発表直後の進化型GRカローラがOAMに降臨
西日本最大級のモーターイベント「大阪オートメッセ2025(OAM)」が2025年2月7日(金)〜9日(日)にインテックス大阪で開催。チューニングカーやドレスアップ車両など、351社・630台もの多彩なジャンルのクルマが展示されています。TOYOTA GAZOO Racingブースでは、2月4日に発表されたばかりの進化型「GRカローラ」の日本仕様が初公開となりました。早速、詳細を見ていきましょう。
高速コーナーでの旋回性能がアップ
2025年2月4日から受注を開始し、3月3日に発売を予定しているトヨタの進化型「GRカローラ」は、スーパー耐久シリーズなどのモータースポーツに参戦する中で得た学びを生かし、高速コーナーでの旋回性能、加速性能や冷却性能などを改良したほか、進化型「GRヤリス」にも採用した新開発8速ATのGAZOO Racing Direct Automatic Transmission(GR-DAT)を追加設定したもの。
高速コーナーでの旋回性能については、前後ショックアブソーバーにリバウンド側で作動するスプリングを内蔵し、旋回時の車両姿勢と内輪の接地荷重特性を改善し、リアアクスルの回転中心であるトレーリングアーム取付点を上げることで加速時のリアの沈み込みを低減。
さらにリアのコイルスプリングとスタビライザーのばね特性を見直し、それぞれのロール剛性の分担率を最適化することで、旋回時のリヤタイヤの接地性を向上させている。
新設定のGR-DATならDレンジのままスポーティに走れる
加速性能の進化については、コーナーでの立ち上がり加速に重要な中速域でのエンジントルクを従来型に対して30Nm増加させ、最大トルクを400Nmまで向上(最高出力は不変)。
そして新たに設定されたGR-DATは、減速度や車両速度などの車両状態に基づいた変速となっていたところを、ブレーキの踏み込み方・抜き方、アクセル操作まで細かくモニタリングすることで、運転状況を先読みし、プロドライバーによるシフト操作と同じようなタイミングでのギア選択を実現し、Dレンジのままでもよりスポーティな走りを楽しめるようになっている。
そのほかではバンパー開口部を拡大し、右側にサブラジエーター、左側に空冷ATFクーラーを搭載し(GR-DATの場合)、フロントバンパー側面のサイドダクトに空気の排出用の開口を設けることで冷却用の空気をスムーズに排出できる構造を採用して、冷却性能と空力性能の進化を実現した。
またバンパーコーナー部には小さな段差を設けることで、バンパーコーナー部からの空気の剥離を抑制し、操縦安定性を確保する改良もなされている。
これ以外にもABS作動輪の設置荷重をモニタリングすることで、三次元的な動きをした際のABS作動時にも安定した制動力を実現したほか、一部ボルトに締結剛性の高いものを採用することでダイレクト感や応答性などを高めているのもポイントだ。
日本仕様だけの「サーキットモード」も
そして日本仕様の進化型GRカローラのみに与えられた機能としては、アンチラグ制御の追加やスピードリミッター上限速度の引き上げなど、クルマのポテンシャルを引き出す機能が国内のサービス対象サーキット・施設において有効となる「サーキットモード」の搭載や、モリゾウエディションで採用されていたウルトラスエードを多用したインテリアに近いものとなる「SPORT Package」をオプション設定。
また従来型のGRカローラユーザーに向けて、進化型GRカローラの進化点を体感できるアップグレード用の部品セットが設定されるのもうれしい配慮と言えるだろう。
今回の進化型GRカローラは過去のGRカローラのように台数限定販売ではないが、受注が集中すると受注停止となる可能性もありそうなので、気になる人はすぐにでも販売店に足を運んだ方がよさそうだ。