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日産910型「ブルーバード」はノーマルフォルムと当時モノのカスタムアイテム満載の快適仕様に

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TEXT: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)  PHOTO: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)

  • 日産 6代目 910型 ブルーバードとオーナーの“拓也”さん
  • 日産 6代目 910型 ブルーバード:パッと見では当時の懐かしい雰囲気ムンムンの昭和の改造車
  • 日産 6代目 910型 ブルーバード:とくにフロントバンパーにぶら下がっている純正オプションのフォグランプはレア物
  • 日産 6代目 910型 ブルーバード:古き良き時代のスタイルを尊重しつつも、便利な現代物は積極的に使う
  • 日産 6代目 910型 ブルーバード:トヨタGX61型「マークII ツインカム」用に設定されていたジュエルパールにオールペン
  • 日産 6代目 910型 ブルーバード:乗り心地を損なわず現代チューニングカーとして完成度を高めるワンオフのエアサスを装備
  • 日産 6代目 910型 ブルーバード:言われなければ気づかないが、テールライトは後期用に交換しているそうだ
  • 日産 6代目 910型 ブルーバード:エンジンはこの時代に話題になったターボではなくNAエンジンで、ソレックスキャブ仕様
  • 日産 6代目 910型 ブルーバード:エアサスタンクとコンプレッサーはトランクルームにセットしている
  • 日産 6代目 910型 ブルーバード:運転席にはレカロLSシートをセット
  • 日産 6代目 910型 ブルーバード:ロンザペダルが懐かしい
  • 日産 6代目 910型 ブルーバード:当時物のプレイボーイのストライプのシートカバーを装着
  • 日産 6代目 910型 ブルーバード:ケンウッド製のリアトレイ置き型イルミスピーカーをセット。ウインカーとストップランプに同調して文字が点滅するあのスピーカーだ
  • 日産 6代目 910型 ブルーバード:ウッドステアリングを装着
  • 日産 6代目 910型 ブルーバード:ロンシャン XR-4ホイールによって街道レーサー風に見せている

貴重な当時物パーツで彩る内外装

直線的基調のシャープなフォルムと軽量ターボで人気を博した日産6代目910型「ブルーバード」。その魅力に惹かれたオーナーが、純正の美しさを大切にしながら、乗り心地の快適さと当時感のあるカスタムを融合させた1台を完成させました。その内容を見ていきます。

ブルーバードの系譜

自動車大国と呼ばれる日本には、新たな時代を切り開いた名車がたくさん存在する。そのなかで日産が誇る走りのスポーツセダンとして国内外ともに大成功をおさめたのが、3代目510型「ブルーバード」だったことは有名な話。そんな名車510ブルーバードの再来と言われたモデルが存在した。それが6代目910型「ブルーバード」である。

軽量コンパクトな510型ブルーバードの後継モデルとなった610型は「ブルU」の愛称で親しまれた。510型が築いた走りの路線は、時代のニーズに合わせ610型では高級セダンへと方向性を変更。大きなボディにL20型6気筒エンジンを搭載した優雅なモデルも登場した。4ドアセダン、2ドアハードトップを展開し、610型は発売当初の販売台数こそ好調だった。が、キープコンセプトのままモデルチェンジを果たした5代目810型では販売が落ち込みが激しく低迷。そんななかで起死回生を狙って投入されたのが、1979年に登場した910型であった。

ボディを510型代のように直線基調に。当時画期的なシステムとして注目を集めた430型「セドリック」のターボエンジンの発想を、軽量かつハイレスポンスな4気筒ツインプラグの1.8LのZ型エンジンに応用し搭載させ話題になった。本来、こちらの方が相性が良いとまで言われていた。

話題のエンジン搭載とシャープなスタイリングで大変貌を遂げ、さらにサスペンション形式をフロント・ストラット式+ハイキャスター・ゼロスクラブサスペンションへと発展させたことで、抜群の直進性と制動時の安定性を実現。そして、ディスクブレーキ、ラック&ピニオン式ステアリング機構を採用するなど、走る、曲がる、止まるというクルマの基本性能が底上げされ、走りのSSS(スーパー・スポーツ・セダン)にふさわしい性能を持つ人気車種として再び脚光を浴びる存在となった。

その結果、販売台数は低迷していた810型の約15万台を大きく上まわり、910型は一気に22万台までアップさせることに成功した。

ちなみにこれは余談になるが、610型から形式数字が飛んで810型になった理由は、その間に発売された「バイオレット」が710型としてデビューしたからであった。

純ベタも実現するエアサスを採用した快適仕様

今回紹介する栃木県那須市在住の“拓也”さんは、若いころから910型ブルーバードが大好きだったと話す。“拓也”さんの愛車は、自分の理想を追い求めてオリジナルのマシンを作り上げることに醍醐味を感じるカスタム派の1台だ。ただしその仕上げに関しては派手な装飾を好まず、あくまでも純正の良さを活かしながら大人の旧車乗りとしてのセンスを感じさせるスタイルを目指している。

こだわりが詰まった“拓也”さんの910型ブルーバードの特徴は、快適便利な普段乗りマシン兼イベント用としてサスペンションをエアサス化している点にある。必要なときにベタベタに車高を落とせて、普段はサスペンションストロークを確保させて乗り心地良く過ごせる。もちろん専用キットなんて存在しないため、ワンオフで製作している。

ボディについてはスタンダードのままでボディカラーは純正かと思いきや、トヨタGX61型「マークII ツインカム」用に設定されていたジュエルパールにオールペンしている。すべてを塗ってしまうのではなく、昭和車らしくあえてバンパーやモールは純正スタイルをキープさせている点も注目したい。

また、カスタム好きであれば思わず視線を奪われてしまう貴重なパーツも満載だ。とくにフロントバンパーにぶら下げた純正オプションのフォグランプはレア物。そしてケンウッド製のリアトレイ置き型イルミスピーカーも懐かしい。内装ではウッドステアリング、ロンザペダル、レカロLSシートなどもセットされていた。

“拓也”さんの910型ブルーバードは古き良き時代のスタイルを尊重しつつも、便利な物は積極的に使うスタイル。パッと見では当時の懐かしい雰囲気ムンムンの昭和の改造車。ロンシャン XR-4ホイールによって街道レーサー風な足まわりもカッコよくキマッている。乗り心地も損なわない、現代チューニングカーとして完成度を高めていた。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

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  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 1969年生まれ。某出版社でドレスアップ誌、チューニング誌の編集長を歴任。2006年に自動車・バイク専門の編集プロダクション株式会社バーニーズを設立。自動車専門誌をはじめ、チューニング、カスタム系、旧車、キャンピングカー、アウトドアに関する媒体を新たに立ち上げる。これまでの愛車は、セリカXX、スカイライン、AE86、AE92、シビック、スープラ、シルビア、180SX、ロードスター、RX-7、BMW850iなどなど。他にもセダン系、バン系、ミニバン系など数多くのクルマを乗り継いでいる。
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