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スズキ「ジムニーシエラ」が「AXCR」を見事完走! メカニック担当は中央自動車大学校の生徒たち…哀川翔さんのチームもクラス優勝に持ち込みました

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)

  • 総合41位と厳しい結果となってしまったが、JIMNY賞3位、AUTO レディース賞3位と各賞での受賞をすることにはなった
  • 激しいスコールに見舞われることも多かった。出走のタイミングによってはSSをドライで走り切れるか、泥濘地となってしまった場所を走るか、という違いにもつながる
  • 4日目に設定されていたヒルクライムのガレ場で転倒し、フロントガラスに大きなヒビが入った状態でなんとかホテルに到着した
  • ストレッチしたものの、車両の軽量化も考慮し車両後部をピックアップトラックのようにしたことでジムニーの良さを残した1台
  • 136号車は、台湾の女優でもあるRoslyn SHEN選手がステアリングを握りコ・ドライバーには若干17歳のNada SIMARAKS選手が乗り込んだ
  • FLEX SHOW AIKAWA RacingはAXCRに2011年から参戦を続けている
  • 4日目に30分以上あったトップとの差を5日目に19分まで短縮、さらに最終日にプッシュを続け、見事逆転した
  • 判読の難しいコマ図もあり、ミスコースが続出した今大会。修理をしていきながらそれでもより攻めた走りでプッシュを続けた川端真人選手
  • リアウイングを落としながらも走行を続けたランドクルーザープラド
  • AXCRに5年ぶりの参戦となったFLEX SHOW AIKAWA Racingだったが、1分27秒差をつけて悲願の初クラス優勝を飾った
  • 中央自動車大学校が手がけ、AXCRに出場した2台
  • ジムニーシエラのラリーカー製作に携わったのは、20名近い1級自動車整備科4年生の中から選ばれた3名
  • 自動車業界に進む彼らにとって、この「生の体験」は重要だと引率の小谷秀則先生は語る
  • 今大会で設定されたコースを見据えて、直進安定性を向上させるため300mmストレッチしたジムニーシェラ

学生たちのフォローがなければ2台は完走できなかった!

アジアクロスカントリーラリーに挑戦を続けている中央自動車大学校。2023年大会は優勝車両のTOYOTA Gazoo Racingインドネシアチームの車両を手がけていました。2024年大会では、スズキ「ジムニーシエラ」をストレッチしてピックアップトラックにした車両と、タレント哀川 翔さん率いるFLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRESのトヨタ「ランドクルーザープラド」の2台を手がけ、本戦に挑んでいました。

2023年は優勝車両のメンテナンスを行った

アジアクロスカントリーラリー(AXCR)第29回大会は、2024年8月11日(日)から17日(土)にかけて、タイ南部にあるスラタニからスタート。タイ国内を北上し、カンチャナブリでフィニッシュするルートで開催された。

このAXCRに長く関わってきており、長らく車両の製作および整備までも行っているのが、千葉県白井市と鎌ケ谷市にキャンパスを持つ自動車整備士を養成する「中央自動車大学校(CTS)」である。

2023年は優勝車両となったTOYOTA Gazoo Racingインドネシアチームのトヨタ「フォーチュナー」のメンテナンスを行ったが、今大会には、ゼッケン136をつけるCTSオリジナルの改造を行ったスズキ「ジムニーシエラ」の「No.136 Asian Rally team Suzuki JIMNY SIERRA(Roslyn SHEN/Nada SIMARAKS)」、そしてゼッケン127をつけるトヨタ「ランドクルーザー プラド」、「No.127 PRADO FLEX Racing SPEC(川畑真人/Daychapon TOYINGCHAROEN)」の2台の面倒を見る形で、それぞれの車両に3名ずつ、6名の学生と引率教師が帯同した。

AXCRの現場では、朝車両を送り出すと、限られた時間での昼のサービスで簡単な整備を行い、夕方ホテルに戻ってきた車両にトラブルがあればそれを翌朝までに修理して、また車両を送り出すということを毎日行う流れとなる。

FLEXチームはクラス優勝!

中央自動車大学校の菅原 上さん、谷本慧悟さん、山本 駿さんが担当した136号車ジムニーシエラは初日からマシンスタックによる足まわりの損傷というトラブルが起き、徹夜での作業を経験。さらに4日目にはSSの難所であるガレ場で車両が横転し、修理のため翌日の5日目はデイ・リタイア。なんとか最終日には再び車両を走らせることができたものの、この日は規定時間を大幅にオーバーして到着するなど、厳しい戦いを強いられるものとなったが、無事にフィニッシュポイントまで車両を持ち込むことができた。136号車は総合41位(JIMNY賞3位、AUTO レディース賞3位)という結果に終わった。

岡本泰和さん、北村真大さん、本間響さんが担当した127号車ランドクルーザープラドは、FLEXチームのメカニック3名とのジョイントでの参戦だったが、こちらも2日目に左リアのショックアブソーバーが折れ、5日目にはリアウイングの脱落。リアガラスが割れたことで車室内が砂埃だらけになるなどしたが、それでも4日目にはクラストップと33分あった差を逆転し、なんとAUTO T1Gクラス優勝(総合16位)という結果でフィニッシュとなった。

普通の走行では考えられないような壊れ方をするマシンが帰ってきて修理を行う。それが毎日続く環境の中、さまざまな部品が壊れていき、予備部品だけで足りずに現地で調達に奔走したり、現場で溶接加工を行ったりと、引率教師とともにそれぞれが多忙な1週間を経験した。

整備のミスやコミュニケーションのズレなどもあり、それぞれの経験値のなさを痛感する場面も多く、将来整備士を目指す若者にとって、経験値としては非常に大きなものとなったようだ。それでもこの2台を完走まで持ちこんだ彼らに拍手を贈りたい!

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