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父が遺したフォード「コンサル コーティナ」で家族の思い出とともに走る最後のラリー!

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TEXT: 奥村純一(OKUMURA Junichi)  PHOTO: 奥村純一(OKUMURA Junichi)

  • フォード コンサル コーティナ エステート:ステアリング形状とメーターパネルはシリーズ1専用デザイン。その後、シリーズ2では変更されている
  • 1963年式 フォード コンサル コーティナ エステート
  • フォード コンサル コーティナ エステート:跳ね上げ式となるリアドアの中央部に“Cortina”のエンブレムが装着されている
  • フォード コンサル コーティナ エステート:1962年のデビュー当初は1.2Lだったフォード コンサル コーティナは、1963年には1.5Lが追加された
  • フォード コンサル コーティナ エステート:マイナーチェンジでフォード コーティナ」へと名称変更されるが、デビュー当初の1962年は「コンサル」と「コーティナ」のダブルネームだった
  • フォード コンサル コーティナ エステート:楕円形ウインカーレンズはシリーズ1専用デザイン。シリーズ2ではウインカーがグリル内へと移された
  • フォード コンサル コーティナ エステート:リアウインドウに貼られた過去に参加したイベントのステッカー。家族で全国のイベントへ出かけた思い出だ
  • フォード コンサル コーティナ エステート:165/80 R13サイズのタイヤ&ホイールにクロームメッキのハブキャップが備わる。このデザインはサルーンとも共用となり、スペックによりホイールのリム幅が変わる
  • フォード コンサル コーティナ エステート:最低限の工具しか積んでいなかったというが、道中のマフラー欠落には大いに役に立ったという、ブルーポイントのソケット&レンチセット
  • フォード コンサル コーティナ エステート:家族で参加していた頃の写真と、イベント実行委員で来場者を盛り上げてくれた故人を偲んだ写真を室内に飾り、最後のミルキーウェイの道のりを共にした
  • フォード コンサル コーティナ エステート:ゴール地点のリゾートホテル「海辺の果樹園」に到着した山本夫妻
  • フォード コンサル コーティナ エステート:ゴール地点のリゾートホテル「海辺の果樹園」に到着した山本夫妻
  • 1963年式 フォード コンサル コーティナ エステート
  • フォード コンサル コーティナ エステート:ラストイベントとなった今回は、家族の思い出が詰まったクルマで参加した山本さん夫妻

父が選んだフォード「コーティナ エステート」で走る思い出のラリー

家族の思い出を乗せてきたフォード「コンサル コーティナ エステート(以下:コーティナ エステート)」で、クラシックカーイベント「ミルキーウェイ・ブルーアイランド・ラリー(以下:ミルキーウェイ)」に参加していた山本さんご夫婦。このクルマには、亡き父と過ごした時間が色濃く刻まれています。最後の開催となったミルキーウェイを、ご夫妻は特別な思いを胸にハプニングも楽しみながら走り抜けました。コーティナ エステートは、これからも変わらず家族の記憶をつなぎ続けていきます。

家族と共に駆け抜けたミルキーウェイ

今回で最後の開催となるミルキーウェイは、雄大な自然を愛車で駆け巡るスカベンジャーラリーとして長く四国で続くイベントだ。コマ図と呼ばれるルートマップの指示や、コース途中の設問からのクイズも楽しめることから、家族みんなで参加できる人気のクラシックカーラリーとなっている。そのため、スポーツカーだけではなくサルーンカーの参加も多い。

コーティナ エステートで参加した山本恭平さんと亜沙美さん夫妻も、そうした楽しみ方をする参加者だ。

元祖“羊の皮を被ったオオカミ”と言われる、ロータス製ツインカムエンジンを搭載したセダンボディのフォード「ロータス コーティナ」は日本でも人気があり、ヒストリックカーレースのシーンでもよく見かける。しかし、このエステートモデルは非常に珍しい。コーティナに限らずエステートモデルは、どんな車種でも商用目的で使われることが多いためか、後年まで残ることが少ないのだろう。

そんなコーティナ エステートだが、もともとはご夫婦ふたりに加え、ご両親も一緒の4人乗車で、地元である兵庫県からの道中も楽しみながらミルキーウェイに参加していたという。

「2017年に父が亡くなったのですが、最後に家族で参加したミルキーウェイも、このクルマでした」

じつは、恭平さんの父である山本数幸さんは、ロータス「エラン」を中心とした「コヴェントリーガレージ」を営むスペシャリストだった。ロータスはイギリス・フォードのコンポーネントを多用していることから、数幸さんはフォードへの造詣も深かった。

数幸さんはエランでイベントに参加したそうだが、家族みんなが乗って行けるクルマとして、このコーティナ エステートを選んだのだという。そして2013年から2017年まで、家族4人の笑顔を乗せてミルキーウェイの四国路を楽しんでいた。

「イベントの前には、父といつもガレージに籠って整備などをしていたんです。コーティナは、色々なことを思い出す特別なクルマです」

ハプニングも楽しみながら走り抜ける

数幸さんが突然亡くなり、コヴェントリーガレージを引き継ぐことになった恭平さん。父が教えてくれたひとつひとつの整備の要領を丁寧に思い返しながら、訪れるお客さんの愛車整備を手がけている。

「まだまだ父の域には達していないと思いますが、父亡き後も頼りにしてくれるお客さんがいらっしゃいます。行き詰まることがあっても、『こうして解決していたよな』と作業できるのは、このコーティナの作業を一緒にしていたおかげですね」

そして亜沙美さんも、数幸さんが亡くなった翌年に母親と3人で参加したミルキーウェイが、とくに心に残っていると言う。

「主催者の方だけでなく、参加者の方々からも励ましや温かい言葉をかけていただき、特別なステッカーまで作っていただきました。家族全員、心から励まされました」

数幸さんを偲んだステッカーを、今も愛車に残している仲間たちも多い。

「最後となったミルキーウェイでは、途中でマフラーに穴が開いてしまい、それを塞ぐなどのハプニング続きの道中でした。何年か経つと、こうしたハプニングも思い出のひとつになるんですね」

ミルキーウェイは今年で最後となってしまった。しかし、山本さんご夫婦は、知り合った仲間たちに会うために四国を再訪したり、地元でクルマ仲間とイベントを開催したり、愛犬を乗せてドライブを楽しんだりと、これからもコーティナを愛し続けたいと語る。

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