ミウラ P400SVの取り引き実績にも近い高価格でハンマーが鳴らされた
このミウラは、たちまちアンガスのコレクションの中心的存在となっただけでなく、そのスタイルとパワーで、周囲の仲間たちからも認知されるようになった。とくにその美しさはオーナーを魅了し、彼の所有するほかのクルマのデザインにも影響を与えてゆく。そしてこのP400Sのホイールのデザインは、同じく今回の「Monterey 2024」オークションに出品された「LM002」の特製ホイールにも引用されることになった。
カリフォルニア州ロングビーチの「グランツーリング・クラシック」社は、キャブレターのクリーニングとチューニングを行った。オリジナルの燃料タンクは修復されて再び取り付けられたうえに、キャブレターのレイアウトのために、時として車両火災を起こしがちなミウラには有用な消火システムも取り付けられた。
今回のオークション出品に際して、RMサザビーズ北米本社の営業部門は、アンガスからこのミウラSを相続した遺族である現オーナーとの協議の結果、140万ドル~170万ドル(邦貨換算約2億720万円〜2億5160万円)というエスティメート(推定落札価格)を設定していた。
ところが、モントレー市内の大型コンベンションセンターで挙行された競売では、ビッド(入札)が予測外に跳ね、終わってみれば189万7000ドル。現在の為替レートで日本円に換算すれば約2億7300万円という、ここ数年におけるミウラ P400SVの取り引き実績にも近い高価格でハンマーが鳴らされることになった。
ちなみに4年前、2020年11月の「The Elkhart Collection」にて、故アンガス・ミッチェル氏がこの個体を手に入れた際のハンマープライスは116万ドルであった。また、同じく2024年のモントレー・カーウィーク中に開催された「グッディング&カンパニー」社の「Pebble Beach」オークションでも、ミウラP400Sが204万ドルで落札された実績を見ても、やはりこのモデルの相場はジリジリと上がっているということなのであろう。




















































































