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480万円でポルシェ「911カブリオレ」が落札される! もはやコレクターズアイテムと化した3台の「ジュニアカー」を紹介します

480万円でポルシェ「911カブリオレ」が落札される! もはやコレクターズアイテムと化した3台の「ジュニアカー」を紹介します

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2023 Courtesy of RM Sotheby's

全車ともに驚きのプライスで落札!

ところで、これまでAMWでもしばしば取り上げてきたように、子どもでも乗ることのできるサイズに縮小された「チルドレンズ・カー」ないしは「ジュニアカー」は、モデルとなるホンモノのクルマの再現度や作り込みの精巧さなど、子ども用のおもちゃの領域をはるかに凌駕し、大人の自動車愛好家を満足させうるコレクターズアイテムのレベルに達したものも少なくない。

2023年12月のRMサザビーズ「The White Collection」オークションに出品された3台のハーフスケール・ポルシェも、そのレベルに達したチルドレンズ・カーといえよう。

まずは「911カブリオレ」を模した2台は、同型モデルの色違い。1980年代の初頭に、ポルシェ自ら「Gシリーズ」時代のカレラ カブリオレを模して製作し、224台を発売した「911ジュニア」である。

1シーターだけでなく、2シーターも用意されていたこの小さな911には、排気量98cc/最高出力2.5ps単気筒のホンダ汎用エンジン「G100」型を搭載し、ペダル操作も可能な湿式多板式遠心クラッチを備えたマニュアル2速ギアボックス(後進1速)と組み合わせによって、最高速度は約30km/hに達したとされる。また、ディスクブレーキや点灯する灯火器類、本物の電磁ホーンなども装備されている。

こうして12月初頭に行われた競売では、2台の911ジュニアが同時出品されたうち、赤い個体は2万ドル~3万ドルというエスティメート(推定落札価格)に対し、3万3000ドル(邦貨換算約480万円)で落札。

いっぽう、白いほうの個体はもともと赤いほうよりお安めの1万5000ドル~ 2万5000ドルのエスティメートが設定されていたものの、白いポルシェが大集結した「The White Collection」の雰囲気につられたのだろうか、3万6000ドル(約520万円)で落札されることになった。

そしてもう1台、白いレーシングカーは1981年のル・マン24時間レースにて、グループ6プロトタイプ時代の最後となる勝利を獲得したポルシェ「936」を、こちらも当時のポルシェの公式プロジェクトとして縮小した「936ジュニア」。1980 年代半ばに、わずか100台が製作・販売されたといわれるものである。

近年でも有名なコレクターズアイテムとして、ポルシェのオフィシャルイベントなどに展示されることもある936ジュニアは、当初フェリー・ポルシェ博士をはじめとするポルシェ界のVIPたちに贈呈されたという。

パワーユニットは、排気量200cc、最高出力は5psの「ブリッグス&ストラットン」社製4ストローク単気筒エンジン。前進2速、後進1速のマニュアルトランスミッションを介して後輪を駆動し、最高速度は時速 35マイル(約56km/h)をマークしたという。

くわえて、ディスクブレーキや調整可能なリアウイング、油圧ダンパー付きのサスペンション、ラック&ピニオン式ステアリング、リミテッド・スリップ・デフ、ホーン、およびライト類も完全に機能するとのことである。

この小さなル・マン優勝車にも、1万5000ドル~2万5000ドルというエスティメートが設定されていたのだが、実際の競売ではビッド(入札)が殺到。終わってみれば4万8000ドル、日本円換算で約700万円という高値でハンマーが落とされたのである。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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