欧州での納車されて走っていた証拠
最初のオーナーは、ポルシェのヨーロッパ・デリバリー・プログラムを通じて、ドイツのシュトゥットガルトガルトで納車を受け、その直後にはアメリカへの輸出を前に、ヨーロッパでのドライブを楽しんだという。それを証明する当時のドイツのナンバープレートは現在でも大切に保管され、それもまた車両とともにこのオークションに含まれていた。
ブラックのボディカラーと、それに巧みに調和するレザーインテリアトリムのコンディションは、その年式を感じさせないほどに素晴らしいもの。ブラックのルーフライナーやスモークガラス、あるいはクルーズコントロールにアラームシステムといった、新車当時のオプション装備がそのままであることもまた魅力のひとつだ。
低走行距離が示す真の価値と930人気の証明
そしてなにより感動的なのは、現在までの走行距離がわずかに1万3228マイル(約2万1165km)という数字であること。この走行距離とともに詳細に残る整備記録から、いかにそれが大切に扱われてきたモデルであるかは容易に想像できるところである。このように多くの特徴を備えた1982年式のポルシェ911SC。その注目度はやはり高く、じつに9万6800ドル(邦貨換算約1430万円)というプライスで、新しいオーナーに落札された。RMサザビーズが事前に発表していた予想落札価格は8万ドル〜10万ドル(邦貨換算約1152万円〜1440万円)だったため、見事にそのレンジ内での取引となった。
ポルシェ911というモデルは、どの世代においてもそれに独自の魅力を感じるスポーツカーである。一見、クラシックカー市場での人気はあまり期待できないと思われるセカンド・ジェネレーションの911だが、それにも確実なファンが存在することを今回のリザルトは証明している。はたしてここまで優れたコンディションと魅力的な履歴を持つ911SCは、これからどこまでその価値を高めていくのか。クラシックな911の購入を考えるマニアには、それもまた気になるところであるに違いない。









































































































































