若くして“595”の2台持ちを実現したオーナーに訊く
現行アバルトの「595」や「695」のルーツは、いわゆるルパン三世の愛車のチンクエチェントをベースにアバルトがチューニングしたモデルまでさかのぼります。当初はアバルト500としてリリースされ、1963年に登場したのがアバルト595で、翌年にはアバルト695も発売されました。今回は栄光の「フィアット アバルト」ブランドのクルマのなかでも、もっとも小さなモデルのひとつである「595エッセエッセ(SS)」とともにコースを快走していた若きオーナーさんから、お話しを伺うことができました。
20代からアバルトひと筋!
1963年9月に正式デビューしたフィアット アバルト「595」は、現状では最後の内燃機関搭載のアバルトとなってしまった「アバルトF595」の遠い祖先といえるモデル。
メカニズム面におけるフィアット アバルト595の新機軸としては、一体鋳造の専用シリンダーにくわえてピストンやカムシャフトも新設計されたほか、大径のキャブレター(ソレックスC28IB2)を装着。また、アバルトが得意とする大容量オイルパンやエキゾーストシステムも専用品が用意された。さらに排気量もノーマルの499.5ccから594ccまでアップされ、パワーは27psまで増強。最高速度も、当時イタリア全土で整備の進んでいた「アウトストラーダ」にぎりぎり対応できる120km/hに到達した。
一方、初期の595ではエクステリアの変更は最小限に留められた。しかし、その後の595には「600(セイチェント)」ベースの大ヒット作フィアット アバルト「850TC」に良く似たエンブレムや、内外装の随所に取り付けられたサソリの紋章、テールエンド下からのぞくアルミ製オイルパンを採用。そして2本出しの「マルミッタ・アバルト(アバルト・マフラー)」など、ひと目でアバルトと判るようなコスメティック上のモディファイが効果的に施されていたことから、当時のアバルトファンを魅了した。このシリーズ最小のアバルトは、大ヒットを博するに至ったのだ。
そして、今回インタビューに答えてくれた小池さんの愛車は、さらにハイチューンな1969年式フィアット・アバルト595SS(エッセエッセ)。「Tipo 105」というアバルト独自の形式名が付けられ、ソレックス34PBICキャブレターを採用している。ほかにも軽合金製の専用吸気マニフォールドなどによって32psをマーク。最高速は130km/hに達したモデルである。
























































