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万能アイテム「パーツクリーナー」には「速乾」と「遅乾」があるって知ってた? DIY派御用達のスプレーは、カメムシ駆除にも効果絶大でした!

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: AMW

  • パーツクリーナーはホームセンターでも購入することができる
  • 一般的なのはスプレー後すぐに乾燥する「速乾性」で、有機溶剤を高圧で噴射し汚れを分解しながら吹き飛ばす
  • 時間をかけて汚れを分解する「遅乾性」は、落ちにくいガンコな汚れや油脂分に対して有効だ
  • エタノールなどの有機溶剤は引火性が高く、スプレーの噴射にはガスも使っているため、通気性のいい場所で使うのがセオリーだ
  • 金属部分の油汚れを効果的に落とす専用洗浄液

油脂分やグリスを効果的に除去する

クルマ好きの必須アイテムといえるパーツクリーナー。本格的な整備からちょっとした清掃までさまざまな作業に役立ち、カー用品店だけではなくホームセンターでも確実に販売しています。DIYのお供としてクルマや自宅に常備している人も多い、パーツクリーナーの活用法を紹介します。

速乾性と遅乾性がある

パーツクリーナーとは名前から想像できるとおり「パーツ」を「クリーン」にするアイテムで、油脂分やグリスを効果的に除去するという効能は基本的に一緒だが、製品によって成分の配合や使える素材などは異なるため注意が必要だ。選ぶときの目安になるのは含まれている有機溶剤の量で、缶の容量に対しエタノールやヘキサンなどに代表される、いわゆる「第1石油類」が多いほど分解する能力が高い。

ただしパーツクリーナーは金属にしか使えない製品もあり、仮にそれらを樹脂やゴムに使うと劣化が進むので注意しよう。当然ながらボディの塗装に対してもダメージを与えてしまうので、塗装されていない金属パーツに使うのが前提だと理解しておこう。

もし樹脂やゴムなど雑多な素材に使うなら、それらに対応したパーツクリーナーを選び、余計なトラブルを招かないよう注意したい。もうひとつの大きな違いは速乾性か遅乾性か。一般的なのはスプレー後すぐに乾燥する「速乾性」で、有機溶剤を高圧で噴射し汚れを分解しながら吹き飛ばす。そのため乾くのを待つ必要がなく作業をスピーディに進められるのがメリットだ。

使用時は注意も必要

いっぽう時間をかけて汚れを分解する「遅乾性」は、落ちにくいガンコな汚れや油脂分に対して有効だ。キレイにしたい部分に吹き付けたら、ブラシなどを使い根気強く清掃しよう。またほとんどのパーツクリーナーには、エアダスターと同じノズルが付属する。

奥まった場所や小さなパーツにピンポイントで噴射するときはノズルを使い、広い範囲に渡って噴射したいときは吹き出し口からノズルを取り外すなど、ケース・バイ・ケースで使い分ければより効率よく作業を進められるはずだ。

プロからアマチュアまで作業に欠かせないパーツクリーナーだが、当然ながら使用する際に注意しなければいけない点はいくつかある。まずはストーブなど火気の近くは避けること。エタノールなどの有機溶剤は引火性が高く、スプレーの噴射にはガスも使っているため、通気性のいい場所で使うのがセオリーだ。

また前述のとおり樹脂やゴムを傷めるパーツクリーナーもあるので、吹きかける場所の近くにそれらの素材があれば確実にマスキングする。

じつはカメムシに効く!

余談だがパーツクリーナーが「カメムシに効く」と聞いたことはあるだろうか。

2024年は全国的に異常ともいえる発生量で、駆除スプレーの品切れが相次いだという。そんなとき注目されたのがパーツクリーナーで、殺虫剤より即効性が高いなんて話も耳にした。実際に使ってみるとカメムシ専用のスプレーは吹きかけても即死するわけではなく、徐々に動きが鈍くなるといった感じでしばらく時間が経つと息を吹き返すことも。

パーツクリーナーは文字どおり瞬殺で、あのイヤな匂いを出す前に駆除することができた。聞くところによればカメムシの身体を覆っている油脂を分解し窒息させるようで、薬剤への耐性を持ち殺虫剤が効きにくい個体にも有効なので非常に安心感がある。

一般的なカメムシ駆除スプレーより低価格なうえ、匂いがなく速乾性が高いのも魅力といえるだろう。しかしながら専用品はカメムシを寄せ付けない忌避の効果があり、駆除だけのパーツクリーナーとは大きな違いがあることも忘れずに。

本来の使い方とは違うものの、パーツクリーナーは何かにつけて重宝する。含有物や速乾性または遅乾性などの違いを把握し、自分の使い方に合う1本を見つけるのもまた面白い。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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