ハタチの頃から9年間ずっと愛用、スノーボードも180SXで!
2023年8月11日に富士スピードウェイで行われた「FUELFEST JAPAN TOKYO」には2000台を超える多彩なカスタムカーたちが一堂に会した。映画『ワイルド・スピード』シリーズと縁の深いこのイベントではアメリカンなカスタマイズがされた車両も多かったが、今回は「これぞ日本の走り屋スタイル」といった風情の日産「180SX」を紹介しよう。
相棒は1996年式の180SXタイプXニスモ
90年代の走り屋を思い出させるスタイルでまとめ上げられた180SXのオーナーであるイシグロさんは、なんと20代の若手オーナーだ。20歳の時にこの180SXを入手してから、29歳の今日までずっとこの180SXひと筋だ。走行7万kmで購入した1996年式のこの個体は現在16万kmとなっている。スノーボードだって180SXで行くほどお気に入りなのだそうだ。
グレードは希少なタイプXニスモ。ノーマル状態では上級グレードとなるタイプXをベースにサイドシルプロテクターやリアアンダースポイラーといった専用の外装パーツ、ストラットタワーバーやスポーツマフラーといった専用のパフォーマンスパーツが特別装備として装着されていた。
父が隠し持っていた1台を入手
イシグロさんが幼少期のころ、「スカイライン ジャパン」などに乗っていた父の影響でクルマが好きになり、中学時代からクルマ熱が高まり90年代の走り屋スタイルに憧れを持ったそうだ。そんなイシグロさんはハッチバック&リトラクタブルヘッドライトというスタイリングのクルマに憧れを持っていたそうだが、この180SXはクルマ好きのきっかけとなった父から譲ってもらったそうだ。
そういった話はこの手のオーナー取材ではよくある話かもしれないが、じつはこの個体は父が隠し持っていた1台だったとのこと。他にも父はクルマを隠し持っているそうで、「父が乗らないならば」と手を上げてイシグロさんのマイカーになった。
当時の走り屋スタイルを意識して
90年代の走り屋スタイルに憧れたということもあり、当時感を重視したカスタマイズが施されている。当時の走り屋の定番と言える、俗に言う湾岸ウイングスタイルのリアウイングとフロントリップはDスピード製だ。また、アドバンレーシングホイールのONIも時代を感じさせる雰囲気が出るアイテムだ。
リンクサーキットやエビスサーキットなどでサーキット走行も楽しむイシグロさんは、パフォーマンスチューニングも忘れてない。ブレーキや足まわりを強化しているほか、パワーチューニングも施している。エキゾーストマニホールドの変更やハイカムを導入し、「パルサーGTI-R」のタービンを流用して適度なパワーアップが図られている。
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これ以上大きな変更は加える予定はないとのことで、部品を集めつつ現状維持で180SXとのカーライフを楽しんでいくそうだ。部品はとくに電装系で出てこないパーツが増えてきているとのこと。しかし、首都高速で水漏れを経験し、応急処置で無事帰還を果たした根性のあるイシグロさんならば、電装系のパーツが少ないくらいのことは些細な心配かもしれない。