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460万キロ走破した個体も! メルセデス・ベンツの初代コンパクトシリーズ「W114/W115」は質実剛健なファミリーカーでした

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TEXT: 妻谷裕二(TSUMATANI Hiroji)  PHOTO: メルセデス・ベンツAG/ウエスタン自動車/妻谷コレクション

  • W114
  • 戦後1946年以来、200万台目に達した記念すべきW115の220Dは1968年5月9日にジンデルフィンゲン工場をロールアウトした
  • コンパクト・メルセデスW114/115の出荷前の厳しい最終チェック
  • ファミリーカーとしてのコンパクト・メルセデスであるW114/115セダン
  • ファミリーカーとしてのコンパクト・メルセデスであるW114/115セダン
  • ファミリーカーとしてのコンパクト・メルセデスであるW114/115セダン
  • コンパクト・メルセデスのW114クーペ
  • ステアリングホイールは大径でしかもパワーアシスト付きで操作がしやすい。人間工学的に設計された計器類は見やすい位置に配置
  • 効果的なヒータ-と換気装置は暖冷両エアーを上下左右に配給。上側には大型のフレッシュエアーダクトがある
  • バケットシートのバックレストはフルリクライニング調整装置付き(ダイヤル式)
  • 写真上=フロントはダブルウィシュボーン、写真下=リアはメルセデス・ベンツのダイアゴナル・スウィングアクスル
  • 貴重な240D/300Dのディーゼルポスター。ディーゼルの特徴を手書き説明している
  • ギリシャのタクシードライバーであるサキニディスさんはエンジンを延べ11回も載せ替えを行ったものの、1台の車両で累計走行距離が460万kmを走破した
  • ギリシャのタクシードライバーであるサキニディスさんはエンジンを延べ11回も載せ替えを行ったものの、1台の車両で累計走行距離が460万kmを走破した
  • ギリシャのタクシードライバーであるサキニディスさんはエンジンを延べ11回も載せ替えを行ったものの、1台の車両で累計走行距離が460万kmを走破した。写真は感謝式典時に展示された車両
  • W114の230/250カタログ(1976年ウエスタン自動車製作)
  • W114の280/280CEカタログ(1976年ウエスタン自動車製作)
  • メルセデス・ベンツのニュージェネレーションモデルが1968年1月9日~10日にジンデルフィンゲンで発表。左壇上の開発責任者であるハンス・シェレンベルク博士が発表している。写真は右から220D(W115)、280S(W108)、250(W114)
  • ボディはコンパクトでもシートは身体を充分に包んでくれるサイズが確保され、あくまでもファミリーカーとして乗員を温かく歓迎する雰囲気のキャビンで安心感がある
  • ファミリーカーとしてのコンパクト・メルセデスであるW114/115セダン

コンパクトメルセデス最初のモデル

今回はメルセデス・ベンツの史上で初代コンパクトシリーズとして、モダンでファミリー層の人気を博したW114/115を紹介します。1972年にヤナセへ入社した筆者自身が毎朝洗車した愛着があり、質実剛健なクルマ造りに感銘を受けたメルセデス・ベンツの車両でもあるのです。

運転が苦手な人でも扱いやすかった

1968年、「ニュージェネレーション」のタイトルで登場したのが、初代コンパクトシリーズのW114/115である。特に1968年に発表されたので、stroke8(ストローク8)と呼ばれて親しまれ、縦目のヘッドライトが特徴だ。W114は2.3L、2.5L、2.8Lの6気筒ガソリンエンジンを搭載、W115は2.0L、2.2L、2.3Lの4気筒ガソリンエンジンと、2.4Lの4気筒ディーゼルエンジン&3.0Lの5気筒ディーゼルエンジンを搭載したモデルだ。

先代のW110(通称:羽根ベン)までは、強いて言えばSクラスに相当する上級クラスを元にして、単に4気筒用にショートノーズ化しただけの造りで、おもにタクシー需要を満たすだけに過ぎなかった。しかし、このW114/115では一挙に「オーナードライバー向き」と銘打ち、コンパクトでスタイリッシュな専用ボディを与えられて登場したのだった。結果、最終的な販売台数はW110の3倍に相当する191万9056台にのぼった。

特徴は、何と言っても縦目のヘッドライト。しかもスマートになったグリルとのモダンなコンビネーションは、引き締まったボディサイズや最新のテクノロジーが投入され、メルセデス・ベンツならではの高級質感を一層際立たせて見せた。

内装のセンスもまさにパーソナルカーの趣きで、待ち憧れていた世界中のファンに好意を持って迎えられた。そして、日本では国産2Lクラスと大して変わらないというコンパクトさが、メルセデス・ベンツを身近な存在に。当時のダイムラー・ベンツ社は、「メルセデス・ベンツのエントリーモデル」と表現し、「オーナーカーに相応しいエンジニアリングの数々を、満を持して投入した」と胸を張った。

発表会の模様

グレードは4気筒の200から6気筒の280まで用意され、さらにハードトップ・クーペの250CEや280CEも加わった。このEの接尾辞はドイツ語でEINSPRIZUNGの頭文字だが、燃料噴射の意味。初のDOHC燃料ポート噴射式エンジンを搭載し、このクーペの放つ趣味性の高さも、その存在を身近に感じさせている。

果たして触れてみると、親しみやすさが設計の目的に置かれていることが明白に感じ取れた。ボディはコンパクトでもシートは身体を充分に包んでくれるサイズが確保され、あくまでもファミリーカーとして乗員を温かく歓迎する雰囲気のキャビンで安心感があった。

機構上、もっとも大きな変更はパワーアシスト付きのステアリングを採用し、駐車場も楽に操作できるようになったこと。コンパクトで視界も広いので女性にも付き合いやすいメルセデス・ベンツが誕生したと言える。ステアリングは大径で扱いやすいだけでなく、しっかりとした重みもあり、安心感のある握り心地が特徴であった。

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