ロータス正規ディーラー「ロータス神戸」がグランドオープン
ロータスといえばイギリスのライトウェイトスポーツカーを象徴するブランドとして、「セブン」を皮切りに自動車趣味人に長らく親しまれ、近年では「エリーゼ」シリーズを中心にブランドを確立してきました。そのロータスは現在、電動化を軸にラグジュアリー・ブランドへと進化しようとしています。新たなロータスの世界観に触れられる拠点として、新CIを採用したディーラー「ロータス神戸」が2025年1月19日にオープンしました。
スパルタンな少量生産メーカーからグローバル・ラグジュアリー・ブランドへ
世の中はつねに目まぐるしく動いている。クルマの世界もまた然りで、自動車産業100年に一度の変換期ともいわれる昨今、昔から知っていた「自分の常識」が、とうの昔に「現在の世界の常識」と乖離していた、なんてことも珍しくはない。
例えば、スポーツカーの世界でいえばロータス。野心はあるが金はない英国の若者――アンソニー・ブルース・コーリン・チャップマンが、中古の大衆車「オースチン セブン」を切った貼ったで仕上げたワンオフのスペシャル、ロータス「マーク1」。そんな時代の熱血エピソードをきっかけにロータス・ファンとなった世代にとって、昨今のロータスの革命的変貌ぶりには、ひたすら驚かされるばかりではなかろうか。
若きチャップマンが、許嫁の実家の裏庭でボックスレンチで中古のオースチン セブンを改造していた時代はもはや紀元前の伝説だ。そしてモータースポーツの分野では幾度となくF1王者に輝き、そのDNAをまとった歴代の市販車は大手メーカーでは作り得ない独創性にあふれ、つねにスポーツカー好きの耳目を集めてきたロータス。
しかし近年のロータスに、かつてのような素朴で荒削りなバックヤード・ビルダーの面影はもはや皆無。来たる2028年に創立80周年を迎えるロータスは、その節目に向け「VISION 80」と銘打ったスローガンを掲げ、ブランドの再構築に勤しんでいる。
その具体的な戦略のひとつが電動化。先頃リリースされたロータス初のSUV「エレトレ(ELETRE)」、そして最新のハイパフォーマンス4ドアGT「エメヤ(EMEYA)」は、ご存知の通り一切の内燃機関を持たないBEVである。ロータスの市販ロードカーとしてはいずれも初物づくし。これらのニューモデルをフックとして、ロータスは「クラブマンレーサーや硬派な走り屋向けのスパルタンなスポーツカーを少量生産するスペシャリスト」から、「ハイパフォーマンスEVスポーツカー、ライフスタイルEV、先行開発技術を3本の柱とするグローバル・ラグジュアリー・ブランド」へと、さらなる進化を目指していくという。