということで、購入を検討されている方の参考になれば幸甚であります。なお991 GT3後期型はオーダー時にPDKもMTも無償で選べ、クラブスポーツパッケージ(スポーツバケットシート、ロールケージ、運転席用6点式シートベルトなど)も無償で選択できた。

■991 GT3後期型用の主なオプションアイテムリスト(2018年当時の価格、消費税込)】

【外装関係】
・エクステリアカラー:メタリックカラー 21万4000円/スペシャルカラー(クレヨン) 64万9000円
・ペイントホイール(シルクグロス)18万4000円
・PDLS(ポルシェ・ダイナミック・ライトシステム) 12万8000円
・LEDヘッドライト(PDLS+付) 47万1000円
・LEDメインブラックヘッドライト(PDLS+付) 58万3000円

【シャシー・ブレーキ等関係】
・PCCB(ポルシェ セラミック コンポジット ブレーキ) 166万8000円
・フロントアクセル・リフトシステム 41万1000円
・スポーツクロノパッケージ 8万7000円

【内装関係】
・ブラック レザーインテリアパッケージ(レザー×アルカンターラシート) 55万1000円
・レザーインテリアパッケージ・レッドステッチ 21万4000円
・カーボンインテリアパッケージ 12万9000円
・ステアリングコラムレザー仕上げ 6万円
・フルバケットシート(通称918シート。CS用とは別もの) 85万4000円
・ステアリングセンターマーカー(赤) 4万4000円
・アルカンターラサンバイザー 7万5000円
・カラーメーター(ホワイト) 10万7000円
・カラークロノダイアル(ホワイト) 4万5000円
・フロントウインドウ・グレーティント 2万1000円
・プライバシーガラス 10万円
・プライバシーガラス(リアのみ) 6万4000円
・リバーシングカメラ 11万9000円
・カラーシートベルト(赤) 4万8000円
・自動防眩ミラー 10万円
・BOSEサラウンドサウンドシステム 25万8000円
・アルミルック燃料キャップ 2万4000円
・スモーカーパッケージ 1万円
・フロアマット 2万円

自分で書き出して、びっくりしたのは各オプションの価格だ。ステアリングのマーカーだけで4万4000円もしている! しかも、付いてるといいなーと思っていた918タイプのフルバケットシートの値段もえらく高い! パフォーマンスや見た目にも直結するPCCBの価格が、安く思えてくる値付けだ。もっともシートは車とカラダをつなぐ大切なパーツである。その開発コストを含め、ドライカーボンシェル、上下電動というのがキモで高いのだろう。でも、かつて964型「カレラRS」のレカロシートだって約18万ほどだったのに……。その時代から劇的にシートが進化しているようにも思えないだけに、おっさんはその値付けに驚くのだった。

昔は良かったと嘆いても仕方ないけれど、その時代時代の経済状況、例えばインフレなのに964RSが登場した1992年の平均給与水準を超えていないという、いまの日本の姿を鑑みる(悲しすぎる)に、高く感じるのは当然とはいえ、新車の車体価格に対するパーセンテージとしてみても、驚くほど強気のオプションパーツ価格である。

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