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いざ「世界の果て」の風景へ!「ミューリー・ポイント」は往復で1日かけるだけの価値は十分にアリです【ルート66旅_32】

いざ「世界の果て」の風景へ!「ミューリー・ポイント」は往復で1日かけるだけの価値は十分にアリです【ルート66旅_32】

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭

人知から遠く離れた「世界の果て」の風景

道の終わりがすなわちミューリー・ポイントで、駐車場もなければビジターセンターもない。私が行ったのはオフシーズンだったこともあり、文字どおりひとっ子ひとりいない状況だった。

クルマを停めて大きな岩の上を歩いて眺望が開けたときの衝撃は、初めて訪れて10年ほどが経過した現在も鮮烈に記憶している。グランドキャニオンやキャニオンランズとはまた違う大峡谷、遙か遠くに見えるナバホ族の聖地モニュメント・バレーのビュート、そして人間どころか動物の気配すら皆無で風の音しか聞こえない寂しさ。

陳腐な表現かもしれないが「世界の果て」があるとすれば、ミューリー・ポイントがまさにそれじゃないかと思ってしまうほどだ。感動よりも「畏怖」という表現のほうが、この雰囲気には適しているかもしれない。

柵も監視カメラもなく管理する人もおらず、転落しても発見されることすら難しそう。私よりはるかにアメリカに精通している件の大先輩が、ルート66を外れてでも行くべきと教えてくれた理由を、視覚だけじゃなく心も含め全身全霊で感じることができた。

しばらく写真を撮るのも忘れて座り込み、太陽が傾きかけたころ我に帰って撤収。後ろ髪を引かれる思いは強かったが、あの道を暗闇のなか下るのは恐怖でしかない。モキ・ダグウェイを抜けて舗装路に出たときは、あの世から現世へ引き戻されたような気分だった。

ミューリー・ポイントという存在を教えてくれた大先輩は、病のため残念ながら2018年に亡くなってしまったが、今も画像を見るたび交わした会話や人柄のよさを思い出す。コロナ禍でアメリカの旅を中断してから早くも丸4年、次は久々にミューリー・ポイントへも足を運んでみたい。

■「ルート66旅」連載記事一覧はこちら

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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