1オーナーで30年間、ディーラーでメンテナンスを続ける
畑迫さんが5ドアハッチバックを好きな理由は、「等身大で使えるクルマ」だから。セダンのように居室と荷室が完全に区分けされているわけではないので、状況により積載優先で荷物を多く載せることも可能。もちろん、大人4人が乗車するには何も問題なし。日常使いには充分過ぎるほどの実用性の高さが魅力なのだ。しかも、畑迫さんはこのファミリアアスティナしか所有していない。つまり趣味グルマなのではなく、メインカーとして30年間乗り続けていることになる。
そのため、経年劣化により傷んだ様々な部位をディーラーで交換整備しながら、今に至っている。ちなみに交換した主要箇所は、プラグケーブル、サスペンション、コンプレッサー、ECU、エンジンマウント、スピーカーやシートなど。完全純正品にこだわらず、パーツ選びはコストパフォーマンスを重視して、積極的に社外品も活用する。さらには、トランスミッションのオーバーホール、ファミリアのグレードにあったインタープレー用パフォーマンスロッド追加といった作業とともに、入手していたスペアエンジンへ、エンジンのローテーション目的で乗せ換えという作業も実施していることに驚かされる。
「長く乗っていれば故障は当たり前ですから。不具合が出るのも、このアスティナの可愛らしさのひとつだと割り切っています。私は完璧主義者じゃないので、そういう部分も含めてこのクルマのすべてが好きです」
外装類も再塗装などは一切せずに、当時のまま。ぶつけて傷がついた際に鈑金修理などはしているが、ルーフパネルなどもそのまま活用。ひとりのオーナーによって、30年もの長期に渡り愛されてきたその歴史の証が、このマツダ「ファミリアアスティナ」から滲み出ていた。