出品車両は2020年7月に英国に並行輸入された6速MT仕様
今回オークションに出品されたのは2005年モデルの「ランエボワゴンGT」。ベースとなったランサーセディアワゴンに三菱独自の可変吸気バルブ“MIVEC”を搭載した4G63Bエンジンと最終型となるエボIXのパワートレイン6速MTを組み合わせた唯一無二のモデルです。特筆すべき点はベース車両には設定のない280ps/40.0kg-mの強靭なパワーを受け止めるためにボディに徹底的な造り込みが施されていること。
幅広いタイヤを収めるためにブリスターフェンダーによりワイド化され、開口部が大きなワゴンボディのリアまわりは各部のスポット増しや各ピラーの結合部やストラットタワー部分への補強、リアクロスメンバーの追加などにより車体骨格を見直し。
見た目だけのモデルではなく、ランエボの名に相応しいツーリングパフォーマンスカーに仕上がっています。ミッションは日本国内では6速MT(GT)と5速AT(GT-A)が用意されましたが、競売に掛けられたのは6速MTのGTグレードです。
ちなみにランエボ自体は2003年に発表・発売されたエボVIII以降は欧米市場へ正規に輸出され、次世代三菱のイメージリーダーカーとして広く世界に周知されましたが、ワゴンについては日本専売モデルとして海外で発売されることはありませんでした。この個体は前オーナーが2020年7月にイギリスに並行輸入したもので、改造箇所はなく、ラインオフしたままの姿で維持されてきました。
セダンのエボは過去に1000万円を大きく超える価格で落札されたが…
出品車両は総走行距離5万7700マイル(約9万2859km)。距離は走ってありますが、クラッチ、タイミングベルトの交換などメンテナンス歴は残っています。エクステリアはリペイントされたてからセラミックコーティングが施され、非常に素晴らしいコンディションをキープ。タイヤも交換からわずか1000マイル(約1600km)程度しか走行しておらず、しばらくは基本的な整備のみで乗り続けられるはずです。
希少なアメジストブラックのエボワゴンですが、推定落札価格は2万2000ポンドから2万5000ポンド(約430万円〜487万円)と想定されています。これまで取引されたオークションで幾多のセダン型ランエボが1000万円以上で取引された実績があることを鑑みると、今回のエボワゴンはかなり低め。これは走行距離の多さ、WRCのホモロゲーションモデルではないことが影響しているかもしれません。
割安と思える価格設定にもかかわらず入札は集まらず、残念ながら今回のオークションでは落札には至らず、次回に持ち越し。現在のJDM車両の人気高騰の影響もあり、今後は評価が高まりそうな1台だけに、今が買い時だったとなるかもしれません。


































































