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なぜキャディラックを地面に突き刺した? 落書きスプレーは「違法」ではなく「推奨」されてるのでご安心を【ルート66旅_22】

なぜキャディラックを地面に突き刺した? 落書きスプレーは「違法」ではなく「推奨」されてるのでご安心を【ルート66旅_22】

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭

  • キャデラック・ランチへはカギのかかっていない回転式ゲートを押し開けて入る。インターステートからも分かりやすいので見過ごす可能性は少ないはず
  • 天気のいい昼間はテーマパークと見間違えるほど人が多い。人口19万という規模の都市、アマリロが近い影響もあるのだろう
  • 毎日のように缶スプレーで上塗りされるため、行くたびに違う写真が撮影できるのも楽しい。たまに日本語の落書きも見かける
  • クリスマス近くに訪れたとき。昼間はかなり暖かく季節感はまったくないが、キャデラックに粋なメッセージが書かれていた
  • 規模は小さいし知名度も決して高くはないけど、個人的にキャデラック・ランチと優劣をつけ難いほど好きなのがバグ・ランチ
  • 正式な名称は「スラッグ・バグ・ランチ」というらしい。てっきりカブトムシだと思っていたら、まさかのナメクジだったとは
  • かつて賑わっていたであろう痕跡。フィリップス66のガスステーションも、それなりに大きいギフトショップも完全な廃墟だ
  • ガラスの破片や腐食した床に注意しながら建物のなかへ入ってみた。こんなに落書きが多いということは人もそこそこ来ている?
  • 建物から廃墟と化したガスステーションとクラシックカーの残骸を眺める。聞こえるのはインターステートを走るクルマの音だけ
  • いつの間にか増えていた井戸っぽいオブジェと立て看板。こういった変化を写真に収めていくのもルート66を走る醍醐味なのだ
  • アマリロに定宿があるのでバグ・ランチの撮影は昼間だけ。次はここの隣にあるモーテルに泊まって夕方や夜の姿を見てみたい
  • 夕暮れが迫るキャデラック・ランチ。地元と思われる少年少女が自転車で遊びに来ていた。近所の公園みたいな感覚なのだろう
  • 缶スプレーの塗装は定期的に落とされるらしい。まだ私は目にしたことがないけど、無垢なキャデラック・ランチも見てみたい
  • 地面に突き刺さる10台のキャデラックはまさに圧巻。色とりどりの缶スプレーによる落書きはマナー違反じゃなく「推奨」だ

地面から生えたキャデラックとビートル!? ルート66を代表する人気スポットを訪ねる

広大なアメリカを東西2347マイル(3755km)にわたって結ぶ旧国道「ルート66」をこれまで5回往復した経験をもつ筆者が、ルート66の魅力を紹介しながらバーチャル・トリップへご案内。シカゴを出発して西に向かい、イリノイ州からミズーリ州、カンザス州、オクラホマ州を通って、テキサス州へ。今回はシュールな風景で有名な「キャデラック・ランチ」を訪れてみます。

クラシックなキャデラックがニョキニョキ並ぶ珍風景

全長3755kmのマザー・ロードには、有名なアイコンが星の数ほど存在する。いずれも甲乙つけがたい魅力やエピソードを持っているが、トップクラスの知名度を誇るスポットといえばここだろう。ルート66の中間地点からほんの少しだけ東、アマリロ郊外にあるキャデラック・ランチ(Cadillac Ranch)。映画『カーズ』ではクルマの形をした岩山として登場し、ブルース・スプリングスティーンも同名の曲を歌っている。

この「ランチ」はスペルを見れば分かるとおり、昼食(Lunch)ではなく牧場(Ranch)を指す。そう言われても「キャデラックの牧場?」と、ますます意味が分からなくなるかもしれない。

というわけで解説を読む前に画像を見てほしい。1940~1960年代に生産された10台のキャデラックが、地面から生えたかのように車体の半分を埋められている。だから「牧場」というワケなのだ。世界でも指折りの高級車を惜しげもなくオブジェにしたのは誰で、果たして製作者のどんな意図が込められているのだろうか。

缶スプレーで思いっきり落書きしてしまってOK

キャデラック・ランチはアマリロで産出する天然ガスの事業で財をなした、スタンレー・マーシュ3世なる人物が支援するアーティストのグループにより、1974年に現在よりもう少しだけアマリロ寄りの場所に作られ1997年に移設。ガソリンを撒き散らすかのような当時のアメ車に対するアンチテーゼなのか、スポンサーから援助を受け奇抜なオブジェを作りたかったのかは分からないが、50年が過ぎようとしている現在も毎日のように世界中から観光客が訪れている。

もうひとつ気になるのは元の色が分からないほどの落書き。近年の日本でも問題になっている観光被害かと思いきや、なんと缶スプレーでの落書きが「推奨」されているのだ。名前や恋人へのメッセージを書く人もいれば、ストレス発散とばかりに色を塗りまくる人も。缶スプレーはそこらじゅうに落ちているので、もし持って行くのを忘れても焦る必要はない。

ちなみにキャデラック・ランチは入場料もなければ管理人もおらず、目の前を走っているインターステートの側道に駐車することになる。明るい時間帯は観光客がたくさんいるため犯罪に遭う心配は少ないと思われるが、夜間や夜明けに訪れるときは「ここは日本じゃない」との認識を忘れずに。

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