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ボルボ新型「EX30」に試乗! 使えるワンペダルに「ベントレー」と「ブラックベリー」が隠し味で559万円はお買い得です

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TEXT: 南陽一浩(NANYO Kazuhiro)  PHOTO: ボルボ・カー・ジャパン

  • デジタル風味になったトールハンマー型ヘッドライトを備えたグリルレスのフロントマスクや、上下2段のリアコンビランプなど個性的なエクステリア
  • 充実の先進安全装備を装備。新型の装備は都市部において乗員と周囲の人の双方を守ることに注力されており、ドア・オープニング・アラートなどが新採用されている
  • スポーク部に各種機能を操作するスイッチが備わる、スクエアデザインのステアリング
  • インテリアには、ブリーズとミストと呼ばれる2種類のコーディネートを用意
  • ラゲッジ容量は318L。ボンネット内にも収納スペースを備えている
  • ステアリング右側にシフトレバーを配置。ちなみに、センターコンソールのスイッチ類はサイドウインドウの開閉ボタンのみ
  • サウンドバーは5つのスピーカーをひとつのコンポーネントにまとめ、ダッシュボード上部に配置
  • PVC製の窓枠など廃棄物を粉砕したリサイクル素材を用いた「ブリーズ」のダッシュボード
  • 充電前にバッテリーを充電に最適な温度にするプレコンディショニング機能が備わっており、これにより充電速度や効率を向上させる
  • 最高出力272ps/最大トルク343Nmのモーターに、69kWhの駆動用NMCバッテリーを搭載。一充電走行距離は560kmとされた
  • センターディスプレイに機能を集約したため、スイッチ類がほとんどないすっきりしたインテリアに
  • 日本ではまず、モーター1基で後輪を駆動させる「EX30 ウルトラ シングルモーター エクステンデッドレンジ」を導入。価格は559万円(消費税込)となる

サステナブルなコンパクトSUV

環境負荷低減にも取り組んだ、ボルボ史上もっとも小さなBEVとなる「EX30」。リサイクル/バイオ素材を最大限に活用した内外装や、メーター表示を含めたほとんどの機能をセンターディスプレイに集約したインテリアなど、個性的なコンパクトSUVにひと足早く試乗してきました。

これまでの高級車が古くさく思えるモダンインテリア

CO2を吐き出すことが悪魔の所業のようにいわれ、カーボンニュートラル化が免罪符のように扱われて久しい昨今、欧州は宗教改革の様相を呈してきた。電動化シフトは待ったなし、であることは間違いないが、20XX年までにICE全廃すべしとか、BEVだけが唯一の解といった待望論は、後退し始めた。つまりBEVはまだまだ普及モードで、改良・改善の余地があるのも事実。

そもそもアンチを増やしてしまった従来BEVの致命的な点は、トラック並かそれ以上に重量級かつ巨躯で、イカつくて恐い系のフロントマスクも少なからず。つまり、佇まいレベルでも機械式駐車場への不適合ぶりでも生活圏インフラへのアタック性は強いのに、CO2さえ吐かなければオッケーとばかり最先端かつクリーンな顔ができる、そんな偽善性に尽きる。

こうしてBEVを巡って、意識高い系もアンチも入り交じる賛否両論のカオスの中、こんがらがったコンテクストに手際よく横串を刺しつつ、一段インテリジェントな解にまでまとめ上げた最新の1台が、ボルボEX30といえるだろう。

プラットフォームは中国のジーリーと共通のSEA(サステイナブル・エクスペリエンス・アーキテクチャ)で、開発リソースをまとめながら効率的に生産。何よりEX30は、エクステリアではスチールとプラスチックの約17%、アルミの約25%がリサイクル起源で、インテリアのプラスチック類も約30%がリサイクル素材で占められている。それもこれも、ユーザーが乗って走らせている間だけでなく、原料の調達から将来的な廃車・回収からのプロセスも鑑みて、可能な限り環境に対するカーボンフットプリントを下げられる設計を優先したBEVなのだ。

ベントレーから移籍したデザイナーが手がけた

乗り込んで感じられるのは、「意識の高さ」より「見識の高さ」が際立って感じられる内装であること。ペットボトル由来のポリエステルを用いたファブリックや人工皮革風の素材によるコンビシート、窓枠サッシを砕いて再生された加飾パネル、漁網から再生されたフロアマットに、廃デニム材をリユースしたパネルやマットなど、再生素材やリサイクル可能な素材をふんだんに用いている。それでいて、柔らかく温かな雰囲気の北欧テイストは失われておらず、これまでの高級車にあったようなレザー・ウッド・クロームモールといった組み合わせが、一気に古いものに思えてくる。

驚くのは、いわゆるメーターパネルがないこと。12.3インチのセンターディスプレイに選択中のシフト表示とか、バッテリー残量といった走行情報も集約されている。速度など走行情報の表示もセンターディスプレイ上部にまとめられた。これは配線ハーネスの量を減らすための方策で、オーディオのスピーカーもたしかにドア内スピーカーなどはなく、ダッシュボード奥にハーマン・カードンのサウンドバーが備わっている。

それでいて、ドアオープナーはアルミ製だったり、センターコンソールまわりの収納は明らかにICEより広く、2段階に引き出して1人用/2人用と使い分けられるドリンクホルダーなど、造りも節度感も申し分ない。また後席側から取り出せるダストボックスには、側面の成型モールが森とトナカイという自然豊かなモチーフのイラストになっていて可愛らしい。機能面でも使い勝手でも妥協がないのに、シンプルで要素を極端に減らしたこのインテリア、じつは英国人でベントレーから移籍してきたデザインチーフが手がけたと聞いて、さらに驚いた。

いってみれば、新興メーカー勢の「クルマ未満」のようなBEVの内装と違って、既存の自動車メーカーがBEVの時代に「自動車」を再定義しつつ見つめ直した、そういう練り込まれ方のインテリアだ。「小さな高級車」の超モダン解釈、でも乗り手の神経を逆撫でしない優しさに満ちているところが好ましい。

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