クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CLASSIC
  • 畑に捨てられたフィアット「プント スポルティング アバルト」を路上復帰! ラリーで入賞できるくらいにオーナー自ら修理しました
CLASSIC
share:

畑に捨てられたフィアット「プント スポルティング アバルト」を路上復帰! ラリーで入賞できるくらいにオーナー自ら修理しました

投稿日:

TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)

  • フィアット プント スポルティング アバルト:ホイールは2代目プント アバルト用のスピードラインで、サイズは6J-15。タイヤはブリヂストンのプレイズ。“まにあのガレージ”さんはイタ車オーナーの鑑だ
  • フィアット プント スポルティング アバルト:ブラックの部分はご自身でスプレー塗装を施している。フロントのエアダム、リアのアッパー、アンダースポイラー、サイドスポイラーはアバルト仕様
  • フィアット プント スポルティング アバルト:マフラーやブレーキはノーマルを使用。フロントに積まれている水冷直列4気筒DOHCエンジンの排気量は1240ccで、最高出力は86psを発揮
  • フィアット プント スポルティング アバルト:各種イベントへの参加を楽しんでおり、2019年6月のフィアット・フェスタでのラリーで3位を獲得した実績がある
  • フィアット プント スポルティング アバルト:エンジンはノーマルのインジェクションをそのまま使用。タイミングベルトはご自身で交換。トランスミッションも純正品を使用している
  • フィアット プント スポルティング アバルト:シートやメーター類はノーマルのまま。シフトノブ、アクセル、ブレーキ、クラッチペダル、φ35cmの3本スポークステアリングはアバルト仕様
  • フィアット プント スポルティング アバルト:普通の同モデルとどこか雰囲気が違うな、と思っていたらユーロテールを装備していた。サスペンションはちょいダウン
  • フィアット プント スポルティング アバルト:各種イベントへの参加を楽しんでおり、2019年6月のフィアット・フェスタでのラリーで3位を獲得した実績がある

絶滅危惧種のプント スポルティング アバルト

フィアット初代「プント」のホットモデルである「スポルティング アバルト」は、かつてキビキビ走れるイタリアン・ホットハッチの定番モデルのひとつとして数多くのファンを魅了しましたが、現在乗っている人は僅少で、完調を保っているのは日本に数台という規模感でしょう。オーナーの“まにあのガレージ”さん(64歳)に話をお聞きしました。

朽ちた廃車体を救出

「このプント スポルティング アバルトは1999年式で、2018年に超安価で入手しました。筑波サーキットを走っていたクルマなのですが、その後、畑に捨てられて“草ヒロ”になってしまい……。長きにわたって炎天下に放置され続けていたので、購入当時は塗装のクリアが剥げていました。内装はほとんどありませんでしたね。それでも書類が残っていて、好きなブランドであるフィアットだったので引き取ったのです」

“まにあのガレージ”さんが、そのような状態のプント スポルティング アバルトをサルベージできたのには理由がある。それは、これまでにフィアット「X1/9」を6台、初代「パンダ」を3台、2代目「パンダ」を2台、2代目「プント」、「500」(現行の1.4 16V)、ランチア「デルタ HF インテグラーレ 16V」などを所有してきた実績があるのだ。書類さえあれば、「草ヒロ」になっていた小さなイタリア車を復活させるぐらいの作業は楽勝なのである。

往年の名車を所有してきたオーナーが路上復活を果たす

「現在も2002年式か2003年式のスマートKと4台のX1/9があり、そのなかの1台は車検が切れていますがナンバー付きで、2024年中に復活させます。パンダも1台あり、デルタと500も残しています。プント スポルティング アバルトのボディは自分でスプレーで塗装し、タイミングベルトも自分で交換しました。私にとって、クルマはライフワークです。でも、今後は数を減らしていきたいですね」

ほとんど全部修理したというプント スポルティング アバルトは2019年5月に復活。同年6月に開催されたフィアット・フェスタのラリーに参戦し、見事3位を獲得したのだ。

「畑から救出したときの総走行距離が約9万kmで、このイベントに乗ってきたことで10万1302kmになりました。これからもイベント参加用として乗っていきます」

今後、プント スポルティング アバルトでプランニングしていることはありますか? という質問に対して、「いろんな出来事が突然やってくるので計画無しです」と回答してくれたが、深読みすれば、「何があっても即座に対応します」ということであろう。“まにあのガレージ”さんのイタリアンなカーライフは、これからも熱いものになるはずだ。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

すべて表示
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
著者一覧 >

 

 

 

 

 

 

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

 

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS